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レーヴァティン

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第百九十五話 東国攻めその九

「しかしあれはあれでだ」
「いいものですね」
「だから西の浮島では主食ですね」
「そのパンも食わせますね」
「出陣の間は」
「そうもする、俺もご飯が好きだが」
 英雄にしてもだ、彼も主食は米派であるのだ。
「しかし脚気を防ぐにはな」
「パンもですね」
「それもいいので」
「兵達にも食わせる」
「そうしていきますね」
「これからもな、では相模の城は鉄砲と大砲、術で攻めてだ」
 これまで通りの攻め方でというのだ。
「陥落させていってだ」
「そうしてですね」
「そのうえで、ですね」
「城を攻め落としていき」
「小田原に向かい」
「あの城もまた」
「攻め落とす、だが出来るならだ」 
 英雄はこうも言った。
「どの城もそうだがな」
「戦わずですね」
「そうして攻めていきますね」
「囲み降る様に言っていく」
「それが主ですね」
「向こうから降るならいい」
 それならばというのだ。
「最初からな」
「左様ですね」
「戦わずして勝つことを最善としますね」
「この相模での戦も」
「そして関東攻めでも」
「百戦百勝して傷付けば意味はない」
 そうなってしまえばというのだ。
「やはりだ」
「戦わずして勝つならですね」
「これ以上のことはない」
「だからこそですね」
「これからもですね」
「その様にしていく」 
 降る様に言っていき降る者は受け入れるというのだ。
「それを最善とする、また戦に入ってもだ」
「そこで降ればですね」
「やはり受け入れますね」
「その時も」
「それ以上戦わずに済むのならな」
 それならばというのだ。
「それが最善だからな」
「それ故にですね」
「ではそうしていきましょう」
「この相模でも」
「その様にな」
 英雄はこう言ってだった。
「しろ、あと乱暴はするなと言ったが」
「民にですね」
「そして降った者達にも」
「一切ですね」
「特に女だ」
 この者達にはというのだ。
「そして衆道をするにもな」
「襲うな」
「決してですね」
「そうするなと」
「そうだ、だから娼婦達にだ」
 それにというのだ。
「軍勢に女の兵もいるし男同士も禁じていない」
「買うのはいい」
「そして付き合うのもいい」
「そうですね」
「そうしたことはいいですね」
「全くな、だが襲うな」
 それはならないというのだ。
「民にしろ侍の家の女にしてもな」
「決してですね」
「それはするな」
「乱暴の中でもですね」
「特に」
「俺も女は好きだ」
 それもかなりだ、英雄は自分のことは否定しなかった。実際に彼は毎晩女達を抱いてもいて楽しんでいる。
「しかしな」
「それでもですね」
「襲わない」
「それは絶対ですね」
「乱暴の中でも」
「すれば奪った時と同じだ」
 略奪を働いた時と、というのだ。 
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