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恋姫伝説 MARK OF THE FLOWERS

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第百二話 荀彧、帝を甘やかすのことその八

「その通りよ」
「猫だから猫可愛がりするのか?」
「帝はを可愛がるって恐れ多い言葉でしょ」
「そうだが。しかしだ」
 まだ言う夏侯惇だった。
「貴殿は少し深過ぎるぞ」
「深いかしら」
「かなりな。だから少し自重しろ」
「それは」
「少し待て」
 また言う夏侯惇だった。
「わかったな」
「だから私は特に」
「まあね。もう一人の教師の陸遜もねえ」
 曹操は彼女のことも言ってだ。難しい顔になる。
「教師としては優れているけれど」
「はい、彼女は彼女で」
「問題があります」
「そうなのよね。すぐに怪しい話をはじめるし」
 曹仁と曹洪に応えながらだ。曹操はさらに難しい顔になる。
「すぐに受けとか攻めとか」
「私はそんなこと絶対にお教えしません」
「貴女は直接だから」
 直接的な行動自体が怪しいというのだ。
「それはそれで問題なのよ」
「うう、そうなのですか」
「とにかく自重しなさい」
 首を刺す曹操だった。
「わかったわね」
「私はそんなことはしていませんけれど」
「だからだ。せめて最後のお風呂は止めろ」
 夏侯惇は直接的に言った。
「わかったわね」
「わかったわよ。それじゃあ」
「全く。桂花もね」
 どうかとだ。曹操は難しい顔で述べる。
「そうしたところがあるから」 
「それさえなければ」
「完璧なのですが」
 曹仁も曹洪もだった。荀彧のそうした猫可愛がりぶりには困っていた。
 しかしだ。その中でだった。
 もう一人の教育役もだ。決まったのだった。
 白羽の矢を立てられたのはだ。孔明だった。
 彼女は劉備からその話をされてだ。最初は驚きを隠せなかった。
「はわわ、私がですか」
「ええ、そうよ」
 にこりと笑ってだ。劉備はその孔明に話す。
「頑張ってね」
「あの、私は」
「私は?何かあるの?」
「帝とは」
 歳がだ。同じなのだ。
「御歳が同じですし」
「あっ、そうだったの」
「まさか。同じ歳で教育役とは」
「けれどね。帝御自身がね」
「帝がですか」
「朱里ちゃんのお話も聞いてみたいって仰ってるのよ」
「はわわ、帝御自身がですか」
 そう言われるとだ。孔明もだった。
 動きを止めてだ。そうして言うのだった。
「それなら」
「引き受けてくれるかしら」
「わかりました」
 意を決した顔でだ。劉備に答えた。
「そうさせてもらいます」
「これで教育役が三人で揃ったわね」
「あれは三人と決まっていたのでしょうか」
「何か。鼎と同じで」
 祭祀に使うだ。それとだというのだ。
「三人が理想らしいのよ」
「大抵のものがそうですね」
 中国ではだ。三は昔からそうした数字なのだ。
「それでなのですか」
「そうみたい。それじゃあね」
「わかっています。では慎んで」
 その役を引き受けると答える孔明だった。こうしてだった。
 彼女も帝の教育役になるのだった。そうなればだ。
 彼女も熱心に帝に教えることになった。そうしてだった。
 
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