八条学園騒動記
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第六百八話 大した問題ではないその六
「五時間以上観て」
「かなりだったね」
「凄かったとしかね」
その様にというのだ。
「言えなかったわ」
「そうだね」
「時間も長かったし」
このこともあってというのだ。
「観ていてやっとってね」
「その様にだね」
「思ったし」
それでというのだ。
「忘れられないわ」
「その長さも」
「本当にね」
こうトムに話した。
「私は」
「僕もだよ、けれどね」
「それでもよね」
「終わったら」
その時はというのだ。
「それでね」
「何もかもが終わった」
「そう思えて」
そしてというのだ。
「余計にね」
「忘れられないね」
「本当に」
トムにしみじみとした口調で話した。
「そうなってるわ」
「実際に」
「インパクトで言えば」
それこそというのだ。
「もうね」
「マウリア映画は最強だね」
「そう思うわ」
「それはもう勝ったってことだね」
「勝ったっていうと」
「だからマウリア映画がね」
こちらがというのだ。
「そうなったってことだよ」
「そうなのね」
「また観たいとも思うよね」
「時間があればね」
それでもとだ、エイミーは従弟に答えた。
「そう思ったわ」
「そう思わせたらね」
「勝ちなのね」
「映画とか創作はね」
「ううん、そうなの」
「もうその凄いストーリーも何でもありの展開も」
「歌に踊りに」
「あの何が何でもそうなる大団円もね」
これもというのだ。
「何もかもがね」
「マウリア映画の勝ちなのね」
「そうだと思うよ」
「そうなのね」
「それでね」
「それで?」
「僕もまた観たいって思ってるし」
トムにしてもというのだ。
「もうこれはね」
「マウリア映画の勝ちなのね」
「うん、僕達が負けたかっていうとそうじゃないけれど」
「ただマウリア映画が勝っただけね」
「僕達を魅了させたら勝ちってことでね」
「敗者のいない勝負だったのね」
「マウリア映画が僕達にインパクトで忘れさせない様にして」
そしてというのだ。
「また観たいって思わせれば」
「マウリア映画の勝ちだった勝負で」
「それでね」
「マウリア映画は勝ったのね」
「うん、一回観たら忘れられないインパクトがあって」
そしてというのだ。
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