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恋人は秘書

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第四章

「けれどね」
「それでもですね」
「プライベートで行くから」
 だからだというのだ。
「僕が出すよ」
「当然のことですね、では私も」
 沙織はここでも真面目に行った。
「自分のお金で、です」
「ラーメン食べるんだ」
「そうします」
「プライベートだからかな」
「はい」
 その通りだというのだ。
「そうします」
「僕が出すけれど」
「そういう訳にはいきません」
 沙織はの口調は変わらなかった。
「こうしたことははっきりしないとです」
「いけないですから」
「沙織っちは相変わらずだな」
「会社では武田さんです」
「そこでそう言う?」
「勤務中ですから」
 だからだというのだ。
「その様に」
「そこも変わらないね、武田さんは」
「はい、では」
「うん、帰ろうか」
 何はともあれだった。
 義彦は席を立ち帰り支度をはじめた、そして沙織もだった。
 帰り支度をはじめた、沙織は支度をすぐに終えて義彦を手伝ってそうして共に帰った。二人は博多の街に出て。
 屋台に入ってそこで白いスープと細い固めの麺の博多独特のラーメンを注文して食べはじめた。その時に。
 沙織は義彦にこんなことを言った。
「宜しいでしょうか」
「口調そのままだよ」
 義彦は堅苦しいままの沙織にこう返した。
「いいのかい?」
「あっ、義彦君いい?」
「そうそう、今はプライベートだから」
「そうだったわね、あのね」
「最近義彦君ラーメンよく食べてるわね」
「そうかな」
「三日前も食べたでしょ」
 この時もというのだ。
「お昼に」
「ああ、あの時だね」
「一週間に二回位は」
「博多だからね」
 それでというのだ。
「やっぱり」
「この豚骨スープがいいっていうのね」
「これ最高じゃない」
 実際にとだ、義彦は笑って話した。
「この白くてね」
「濃いスープが」
「そう、いいんだよ」
「だからよく食べてるのね」
「薬味の紅生姜もいいし」
 これもというのだ。
「最高のラーメンだよ」
「そう言うのね」
「うん、それでね」
「それで?」
「ラーメン食べたら」
 それからはとだ、義彦はラーメンを食べつつさらに話した。
「その後はね」
「その後は?」
「居酒屋行こうか」
「今度は鶏肉かしら」
「焼き鳥とか唐揚げ食べて」
 そうしてというのだ。 
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