猫のきおく
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シーン12
水色の女の子にバイバイしながら、俺を抱きかかえ、坂道を上りだした。まだ、陽は高い。すずりチャンの腕は汗ばんできている。途中、ブロック塀に差し掛かって、あの白い猫が居るかなって、少し期待したが・・・。
家にたどり着くと、すずりチャンは汗だくだって、服を全部脱いでしまって、俺を抱えて例のシャワーのある所に連れて行った。いつものように、シャワーをかけられ、洗われて、こっちは必死だったけど、すずりチャンは気持ちよさそうに頭からシャワーしていた。髪の毛が白い背中で動くように吸い付いていた。
その日は、ほかの三人は帰ってこなかった。夜になって、すずりチャンがキッチンでガタガタしていた。なんか食べるものを用意しているみたい。「できた」と言って俺を食卓の上にあがらせて、「特別だょ」って言いながらすずりチャンと同じもの(大きさは違うが)を皿で差し出してくれて、「いただきます」と俺に向かって言って食べだした。俺もフニャフンニャと声を出して食らいついた。丸っこい肉ぼっかった。なかなかおいしいじゃぁないか。すずりチャンには野菜があったけど・・・。
「今夜は君は私を守る王子様だからしっかり食べてね」とすずりチャンはつぶやいた。もしかして、俺がいるからこの娘はみんなと出掛けなかったのかな・・・。
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