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レーヴァティン

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第二百二十二話 採られない戦術その四

「決戦を挑みましょう」
「流石にもう逃げ場所もないしな」
「王様もそこでね」
「腹を括って戦うな」
「間違いなくね、それじゃあ」
「エディンバラまで敵を倒しながら行くな」
 こう言ってだった、久志は帝国軍を北に北にと進めていった、森や山での敵のゲリラ戦術も退けていってだった。
 先に進んでいった、そうして。
 エディンバラに来た、するとだった。
「守りが凄いな」
「そうだな」
 正は街の城壁を見て共に見ている久志に答えた。
「これは」
「やっぱりここでな」
「最後まで戦うつもりだな」
「そうだな、そしてな」
 久志はさらに言った。
「街の市民もな」
「逃がしているな」
「全員な、街にいるのは」
「戦える者だけだ」
「これまで逃げていたが」
「これが最後と考えてだ」 
 それでというのだ。
「市民は逃がしてな」
「自分はか」
「最後の最後まで戦うつもりだ」
「そうだな、いい覚悟だ」
 久志はその声を強いものにさせて言った。
「本当にな」
「全くだ」
「これは激しい戦いになるな」
 久志は確信を以て言った、
「間違いなく」
「それこそだ」
 正も言った。
「この街を跡形もなくなくす」
「そこまでの戦いになるな」
「そうなる、そしてだ」
「今の俺達にはそれが出来る力もある」
「砲撃と術の攻撃とだ」
「空船も使ってな」
「そうして攻撃をするか」
 正はさらに言った。
「それかだ」
「俺達の力を使えばな」
「レーヴァティンならだ」
 正は久志の腰にあるその剣を見て述べた。
「それこそだ」
「ああ、この街ですらな」
「一振りで焼き尽くせるな」
「出来るさ、世界を焼き尽くした剣だ」
 久志は自信を以て答えた。
「それならだ」
「街の一つはな」
「それ位出来るさ、しかしな」
「核兵器と同じだ」
「無闇に使うものじゃない」
 久志は揺るがない声で述べた。
「このレーヴァティンそれにな」
「神器自体がな」
「そんなものじゃないだろ」
「そうだ、若しお前が使うと言っていればな」
「止めていたな」
「確かに一振りで戦は決まる」
「敵が皆殺しになってな」
 久志はこうも言った。
「そうなるな」
「そうだ、しかし」
「敵を皆殺しにすることがな」
「そこにあるものを全て焼き尽くす、しかも市民は逃げてもだ」
「まだ王妃さんなり侍女の人なりが残っていてな」
「料理人等非戦闘員もいる」
「そうした人達まで殺し尽す」
 久志はまた言った。 
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