| 携帯サイト  | 感想  | レビュー  | 縦書きで読む [PDF/明朝]版 / [PDF/ゴシック]版 | 全話表示 | 挿絵表示しない | 誤字脱字報告する | 誤字脱字報告一覧 | 

レーヴァティン

しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。 ページ下へ移動
 

第二百十九話 四国分裂その八

「糞爺でもな」
「腐りきってはいないから」
「まだいいな」
「そうなるわね」
「腐った林檎でもな」
 俗に言われる言葉も出した。
「腐ってる部分を切るとな」
「それやと問題ないで」
 美奈代も言ってきた。
「食べられるで」
「それでも全部腐ってるとな」
「アウトや」
「それでそんな奴はな」
「全部腐ってるわ」
「だから絶対にな」
「帝国やと用いへんな」
 久志にこう返した。
「そしてやな」
「用いるどころかな」
「殺すな」
「そうしてやるさ」
 久志自らというのだ。
「本当にな」
「そうするわね」
「外道、屑はな」 
 それこそというのだ。
「いらないさ」
「あの爺ちゃん位ね」
「用いることが出来るのはな」 
 それはというのだ。
「本当にな」
「本当にですね」
 夕子も言ってきた。
「あの人位だと」
「まだな」
「用いられますね」
「ああ、けれどな」
「屑になると」
「問題外だよ」
「用いるどころか」
「消してやる」
「左様ですね」
「世の中生きていても仕方ないどころかな」
 久志はさらに言った。
「それだけでな」
「害になる、ですね」
「そんな奴がいるからな」
 残念ながら世の中そうした輩も存在している、生きているだけで害毒を垂れ流し迷惑を撒き散らす輩が。
「そうした奴はな」
「仕方ないですね」
「そんな風にはなりたくないな」
 久志はこうも言った。
「人間な」
「生きていますと」
「ああ、屑にはな」
「なりたくないですね」
「自分はな」
「反面教師にすることですね」
「そうした奴はな、そうした奴が役に立つといえば」 
 それこそというのだ。
「そんなことしかないな」
「反面教師ですね」
「ああはなるまい」
「その様にですね」
「思うな」
 実際にというのだ。
「俺は」
「残念なことですね」 
 夕子は久志の話を聞いて悲しい顔になって述べた。
「若しそうなったら」
「だよな、反面教師にしかなれなかったらな」
「これ以上はないまでに」
「残念だよな」
「はい」
 本当にというのだ。 
ページ上へ戻る
ツイートする
 

全て感想を見る:感想一覧