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レーヴァティン

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第二百八話 ライン川へその七

「そうして戦うな」
「わかりました」
「では要塞を攻略し」
「そしてですね」
「三国の軍が集結する前に」
「その前に騎士団軍を倒しますね」
「ああ、三国の連携が悪くて動きが遅くてな」
 帝国の謀略でそうなっていてもというのだ。
「けれどな」
「それでもですね」
「こちらの動きが遅いと集結もしますね」
「そうもなりますね」
「だから焦らなくてもな」
 それでもというのだ。
「急ぐことはな」
「しますね」
「やはり焦ると急ぐは違う」
「急ぐことはしますね」
「そちらは」
「それで要塞も攻めてな」
 そのうえでというのだ。
「倒すな」
「わかりました」
「ではその様にしましょう」
「兵を進め要塞を攻め落とし」
「そうしてですね」
「ルール、ハンブルグに進む」
「そうしていきますね」
「そうしていくな」
 急がす、そう言ってだった。
 久志は帝国軍の主力二十万をミュンヘン北西とルールの中間辺りにあるその要塞に進めさせた。そうして。
 要塞の前に着くとだった、久志はその要塞を見て将帥達に話した。
「壁が違うな」
「はい、砲撃戦用です」
「縦に高いだけのものではありません」
「土塁を築き砲撃されにくく」
「あちらはしやすい様になっています」
「五稜郭だな」
 久志はつい函館のこの城を思い出して言葉に出した。
「これは」
「五稜郭?」
「それは何ですか?」
「陛下の起きられた世界でのものですか?」
「ああ、俺の起きた世界の起きた国の城だよ」 
 まさにそれだとだ、久志も答えた。
「それはな」
「やはりそうですか」
「ではその五稜郭もまたですか」
「こうした城ですか」
「ああ、この世界でもこうした城があるか、いや」
 久志は考える顔になってこう言った。
「築いたんだな」
「この要塞は築かれて間もないです」
「少しして出来たものです」
「この要塞はそうです」
「そうだろうな、俺達の戦い方見て築いたな」
 砲を多く使う帝国軍をとだ、久志も察した。
「そうだな」
「砲撃に強く」
「かつ術にもですね」
「術の防壁もかなりです」
「これは堅固な要塞です」
「しかもです」
 将帥達は久志にさらに話した。
「この要塞は空にも多くの砲が向けられています」
「空船に対しても強いです」
「そうした要塞です」
「そうか、難攻不落ってやつか」
 久志はここまで聞いてこう思った。 
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