恋姫伝説 MARK OF THE FLOWERS
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第百二話 荀彧、帝を甘やかすのことその二
「端から」
「あれですか」
「最初に袁術さんが貴女に食べさせて」
そうしてからだというのだ。
「そこに袁術さんが食べついて」
「あれは。嬉しかったですが恥ずかしかったです」
郭嘉は笑みだが顔は真っ赤になっていた。
「美羽様もかなり大胆で」
「貴女もね」
シャルロットはそれは郭嘉もだと返した。
「大胆だと思うわ」
「あ、あのことですか」
「袁術さんの頬に接吻したわね」
「あれはお酒が入っているせいで」
今度はあたふたと慌てふためいて言う郭嘉だった。手もしきりに動いている。
「失敗しました」
「あれは失敗なの?」
「はい、私お酒が入るとつい」
ああなってしまうというのだ。
「困った癖ですよね」
「まあそう言えばそうなるか?」
ハヤテが郭嘉の話を聞きながら言う。
「それでも特に見苦しくもないからな」
「だからですか」
「別にいいだろ」
ハヤテはこう郭嘉に話す。
「それも」
「ですがああいうことはもう二度と」
「いや、無理だろ」
ロディがこう突っ込みを入れる。
「あんたと袁術さんのことを考えるとな」
「ですからそれをなおしていって」
「絶対に無理だ」
今度はフランコが言う。
「諦めろ」
「うう、そこを何とか」
「それならよ」
シャルロットは何か繕おうとする郭嘉に言った。
「今はね」
「今は?」
「袁術さんのところに行かず我慢して」
「そ、そんなことはできません!」
声をうわずらせてだ。それはできないというのだ。
「折角御誘いして頂いたのに」
「そうよね。だからよ」
「無理だというのですか」
「ええ。貴女がそうした評価を拭えるのはね」
できないと言ってだ。そうしてだった。
郭嘉は袁術のところにそそくさと向かった。それを聞いてだ。
荀彧は酒を飲みつつあちらの世界の者達と将棋をしつつだ。呆れた顔でこう言ったのだった。
「あの娘も相変わらずね」
「相変わらず?」
「そう言うのか」
「ええ。凛は袁術殿ともう運命的に仲がいいのよ」
こうだ。将棋をさしながらブラバーマンとガンダーラに話す。彼等は今荀彧の将棋を見ながらだ。それぞれワインやカレーを口にしている。
そしてだ。彼等はこう彼女に問うた。
「それでなのか」
「ああしていつも」
「そうよ。私にしてもね」
荀彧自身もだというのだ。
「結構色々なしがらみがあるから」
「あれか」
影二が言った。彼は燻製を食べている。
「祝福に帝国に」
「色々あるのよ。本当に」
こう言うのである。
「ある世界じゃ馬超と姉妹だったこともあるし」
「どっちが姉でどっちが妹なんだ?」
こおのことを問うたのはジャックだった。
「そこが知りたいんだけれどな」
「私が姉よ」
彼女の方がだというのだ。
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