ロックマンX~Vermilion Warrior~
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Mission:14 強敵達
最初のトラップ地帯を潜り抜けたゼロ達はエックス達を極力消耗させないように快進撃を繰り広げていた。
「零式波動斬!!」
「変身、エンシェンタス!阿修羅ナックル!!」
「ベルセルクチャージ!!発射!!」
「行くよぉっ!!ハイパーダイブ!!」
「えーいっ!!」
ゼロ達の猛攻によってプレオン達はあっさりと破壊されていき、エックスとルインはほとんど疲労していない。
「ねえ、エックス。みんな、何か変じゃない?」
「あ、ああ…」
グレイブ遺跡基地に着いてから、あまり戦っていないエックスとルインは疑問符を浮かべる。
「よし、片づいたぞ!次に進む…」
敵がいないことを確認したマッシモが先に進もうと促そうとした時であった。
「ちょっと待った~!!」
【ん?】
聞き慣れない大声に全員が振り返ると、そこにいる存在に目を見開いた。
「ガウディル博士の親戚か?」
「ガウディル博士に兄弟とかいるの?」
「いいえ違います」
どことなくガウディルに似たレプリロイドであり、マッシモとルインはガウディルの親戚か何かかと疑問を抱くが、それに対して即答するのはガウディルの娘であるシナモン。
答えたのは意外にもアクセルであった。
「あいつはダックビルモールってレプリロイドだよ。ウルファト生産工場にいたらしいけど、暑い場所だとテンション上がりすぎて、施設内で暴れ回るからジェントラーに他の場所に移されたらしいよ」
「ダックビルモール…確か、ラグラノの改造ポッドにもあった名前だな」
ラグラノ廃墟にあったポッドにもダックビルモールの名前があったことを思い出したゼロであった。
「お~う!俺の名前がここまで知れ渡っていたとは光栄だ~!因みにこれはメカニロイドのホール・ド・K君だ~!!」
「そ、そうですか…」
ダックビルモールのテンションに脱力しそうになるルインだが、油断は出来ないため一応ZXセイバーを構えた。
「イプシロン様からの命令だ~!!ここは通さねえ!!」
ハンマーとホール・ド・Kを構えるダックビルモールにエックス達が武器を構えようとした瞬間にマッシモが前に出た。
「あいつは俺に任せろ」
「マッシモ?あんた…」
「マリノさん、奴の装備を見たところ…奴はパワー型です。パワーなら絶対に俺は負けない…それに……こんな奴に時間はかけられない」
「確かに……でもマッシモ1人じゃあ……」
「せめて私も残ります!回復を……」
心配するアクセルとシナモンが前を見ながら言うと、ダックビルモールの配下であろう、イプシロン、スカーフェイス、フェラム、ボロックの能力を持ったプレオンまでいる。
流石に1人で戦うのは厳しいのではないだろうか?
「何、心配するな。俺は勇者であるマッシモ師匠の弟子、鋼鉄のマッシモなんだからな!ベルセルクチャージ、発射!!」
前方に最大出力の高出力レーザーを放ち、プレオン達を破壊して前方に穴を開ける。
「さあ、行くんだ!イプシロンを倒してくれ!!」
「すまないマッシモ!任せた!!」
申し訳なさそうなエックスだが、マッシモの気持ちを無駄にしないためにも一気に駆け抜けようとする。
「お~っと、こっから先は通さねえぞ!!」
「ハイパーモード・ダイモニオン!うおりゃあああああ!!」
妨害しようとしたダックビルモールをハイパーモードで強化した右ストレートで殴り飛ばす。
ホーンドさえも吹き飛ばした一撃はダックビルモールの小柄な体を勢いよく吹き飛ばした。
「ガツーンときたぜ~…」
「さっきの台詞をそのまま返してやるぞダックビルモール。ここから先は通さない!鋼鉄のマッシモの名にかけてな!!」
ジェットギロチンを構えながら叫ぶマッシモはホバーによる高速移動でプレオンの群れとダックビルモールに向かっていく。
「エックス、マッシモ…大丈夫かな?少なくてもリベリオン幹部クラスなんじゃ…」
「大丈夫だ。今のマッシモは強い。」
今のマッシモは初めて会った時のような臆病者ではなく、今は亡き師匠の意志を継いだ立派な勇者なのだから。
「そうだね…また広い場所に出たね…」
扉が開き、再び広い場所に出る。
そこには花を思わせる女性型レプリロイドが踊っていた。
「ステップ♪ステップ♪ランランラン♪あ~!あなた達何を見てるのよ!私の秘密レッスンを覗き見るなんて許さない!!」
「いや、見て欲しくないならこんなとこでしなけりゃいいじゃん」
呆れながらアクセルが正論を言うと女性型レプリロイドは烈火の如く怒る。
「きいぃ~!ムカつくムカつく~!このスーパーアイドル、ラフレシアン様の素敵な技の数々で…」
「エックス、あんたは先に行きな。こいつは私が相手をしてやるよ」
「マリノ?」
「あいつ、ああ見えて結構有名なんだよ。時間をかければかけるほど強くなるから強くなる前に倒さなきゃいけない。そう言う意味じゃ私が適任だろ」
「ならマリノさん!私に手伝わせて下さい!!」
マリノは防御力がかなり低い方なので回復役が必要だろう。
「ありがとねシナモン。さあ、あんた達も早く行きな!!」
「ありがとうマリノさん!シナモン!さあ、行こう!!」
アクセルが礼を言いながらエックス達に先に進むように促してリボルバールームを突破し、最後の複数の端末を操作して扉を開こうとした瞬間であった。
「滅殺波動拳!!」
「っ、避けろ!!」
全員が咄嗟に体を動かしたことで、凄まじい威力を秘めた一撃を回避した。
「ほう…避けたか…」
「…出来るな」
ゼロは先程の一撃を放ったのは9本の尻尾を持った九尾の狐型レプリロイドだ。
「こいつ、リベリオン幹部なの?」
「我はリベリオンではない。我の願いとイプシロンの理想が合致したに過ぎん。超フォースメタルの力で高性能なレプリロイドが増えれば我が拳を満足させる敵が現れるかもしれんと思ったが…」
ゼロを見遣り、不敵な笑みを浮かべるナインテイルズ。
ゼロはソウルセイバーを構え、直ぐにナインテイルズの動きに対応出来るようにする。
「……………」
「伝説のイレギュラーハンター、ふふ…イレギュラーハンターの最強格とこんな場所で戦えるとは我も思わなかった…我の相手として不足はない!!」
ナインテイルズが凄まじい気を纏いながら構える。
「エックス…ルイン…こいつは俺に任せておけ。お前達はイプシロンを!!ハイパーモード・ブラックゼロ!!」
ただ者ではないことはナインテイルズの放つ闘気で分かっているため、すぐにハイパーモードを発動してナインテイルズに斬りかかるゼロ。
「阿修羅閃空!!」
ナインテイルズはゼロの斬擊を流れるような動きで回避すると、反撃の拳を構える。
「そうはさせないよ!!」
アクセルがナインテイルズの動きを妨害するためにオートバレットを抜いて乱射することでゼロへの反撃を阻止する。
「ぬうっ!?」
「零式烈斬!!」
その隙を逃さないゼロの攻撃を受け、ナインテイルズの胸に裂傷を刻む。
「行け、エックス、ルイン。」
「し、しかし…」
「いいからここは任せて先に行って!ゼロは僕がサポートするからさ!!」
「みんな……うん、ありがとう!!」
エックスとルインは仲間達のおかげでほとんど消耗せずにイプシロンのいる玉座の間に向かうことが出来た。
場所は戻ってダックビルモールと戦っているマッシモは互いに睨み合っていた。
「今の一撃はガツーンときたぜ~…なら、俺様も本気で行くぞ!ドメガファイア!!」
「っ!?」
あまりのことにマッシモは目を見開いた。
何故ならダックビルモールは何をトチ狂ったのか、自分にエレメントボム・ドメガファイアを炸裂させたのだ。
「こ、ここまでイカレた奴だとは…」
自爆をするとはある意味とんでもない奴だとマッシモがジェットギロチンを下ろした瞬間であった。
「火炎エネルギーチャージ!!」
「何っ!?」
爆炎からダックビルモールが飛び出してきた。
全身から炎を纏って飛び出してくる姿は不死鳥を彷彿とさせ、カモノハシ型レプリロイドでなければ完全に不死鳥に見えただろう。
「マントル直撃~!!」
「ぐおおおっ!?」
巨大なハンマーを落下の勢いを加算して地面に叩きつけると凄まじい衝撃波が発生し、それなりの巨体で重量があるはずのマッシモを吹き飛ばす。
「ぐうう…そ、そうか…ウルファト生産工場にいた特別製レプリロイドだ…普通の戦闘型とは違うか…」
ダメージからすぐに立ち直ると立ち上がり、ジェットギロチンを構えるマッシモ。
「おうおう、俺のマントル直撃を喰らって生きてるとはやるじゃねえか。なら…ドリル特攻!!行っくぜ~!!ホール・ド・K君!!」
ドリル型メカニロイド、ホール・ド・Kで地面に潜るダックビルモールに目を見開くマッシモ。
しかしマッシモも既に歴戦の戦士であり、即座に聴覚機関を限界まで澄ませて音の発生源に向かって、もう1つの武器を振り下ろす。
「クラッシュハンマー!!」
「ぐええ!?な、何で分かった…?」
「ドリルの駆動音が聞こえたからだ」
「んな~!?そ、その弱点があったか…なら、マントル直撃~!!」
マッシモに突撃しながらハンマーを叩きつけようとするが、マッシモはクラッシュハンマーを勢いよく振りかぶり、ダックビルモールを吹き飛ばした。
「その技はハンマーで地面を叩かなければ発動しないんだろう?なら、その前に攻撃すればいい」
「マントル直撃の弱点まで!?どうして分かったんだ~!!」
「(こいつ…強いが…馬鹿だ…)」
戦闘力は途轍もないが、頭はどうしようもない馬鹿だと気付いたマッシモはジェットギロチンを構えた。
「ならこれならどうだ~!激震ハンマー!!」
「むっ!?」
ダックビルモールがハンマーを地面に叩き込むと、火柱がマッシモを包み込む。
「はっは~!どうだ~!!」
「ふう…ハイパーモードを発動していなければヤバかったぜ…」
マッシモは主力メンバー内では物理防御力は高いが、一番属性攻撃に弱く、今までの攻撃や先程の攻撃はマッシモにとって致命傷になりうる威力だったが、ハイパーモード・ダイモニオンはマッシモの対属性防御力を大幅に向上させてくれるために、今のマッシモには弱点の攻撃が存在しないのだ。
「な、なああ!?」
「ダックビルモール!これで終わりだ!ベルセルクチャージ、最大出力!発射!!」
最大出力のベルセルクチャージが、ダックビルモールを飲み込み、高出力レーザーを喰らったダックビルモールは残骸も残さず消し飛んだ。
「ダックビルモール、お前も中々の強さだったが…鋼鉄のマッシモを相手にするにはパワーが足りん!!さて…」
こちらに向かってくるプレオンの群れにマッシモはエネルギーの消耗を抑えるためにハイパーモードを解除し、ジェットギロチンを構えた。
マッシモがダックビルモールを倒し、後続の敵を迎撃している間、一方でラフレシアンと対峙しているマリノとシナモン。
「えーいっ!!」
杖で殴りかかるラフレシアン。
それをマリノは自慢のスピードでそれをかわしながらタイミングを窺っていた。
「ああもう!ちょこまかと動かないでよ!!」
「冗談!あんたの攻撃を素直に喰らうわけないだろ!」
ラフレシアンは見た目は細身の女性型レプリロイドだが、パワーは相当な物であり、軽量の人型のマリノが受ければ相当なダメージになるのだ。
しかもラフレシアンは戦闘を繰り返す度に基礎性能を向上させることが出来るため、攻め時を間違えれば返り討ちにされるだろう。
しかし沸点が低いラフレシアンはすぐにマリノの攻撃のチャンスを与えた。
「ぬうう…頭来た!みんな吹っ飛んじゃえ!!サンバースト!!」
スカートのようなアーマーから拡散レーザーを上空へ放った。
しかし完全に動きが止まっているのをマリノは見逃さない。
「今だ!!ハイパーモード・クイックシルバー!!」
レーザーをかわしながらビームチャクラムを構えて突撃し、50秒間ラフレシアンを滅多打ちにする。
「ちょっ!痛い痛い痛い!!」
「(さっさと倒れな!これで倒せなかったらかなりやばいんだからさ!!)」
クイックシルバーは強力なハイパーモードだが、制限時間が極端に短いため、マリノは何とかクイックシルバーが持続する時間内にラフレシアンを倒さねばならない。
しかしその焦りがマリノの技の鋭さを鈍らせ、ラフレシアンがハイパーモード解除まで耐える原因となってしまう。
「よくもやってくれたわね!!」
「やばっ!?」
怒りが頂点に達したラフレシアンは性能向上と共に杖でマリノに殴りかかった。
「マリノさん!」
咄嗟にハイパーモードを発動しながら間に入りながらバリアを張ったシナモンだが、殴られた衝撃でシナモンはいくらか後退した。
アイアンメイデンを発動したシナモンの防御力はメンバー最高にも関わらずこの威力。
マリノが受けていたらただでは済まなかっただろう。
「こんのっ!退きなさいよっ!!」
邪魔されたことで更にラフレシアンは激怒し、シナモンを杖で滅多打ちにする。
ハイパーモードで防御力は底上げされていてもシナモンにダメージは確実に蓄積されていく。
「シナモン!」
このままではシナモンがやられると思ったマリノが加勢しようとした時、足に何かが当たった。
足元を見ると1つのアイテムがあった。
それはハイパーモードのエネルギーを回復するゲインHYPERであり、1人1つだけ支給されているアイテムだ。
あまりにも貴重故に使い所を考えなければならないが、これを使えば逆転出来る可能性が高まる。
途中でシナモンと目が合い、シナモンが頷いた。
どうやら彼女が自分の分のゲインHYPERを足元に置いたようだ。
「やれやれ…少し前まで箱入り娘だったのに頼もしくなっちゃって!!」
シナモンの時間稼ぎを無駄にしないためにも早速アイテムを使ってハイパーモードのエネルギーを回復し、一気に駆け抜けた。
「これで終わりよ!!」
膝をついたシナモンにとどめを刺そうと杖を振り上げた瞬間、鳩尾にマリノの鋭い蹴りが入った。
「がはっ!?」
「よくもシナモンを痛め付けてくれたね?倍にして返してやるよ!!」
再発動したクイックシルバーでの連続攻撃。
今度は焦りなどなく鋭い一撃をラフレシアンを叩き込んでいく。
「ぎゃっ!あぐっ!!」
最初のダメージの蓄積もあるのだろうが、マリノの一撃の威力が段違いなのだ。
2回目のクイックシルバーが終わった時には既にラフレシアンは爆散寸前であり、フラフラしているが目は怒りで燃えていた。
「あ、あんた…絶対に許さないんだから…!」
「残念、あんたは終わりだよ」
「!?」
「シナモンのビンタは痛いよ」
「バイタルスクラッチ!!」
とどめの往復ビンタが炸裂し、ラフレシアンはダメージに耐えきれずに爆散した。
「お疲れシナモン!さあ、次行きましょ!!」
「はい!」
シナモンの機転によって掴んだ勝利である。
そしてナインテイルズに挑んでいたゼロとアクセルは何とか食らい付きながら少なくないダメージで膝をついてしまった。
「くっ!貴様…化け物か…!」
ハイパーモードで基本性能が向上しているゼロをして化け物と言わしめるナインテイルズ。
「ああ、もう…ここまで強いと呆れてくるよ…」
アクセルは苦笑いしながら言う。
ナインテイルズも多少はダメージを受けているとは言え、自分とゼロのダメージと比べれば大したことではない。
「フフフ…まさか我とここまで戦えるとは…イプシロンと手を組んだことは間違ってはいなかった。さあ、これを受けてみよ!!滅殺波動拳!!」
「零式兜割!!」
ゼロは即座に動いてナインテイルズの波動を真っ二つに両断した。
その類の技はエックスも使っていたこともあるため、対策は容易であった。
「ほう、我の一撃を防ぐか!ならば!!」
波動が効かぬなら直接攻撃を仕掛けようとするナインテイルズだが、アクセルが咄嗟に動いてオートバレットのショットを乱射してナインテイルズの動きを阻害してゼロの隙をカバーする。
何発か当たるものの有効打には程遠い。
「穿弓尾!!」
反撃とばかりにナインテイルズが振るった尾はアクセルのエネルギーを吸収し、そして追撃を仕掛ける。
「っ!?」
「喰らうがいい!砕九!!」
それぞれの尾を槍の様に突き出すとアクセルを吹き飛ばし、あまりの威力にアクセルは意識を失いかけた。
「チッ!!」
ゼロはナインテイルズの攻撃を止めるためにソウルセイバーで斬りかかるが、巨大すぎる故に軌道が見切りやすいためにナインテイルズは容易く避けた。
「た、助かったよゼロ…」
個人用のサブタンクを使って回復するアクセルにゼロは小声で話しかける。
「おい、アクセル…何か奥の手はないのか?」
「へへ、ごめん…正直ないよ」
「………仕方ない、イプシロンを倒すためのとっておきだったんだがな」
そう言うとゼロは竜の頭を彷彿とさせる柄を取り出し、出力すると炎属性の刀身が発現した。
「な、何それっ!?初めて見る武器だけど…」
「紅蓮剣、ルナに頼んだあいつが究極の攻撃力を追求した代物だ。」
「ほう、その威圧感…素晴らしいな…だが、その代償もあるようだな」
紅蓮剣の強さとその代償を一目で見抜いたナインテイルズにゼロは苦笑した。
この武器は強力無比な攻撃力を誇る反面、射撃系から身を守るシールドエネルギーと物理系の攻撃から身を守るアーマーエネルギーも全て刀身に回すことから今のゼロの防御力は無いに等しい。
「確かにこれのデメリットはでかいがな…」
次の瞬間、ゼロが間合いを詰めていた。
「何!?」
スピードが上がっていることにナインテイルズは目を見開き、紅蓮剣による連続攻撃を喰らってしまう。
「ぐおおおおおっ!?」
初めて受ける大ダメージにナインテイルズは大きく仰け反った。
そこを見逃すアクセルではなく、再びオートバレットの乱射をナインテイルズに浴びせて追加のダメージを与える。
「零式波動斬!!」
更にゼロが衝撃波をナインテイルズに浴びせると、直撃を受けたナインテイルズは勢いよく吹き飛んでいく。
「どうだ…?」
ハイパーモードで強化した状態での紅蓮剣での連続攻撃。
いくらナインテイルズが強かろうとこれはただでは済まないだろう。
「フ…フフフ…ここまでの手傷を負わせられたのは言った何時ぶりか…!面白くなってきたぞ!!砕九!!」
「零式烈斬!!」
「僕を忘れるなよ!変身、ワイルド・ジャンゴー!ローリングアサルト!!」
ナインテイルズの尾による連擊をゼロはそれを炎の刀身で弾きながらジャンゴーに変身したアクセルが電撃を纏っての体当たりを叩き込む。
「ぬうっ!?」
「はああっ!!」
電撃を受けて動きが鈍ったところをゼロが紅蓮剣での連続攻撃。
紅蓮剣の攻撃力はナインテイルズに確かな痛打を与え、アクセルの的確なサポートもあって少しずつ流れが傾いている。
しかしナインテイルズも簡単にはやられず、反撃を繰り出してゼロに大きなダメージを与えていく。
しかしアクセルが自分の分のサブタンクを使ってゼロの体力を維持していき、とうとう流れがゼロとアクセルに傾いた。
「喰らえっ!!」
「零式兜割!!」
アクセルはハイパーモードを発動しながらオートバレットを乱射し、動きが鈍ったところをゼロの最強の技を繰り出した。
「ぬおっ!?」
「まだまだあっ!!」
零式烈斬、零式突破、零式昇竜斬、零式波動斬、零式兜割。
ここまでの戦いでゼロが磨きあげてきた剣技がナインテイルズを斬り刻み、最後の回転斬りが決まるとナインテイルズはダメージに耐えきれずに爆散した。
「何とか…倒せたね…」
「ああ……イプシロンは任せたぞエックス…ルイン…」
2人はダメージを回復するために床に座り込んだ。
今頃イプシロンの元にいるはずであろうエックスとルインの勝利を願いながら。
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