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レーヴァティン

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第二百八話 ライン川へその五

「戦うな」
「ではですね」
「ここは要塞を攻略する」
「そうしますか」
「ああ」
 実際にというのだ。
「どんな難攻不落の要塞でも」
「攻め落とす」
「そうしますね」
「それではですね」
「ここは焦らないですね」
「急がないでな」 
 そしてというのだ。
「この速さでいくな」
「わかりました」
「ではそうしていきましょう」
「ここは」
「急いでも焦らない」
 久志は笑ってこうも言った。
「それが大事だろ」
「そうですね、戦においても」
「そして政全体でも」
「他のことでもですね」
「ああ、焦るとな」
 それこそというのだ。
「何でもしくじるさ、例えば何度言っても焦る奴に大事を任せられるか」
「それは無理ですね」
「止めてもなおらずです」
「それで焦ってはばかりですと」
「どうにもならないですね」
「それで暴走してな」
 そうしてというのだ。
「馬鹿やらかされたらたまったものじゃないだろ」
「特に戦では」
「それは致命傷になりかねません」
「そうした奴程責任を自覚しませんし」
「何度も同じことを繰り返します」
「だからな」
 そうした輩だかだとだ、久志はさらに話した。
「絶対にな」
「信用出来ずですね」
「大事を任せられない」
「焦ってばかりの輩は」
「下手に動いて周りを見ない」
「それでしくじるので」
「そうだよ、焦るばかりの奴を見てもそうだしな」
 久志は実際にそうした輩を見てきている、部活での後輩の一人にいたのだ。しかも将帥達が言った通りに責任を取らなかったのだ。
「だからな」
「それで、ですね」
「そうした輩を見てもですね」
「それで反面教師にして」
「我々としてはですね」
「焦らないことだよ、本当に急ぐのはいいんだ」
 これはというのだ。
「けれどな」
「急ぐことと焦ることは違う」
「そこの見極めが重要ですね」
「そして焦るばかりの輩はですね」
「大事を任せないことですね」
「それで責任自覚しないなら屑だ」
 それになるというのだ。
「無能な働き者は向いてる仕事させたら有能な働き者になるさ」
「はい、そうですね」
「要は適材適所です」
「それが大事です」
「誰でも向いていない仕事では無能です」
「向いている仕事では有能な働き者です」
「けれど焦ってばかりだと有能とかはな」 
 その仕事に向いているかどうかの問題ではないというのだ。
「関係なくてな」
「それで、ですね」
「何をするかわからないですね」
「そうした輩は」
「左様ですね」
「焦って失敗するさ、しかも失敗してな」
 まさにそうした輩に限ってというのだ。 
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