【自作イラスト追加しました】ちゃちゃっと絵を描く能力で世界最強!~追放されたい俺を女神さまが放してくれない~
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俺(の能力)が丸裸にされました
突然強い力で背後から襟首を引っ張られて、俺は悲鳴を上げた。
しかも待ちなさいという強い口調である。
こういった経験がないので、怖い。
恐る恐る俺は背後を見ると先ほどの美人な少女二人がこちらを見ている。
どちらも気が強そうで、片方は金髪碧眼、もう片方は銀髪に赤い瞳の髪の長い美人である。
金髪の少女の方は、剣を持っていて銀髪の少女の方は……リュックサックのようなものを持っている。
もしかしたなら魔法使いなのかもしれない。
因みに俺の襟首をつかんでいるのは金髪美人だ。
美人が怒ると壮絶な顔になるらしいと聞いた事があるが、確かに怖い。
俺が一体何をしたというのだろうか?
不安になりながら俺は、
「な、何か俺に御用でしょうか」
「貴方、さっき私達を手助けしてくれた【魔法使い】ね?」
「は、はい」
「助けてもらったのは感謝するわ。でも……なんで何も言わずに通り過ぎようとしたのかしら。どういうつもり?」
そう言いながら彼女は、自身の腰に差した剣の柄に、俺を掴んでいない方の手を当てる。
俺はさらに悲鳴を上げそうになった。
この世界の剣は見るからに重いし、ギラギラと光っていて魔法が付与されていたりして切れ味もいい。
剣士と言ってもニュアンス的には魔法剣士な事がこの世界ではほとんどだ。
使っている武器で、剣士などの分類がされているに過ぎない。
それは置いておくとして、その金髪美少女が、
「それで、私たちを助けて近づいた目的は何?」
「い、いえ、助けただけですが俺にも事情があり逃げたいのでこういった事には関わらないでおこうかと」
「逃げたい? 貴方、何かやったの?」
「……」
訝し気に聞いてくる彼女に俺は、やったと言えばやったというような、逃げたと言えば逃げたような、でも事情は言いたくないので俺は黙った。
するとそこで銀髪の少女の方が、
「らちが明かないわ。クレア、それなら直接話を聞きだすよりも、この人物の能力を【ステータス・オープン】して、能力等を見てしまってもいいんじゃない?」
「その方が早いわね。何者かが分かれば……対象も分かる。あまりにも強すぎる魔法の使い手が、無名なのもおかしいしね」
といった話をして、銀髪の少女が近づいてくる。
だが、「ステータス・オープン」という能力は近年の異世界転移した能力者が持ち込んだ【概念】と【魔法】ではあるが、これらは個人情報も含まれるために【悪用】を恐れて基本的にはギルドといった場所で制限をつけてみたりする形だ。
またこの世界でも少数ではあるがそういったものを見れる、つまりステータスを空中に立体映像のように表示させられる人間もいるらしい。
ちなみに異世界転移者はこの世界での能力制限が無い? 出来ない? ので、好き放題使えるが、悪用した場合、やりすぎるとこの世界の女神さま達に元の世界に強制送還されてしまうらしい。
といった話を思い出して、こちらにいる銀髪少女は異世界転移者? だが銀髪となると髪を染めた日本人か現地人という事になると俺は気づく。
現在呼ばれている異世界転移者は【日本】からのみの人物らしい。
呼ぶ異世界転移者は同じ国の人間という事になっている、と聞いた事がある。
理由も聞いたが今はそれは置いておくとして。
「『ステータス・オープン』」
その言葉に俺の前に、俺の能力が表示される。
この表示にも個人差があって、隠したい性癖のようなものは、接触して表示しにくくはなっているらしい。
最低でもこの辺りは表示されるといったものが、まずは表示され、それよりも詳しく見たい場合は……異世界転移者の場合は強制表示させる事も出来る場合があるらしい。
ただ初めは個人情報によりモザイク等がかけられていて、もう一段階の接触が必要になってくるらしい。
俺はやった事が無いので知らないが。
もっとも異世界転移者同士となると抵抗が出来てしまうそうだ。
というわけでその辺りは俺は心配していないが、そこの表示に異世界転移者と書かれているのを見て二人はようやく安堵したような顔になった。
「異世界転移者なら……でも逃げてきたってどういう事かしら」
「……」
金髪の方、クレアと呼ばれていた症状にそう言われて俺は口をつぐむも、銀髪の方が、
「洗脳や支配、魔法の配下表示が無いからその点は信用できそうね。でも異世界転移者……ね」
そう言って銀髪の少女が俺をのぞき込んだのだった。
後書き
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