オオヤマネコでも
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第一章
オオヤマネコでも
この時カナダのケベック州に住んでいるマシュー=バーティー色白で淡い金髪とライトブルーの目を持つ長身の彼は自宅近くの森を運動の為自転車で走っていた。職業はパソコン関係で自宅にいることが多くこうした運動を日課にしているのだ。
その彼が森の中で何か小さなものが動いているのに気付いた。
「あれは?」
「ニャア」
それは幼い子猫だった、だが。
マシューはその猫がすぐに普通の猫でないことに気付いた、それで家に携帯で連絡を入れて妻のファーレンに話した。ファーレンは中国系で黒髪と黒い目である。黒髪を後ろで束ねている。切れ長の目で背は一六三程だ。
その妻にだ、こう言った。
「オオヤマネコの子供見付けたよ」
「そうなの」
「カナダオオヤマネコだね」
そちらの種類だというのだ。
「その子を見付けたよ」
「一匹だけ?」
「どうもね」
「そうなのね」
「近くに母猫がいると思うから」
それでとだ、夫は妻に話した。二人の間にはもう男の子が一人いる。五歳になるパトリックで顔立ちと目は父髪の毛は母のものだ。
「このままね」
「連れて帰らないでなのね」
「戻るよ、家に新しい家族が欲しいと言ってたけれど」
即ちペットがというのだ。
「野生の子だし母親もいるだろうから」
「その子は放っておくわね」
「そうするよ、もう少し運動してね」
「それで帰るのね」
「そうしてくるよ」
こう言ってだ、夫は今は猫と別れた。そしてもう少し自転車に乗って動いてだった。
家に帰った、その後は夕食を食べて日常を過ごした。そして次の日もだった。
マシューは自転車に乗って森の中を走って運動をしていたがこの日もだった。
そこにオオヤマネコの子猫がいた、同じ場所にいてだった。
母猫は見当たらなかった、それでだった。
「今日はなのね」
「連れて帰ってきたよ」
夫はその子猫を抱いて妻に話した。
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