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オズのジンジャー将軍

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第三幕その八

「ワンちゃん達にああしなさいこうしなさいって」
「そう言う感じだったわね」 
 ナターシャが観てもでした。
「あの時の将軍は」
「そうだったのに」
 それがとです、カルロスはまた言いました。
「随分変わってるね」
「奥さんは物凄く優しい方ですよ」
 犬達は皆こう言いました。
「絶対に怒らないですし」
「ご主人もそうですけれど」
「僕達あんな優しい人他に知らないです」
「マンチキンも色々な人がいてです」
「いい人ばかりですが」
「奥さんが特にですよ」
 こうカルロス達に言うのでした。
「本当にです」
「あんな優しい人いないです」
「私達ここのお家に来た時から凄く可愛がられて」
「いつもお腹一杯ですし」
「身体も奇麗ですし」
「あんないい人はいないですよ」
「確かにこの農園の奥さんになって穏やかになったけれど」
 カルロスはそれでもと思いました。
「けれどね」
「それでもだよね」
「反乱を起こした時を思えば」
「まるで別人よ」
「そうよね」
「全くだよ」
 カルロスは四人ともお話しました。
「本当に変わったね」
「いい意味で変わったにしても」
「別人にしか思えない位で」
「何ていうか」
「驚くわ」
「人は変わるものでしょ」
 ドロシーは犬達から聞く将軍に対して戸惑いを隠せませんでしたがドロシーはこう言うのでした。それも笑顔で。
「そうでしょ」
「はい、確かに」
「そしてそれはオズの国ならいい方向に変わる」
「だからですね」
「ジンジャー将軍もですね」
「今はそうした人なんですね」
「そうなのよ」 
 こう五人にお話するのでした。
「ジンジャー将軍もね」
「あの、でしたら」
 ここで、です。カルロスはドロシーに尋ねました。
「この子達が言うことは」
「その通りなのよ」
「将軍は実際にですね」
「今は凄くいい人なのよ」
「そうなったんですね」
「ええ、ただね」
「ただ?」
「将軍のことはいいとして」 
 それでもと言うのでした。
「この農園はかなり広いわね」
「こんな広い農園二人でやっていけるかしら」
 アンはドロシーの言葉を受けて首を傾げさせました。
「ワンちゃんや猫ちゃん達がいてもね」
「人間は二人だけでしょ」
「働ける人はね」
「だったらね」
「ええ、人手がね」
 どうしてもというのです。
「足りないんじゃないかしら」
「犬手や猫手はあっても」
「とてもね」
「そうしたことはね」
「難しいわね」
「本当にね」
 こう思うのでした。 
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