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レーヴァティン

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第二百一話 関東から戻りその十

「奥羽を攻めてな」
「蝦夷もっちゃな」
「手中に収める、そして浮島を統一したなら」
「それからっちゃな」
「魔神だ」
 海の魔神をというのだ。
「倒す」
「そうするっちゃな」
「その様にする」 
 まさにというのだ。
「ではいいな」
「わかったっちゃ、しかしまだっちゃな」
「海の魔神のことはな」
「わかっていないっちゃ」 
 留美は難しい顔で答えた。
「一切っちゃ」
「御所でもな」
「お告げが降りないっちゃ」
「そうだな」
「時が来ればということっちゃか」
「そうかもな」
 留美に考える顔で答えた。
「やはり」
「来ないかもとは」
「そうかも知れない、だが」
「それでもっちゃか」
「物事は来るべき時に来る場合もある」
 天の導きやもたらし、そう言っていいものがあるというのだ。英雄は神仏を信じているのでこうした考えも持っているのだ。
「だからな」
「それでっちゃな」
「俺達が海の魔神と戦える」
「その時になったらっちゃな」
「御所からもお告げが来るかも知れない」
 海の魔神についてというのだ。
「そうかもな」
「ではまずはっちゃな」
「浮島の統一だ」
 これを進めるというのだ。
「そうしていく」
「だから今は幕府の領土全体の政を進めて」
「そしてだ」
 そのうえでというのだ。
「力をさらに蓄え」
「そしてっちゃな」
「次は奥羽だ」
「あの地域に兵を進めるっちゃな」
「そうする、敵は黄金と馬を持っているが」
 しかしというのだ。
「その二つにもな」
「勝つっちゃな」
「幾ら黄金の富を持ち」
「馬も持ってっちゃ」
「その二つで強い軍勢を持とうとも」
 例えそうであってもというのだ、英雄は決して奥羽を侮ってはおらず彼等も強いとはっきり認識している。
 だがそれでもとだ、彼は思い言うのだった。
「俺達に勝てない」
「勝つのはうち等っちゃ」
「そうだ」 
 まさにというのだ。
「それ以上に強い軍を持っているからな」
「今もそうでっちゃな」
「奴等と戦う時にはさらにだ」
「強くなっているっちゃ」
「そうしていくからな、そして奥羽にだ」
「蝦夷っちゃ」
「あの地域も手に入れ」
 そしてというのだ。
「浮島を統一する」
「そうするっちゃな」
「今はな、あとだ」
「あと?」
「琉球の民達が蛇に困っているな」
「ああ、あそこはハブがいるっちゃ」
 蛇と聞いてだ、留美はすぐに答えた。 
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