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レーヴァティン

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第百九十三話 武蔵入りその六

「その祭司を養うこともな」
「政を司る者の務めですね」
「この世界ではな」
「だからですね」
「朝廷に寄進を行い」
「公卿の方々には」
「歴代の帝にお仕えしてもらう」
 こう良太に話した。
「このままな、幸いそれだけの金はあるしな」
「それも常に」
「そうする、そして都の街もな」
「これまで通りですね」
「整えていく、拡げることもだ」
 これもというのだ。
「していく」
「都も日増しに栄えているでござる」
 智が言ってきた。
「この大坂や堺と同じく」
「そうなっているな」
「我等が政に力を入れていて」
「そしてだな」
「国が栄えているので」
 それ故にというのだ。
「都もです」
「人が集まりな」
「栄えているでござる」
「そうだ、だからだ」
「拡げることも」
「していく、あの街は壁に囲まれているが」 
 この浮嶋では珍しい城塞都市である、ただしその壁は然程高くはなく守りには適しているものではない。
「しかしだ」
「それでもでござるな」
「その壁の外側にもな」
「街をでござるな」
「拡げていく、そしてその端にだ」
「壁をでござるな」
「築く」
 その様にするというのだ。
「そうして街を拡げる」
「そうするでござるな」
「あの街はな、しかし他の街はな」
「城下町でござるから」
「拡がってもな」
「壁は築かないでござるな」
「そうする、ただ整えることはな」
 このことはというと。
「行う」
「その様に」
「それでだが」
 英雄はさらに言った。
「大坂は橋をだ」
「増やしていくでござるな」
「今以上にな、まだ少ない」
 その橋がというのだ。
「どうもな」
「だからでござるな」
「よりだ」
「橋を築き」
「そして人の往来をよくする」
「そうするでござるな」
「今のままでは少ない」
 こう言うのだった。
「そうする、川や堀の多い街故に」
「確かに多いとよ」
 香織も言ってきた。
「大坂の川や堀は」
「そうだな」
「水路で発展している街たい」
「だからだ、その水運にだ」
「陸の往来たいな」
「それも考えてだ」
 そうしてというのだ。 
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