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安楽死直前だったけれど

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第二章

「是非」
「はい、それでは」
「今からです」
「この子はですね」
「貴方の家族です、では手続きを」
「させてもらいます」
 即座にだった、ケイラは里親の手続きをしてだった。
 ラスを家族に迎え入れた、家に来た彼を見たルームメイトのセーラ=イースト金髪に青い目で年齢はケイラと同年代のOLの彼女は言った。
「随分大人しい子ね」
「ええ、大人しいだけじゃなくてね」
 ケイラはセーラに笑顔で話した。
「かなり人懐っこいの」
「そうした子なのね」
「そうした子が来たから」
「私もなのね」
「この子可愛がってくれるかしら」
「そうさせてもらうわ」
 セーラは笑顔で応えた。
「これからね」
「ええ、それじゃあね」
「この子を一緒に飼っていきましょう」 
 こう話してだった。
 二人でラスを飼うことにした、すると。
 ラスはとても大人しく人懐っこく。
 そしてだった。
「いつも抱っこして欲しいとか身体摺り寄せたり」
「甘えん坊ね」
「そうよね」
 セーラはラスを抱き締めながらケイラに応えた。
「随分と」
「こんなに甘えん坊だとはね」 
 ケイラも笑って応えた。
「思わなかったわ」
「そうよね」
「ええ、けれどね」
「それでもよね」
「そこが余計にいいから」
「それでよね」
「これからもね」 
 是非にと言うのだった。
「仲良くね」
「こお子と暮らしていきましょう、ラスもそれでいいわね」
「ワン」 
 ラスはケイラに笑顔で応えた、そしてだった。
 セーラに抱かれているラスの頭を撫でた、するとだった。
 ラスは目を細めた、そして尻尾を振った。その尻尾も耳も今は毛があった。身体もすっかり健康になっていた。ケイラとセーラはそのことも喜んだ。


安楽死直前だったけれど   完


               2021・3・16 
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