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絢と僕の留メ具の掛け違い・・そして 結末

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2-⑶

 登校日とかプールの日があったけど、7月中には夏休みの宿題を工作・絵を残して終えてしまった。8月に入ってからは、一学期の復讐とか二学期の予習とかやっていた。

 絢が「今度の日曜日の花火大会、一緒にいこーよ」と誘ってきた。

 いつものように戸惑いながら「ウン」と返事したものの・・・。

 家に帰ってお母さんに話すと「うーん、子供だけでいくのはよしなさい」って反対されたのだ。

 うちは、近くの川の土手に上ると少し遠いが割ときれいに見えるので、わざわざ行ったことがない。お母さんは、人が多いのは嫌いなんだって。確かに、昔から人込みの所には連れて行ってもらった記憶が無い。そーだよね、僕も絢と二人で行くのは少し不安がある。
 
 次の日、絢にそのことを言うと

「ウチもお母さんに反対された」と言って下を向いていた。

 彼女はときたま「私」ではなくて自分のことを「ウチ」って呼ぶ。

「宿場祭りも多分ダメだよね」って元気ないみたいだった。

 宿場祭りというのは、お盆の頃に昔の宿場町沿いに露店が並んで、広場では盆踊りが催されて、この辺りでは賑やかなお祭りだ。絢の家は仕事柄この時期は忙しいらしくって、小さい頃から連れて行ってもらえなかったそうだ。だから余計に行きたかったみたい。お母さんも会社のことを手伝っているので、忙しくて、普段から絢はあまり構ってもらえなくて、学校の勉強よりも、独りで絵を描くことが多くなったのかなって僕は勝手に想像していた。
 
 結局、花火も祭りにも行くことが無かった。毎年、うちでは夏休みに家族旅行をしていたが、この夏から上の兄が学校のクラブだけではなく、町のクラブにも入ったものだから、練習が忙しいとかで、今年はそれも行かないままに、夏休みが過ぎて行った。 
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