【自作イラスト追加しました】ちゃちゃっと絵を描く能力で世界最強!~追放されたい俺を女神さまが放してくれない~
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気づくと近くに異世界人がいました
悲鳴を上げた人物は女性だったらしい。
声の感じから分かった。
不幸な彼女だが、ここに人炉で来るくらいだから腕に自信があるのだろう。
というわけで放っておく……という選択肢もあったが、
「さすがに俺たちの事情に巻き込まれている不運な人だから保護を……」
しようとクレアやリセに伝えて、彼女を保護しようとしたのだがそこで、
「な、何が起こっているんですか!? と、とりあえず【ステータス・オープン】」
「「「え?」」」
俺を含めて三人そろって声を上げた。
同時に黒い影の所に幾つものステータス画面が広がり、そのうちの一つは他よりも100倍はHP(体力)と魔力がある。
と、その一番強そうな影が動き、フードのようなものを取り、目が三つついた黒い人形のような体の人物が、
「なるほど、あの姫達に協力した異世界転移者とはお前だったのか」
「え? いえ? 何の話……」
「とぼけるな! それに今更言い訳しても遅いぞ。この俺様の力を見て恐怖におびえ逃げようとしているようだが、無駄だ」
「え、えっと、とりあえず逃げた方が良い……かな? 確かダンジョン脱出の……」
「無駄だ。異世界転移者の持つ能力の一つである空間転移は、大抵ダンジョンの入り口か、町の特定の場所に現れるからな。そちらの方は私の部下達で見張らせてもらってる。だから転移した無防備な所を攻撃するがな」
「そ、そんな……」
「お前が関わらずにいればもう数か月は長く生きられたかもしれないが、最も何も知らずに、【異世界転移者は皆殺し】だから、出会いの加減では今日あたりに死んでいたかもしれないがな」
といったお話をしけくれる。
どうやら、げ^無にあるダンジョンの入り口や既にいった所の町に戻る効果や能力、場合によってはアイテムが必要だったりするが、それを狙っているらしい。
後でそちらの方の対策をした方が良さそうだ。
そう俺が思いながらも、あちらの少女に意識が向いているのもあって丁度いい。
ノーマークにされている所での攻撃は、【とてもよく効く】。
危機状態では動ける時には動く主義の俺は、すぐ行動した。
すぐに出せるようにメモ帳状の物も事前に作っておいたのでそれをこっそり確認しながら一枚破って取り出し、
「【氷菓の剣】×300くらいで」
「なに!?」
その事前に作っておいた魔法陣の描かれた紙に触れて、攻撃個数も決める。
範囲攻撃ではあるがどの程度の量にするかは、事前に設定できる。
ただ、こういったメモ帳レベルになると、設定できる個数はせいぜいこの魔法だと1000くらいになる。
どちらかというと紙が大きい方が魔力を通した時の、【魔力が擦り切れて断線する】効果が少なく、より太い線で描けるので威力、量、ともに大きいものが使える。
とはいってもメモ帳はもち運びにも便利だ。
ただ、すぐに取り出せるポケットに入れられるメモ帳の量は限られるし、小さくして幾つも入れても必要なものがどれだか分からなくなる。
だから現実的に箱のメモ帳くらいの大きさで大丈夫なのだ。
そしてそこら中に氷の雨が降り注ぎ、何も攻撃できないまま雑魚キャラとその主人らしきキャラに降り注ぐ。
それらは数秒で収まり、雑魚キャラは全て消え、後には説明していた妙に強いキャラがいるのみ。
「な……な……異世界転移者が二人だと!?」
驚きおののく魔王の配下でボスっぽい人が言う。
それを見ながら俺は、
「やっぱり残ったか。じゃあ追加で……クレア?」
「折角だからあなたの能力を使わさせて。異世界人の能力を今なら、絵を描く以外にそこそこ隙に使えるでしょ?」
「それはまあ、でも攻撃魔法はまだ試していないしそれに【運動】、結構大変だぞ?」
「そういったものが発動前に入るのも興味があるから、やらせて。そもそも強めの魔法は、リセの魔法を私の固有魔法で使えても、魔力が殆ど追いつかなくて苦々しい思いをしたし、ぜひ異世界転移者の魔法、使ってみたいわ」
といったクレアの熱意から、クレアにお任せすることにした。
いざとなればリセがとどめを刺す手はずになっている。そして、
「【炎禍の器】」
そう、息切れ一つせずにクレアは俺の魔法を使い、一瞬でそのボスもとどめを刺してしまったのだった。
後書き
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