オズのジンジャー将軍
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第一幕その四
「君達は美味しく飲んで食べてね」
「楽しめるんですね」
「おやつをね」
「そういうことですか」
「うん、ただね」
「ただ?」
「今回の旅だけれど」
かかしは皆に言いました。
「僕も一緒に行っていいかな」
「かかしさんもですか」
「君達とは何度か一緒に行ってるけれど」
それでもというのです。
「今回もね」
「一緒にですね」
「君達は子供だからね」
それでというのです。
「誰か一緒の方がいいね」
「そうですね、そのことは」
カルロスはかかしの言葉に頷きました。
「僕達五人だけですと」
「どうしても不安があるね」
「子供ですから」
「子供だから」
それ故にというのです。
「大人が一緒に行くよ」
「僕も同行していいかな」
今度は樵が言ってきました。
「かかし君と共にね」
「樵さんもですか」
「そう、一人より二人の方がいいね」
「一緒に来てくれる人は」
「そう思うしどうかな」
「はい、宜しくお願いします」
カルロスは樵にも答えました、それは他の子達も同じ意見でした。
「是非一緒に旅をして下さい」
「かかしさんに樵さんがおられたら何の心配もいらないです」
「是非お願いします」
「一緒にジンジャー将軍のところに行きましょう」
「あの人のところまで」
「これで気まりだね、では僕達二人と一緒に行こうね」
「これは楽しい旅になるよ」
かかしは笑顔で言いました。
「いつも通りね」
「絶対にそうなりますね」
「オズの国の旅だからね」
カルロスに笑顔のまま答えました。
「だからね」
「それで、ですね」
「そう、そしてね」
「そして?」
「実はここにもうすぐドロシーが来るんだ」
オズの国きっての有名人である彼女がというのです。
「だからね」
「ドロシーさんともですか」
「あの娘も加えて」
旅の一行にというのです。
「将軍のところに行こうね」
「そうしますか」
「ドロシーは今このギリキンにいて」
樵が治めるこの国にというのです。
「アン王女の国に行っていて」
「あの人のところにですか」
「そしてそこから帰って」
そうしてというのです。
「もうすぐこのお城に来るんだ」
「そうなんですね」
「実はさっき携帯で彼女とお話したんだ」
かかしは携帯を出してカルロスに答えました。
「そうしたらもうすぐにね」
「このお城にですか」
「来ると言っているから」
「じゃあこうしている間にも」
「もうドロシーはお城のすぐ傍に来ているから」
だからだというのです。
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