| 携帯サイト  | 感想  | レビュー  | 縦書きで読む [PDF/明朝]版 / [PDF/ゴシック]版 | 全話表示 | 挿絵表示しない | 誤字脱字報告する | 誤字脱字報告一覧 | 

レーヴァティン

しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。 ページ下へ移動
 

第百九十八話 下野と常陸その三

「奥羽攻めはこの関東から攻めることになる」
「やはりそうなりますね」
「越後からも攻められますが」
「越後からの道は険しく遠いです」
「やはり関東から攻めますね」
「主力は」
「そうなるからだ」
 それ故にというのだ。
「まずはだ」
「関東の全てを掌握し」
「その政を万全にし」
「それからとなります」
「そうする、焦ってはならない」
 絶対にというのだ。
「敵が強くともな」
「まずは自分達ですね」
「自分達が足場を固め強くなる」
「それからですね」
「敵を攻めるのは」
「それからでいいですね」
「こちらが優勢ならだ」
 その場合はというと。
「敵も動いているが」
「その優勢を盤石にする」
「その方がいいですね」
「急いで攻めるより」
「それよりもですね」
「その方がいい」
 戦略としてというのだ。
「だからだ」
「それで、ですね」
「関東を手中に収め」
「政を進めますね」
「そうする、足場を固めてこそだ」
 政でその様にしてというのだ。
「万全に戦えるな」
「まさにその通りです」
「足元がふらついていては戦えませぬ」
「武具に飯がなくては」
「到底です」
「だからだ、奥羽は今はいい」
 幕府も一切手を出さないというのだ。
「あちらが沈黙を守るのならな」
「それならそれで、ですね」
「構いませんね」
「まずは関東ですね」
「関東を掌握ししかと治め」
「それからで構いませんね」
「それでいい、では下野と常陸をな」
 この二国をというのだ。
「これよりだ」
「はい、攻めていき」
「そうしてですね」
「完全に掌握しますね」
「そうしていく」
 こう言ってだった、英雄は下野と常陸をさらに進んでいきそこにある諸勢力を組み込んでいった。確かに中には従わない国人達がいて賊も魔物もいたが。
 英雄はそういった者達を全て圧倒的な数と装備の幕府の軍勢で降していった。そうして二国を完全に手中に収めた。
 全てを手に入れた英雄はここで言った。
「では奥羽との国境に備えを置いたうえでだ」
「関東全土を治めにかかりますね」
「これより」
「そうしますね」
「これまで東国と西国は別だった」
 同じ浮島にあるが明確と言っていいまでに分かれていたというのだ。
「箱根を境にな」
「左様でしたね」
「その箱根と越後、甲斐と関東の境を以てでした」
「西国と東国は分かれていました」
「まさに別の国でした」
「これまでは」
「しかしこれからは違う」
 英雄は周りに言い切った。 
ページ上へ戻る
ツイートする
 

全て感想を見る:感想一覧