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穏やかな馬達

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第二章

「私も最初見て驚きました」
「あのペンギンを」
「キングペンギンですが」
 その種類についても話した。
「群れとはぐれて」
「そうしてですか」
「ここに辿り着いた様で」
「それでいますか」
「はい」
 そしてというのだ。
「一羽で彷徨っていると馬達の中に入って」
「受け入れられたんですか」
「見ていると馬達の方が誘う感じで」
「馬の群れの中に入って」
「そしてです」
 そのうえでというのだ。
「今ああして」
「いつも一緒にいますか」
「はい、ただペンギンなので草は食べないので」
 そこは馬と違っていた。
「私達が魚をあげています」
「餌をですね」
「はい、そして」
 それでというのだ。
「一緒にいます」
「そうですか」
「とても仲がいいですよ」 
 実際に仲良くしている彼等を温かい目で見ていた、そのサラクの話を聞いてからだった。
 コーネルはダイアナに話した。
「馬は優しいからね」
「だからなのね」
「ペンギンも受け入れるんだね」
「種類は違っても」
「イタリアではのどかな一面を見せてくれて」 
 冬の森でのその時のことも思い出して話した。
「そしてね」
「ここではなのね」
「優しい面を見せてくれたんだ」
「そういうことね」
「馬はいい生きものだね」  
 恋人に笑顔でこうも言った。
「そのことがわかったよ」
「それは何よりね」
「いい学問になった、じゃあこのままね」
「この保護区を巡って」
「楽しんでいこう」
「わかったわ」
 ダイアナはコーネルの言葉に頷いた、そうしてだった。
 二人はフォークランドも楽しんだ、今回の旅行も楽しんだ。そして馬を前以上に好きになったことを実感した。その優しさを見たので。


穏やかな馬達   完


               2021・6・18 
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