緋弾のアリア ―瑠璃神に愛されし武偵―
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Ⅰ La bambina da I'ARIA…
第014弾 舞台に集い始める武偵たち
前書き
白雪 「うぅ……SSR2年、星伽白雪です……」
ヒルダ「…………探偵科、衛生科2年のヒルダ・ツぺシュよ」
白雪 「ヒルダちゃん、優しく手当して……」
ヒルダ「無理言わないで……自分だけで精一杯だわ……」
白雪 「そ、そんな……」
ヒルダ「こういう時でも欲望が出るのね……」
白雪 「当然!だから……」
ヒルダ「や、やめなさい!抱きつかないで!!」
白雪 「゚( ´ ▽ ` )」(←満喫中)
ヒルダ「変態っ!!やめなさいってば!!」
白雪 「やだっ!」
ヒルダ「うわ。ダメだこいつ何とかしないと……」
白雪 「゚( ´ ▽ ` )」(←満喫中)
ヒルダ「タイトルコール……えっと、『第014弾 舞台に集い始める武偵たち』」
白雪 「どうぞ~」(←腑抜け)
変態白雪と不憫ヒルダがお送りしたまえがき ⑮ 完
Side_Nayu
「琴ちゃん、そろそろ時間よ?」
「あ、はい。今行きます」
先輩(同僚というべき?)のCAさんに呼ばれて私は彼女のあとに続く。
はい。今私は「綾瀬 琴里」という偽名を使いCAしてます。
え、なんでかって?
そんなの、潜入するからに決まってる。
変装は叩き起した瑠璃の力を借りている。なので、よっぽどのことがない限り、大丈夫だろう。油断はできないけれども。
今頃はもうアリアは空港で搭乗手続きを始める頃だろう。
想定内だけど想定外の消耗はしたがさて、ここから始まるぞ。
待ってろや、武偵殺しさん。ちゃんと教育してやるからねぇ?
先程の八つ当たりも入っていた私は不敵に笑みを浮かべていた。
……Side_Out……
Side_Kinji
俺は今、理子からメールが来たので指定された場所へ向かっていた。
何時もだったら結衣の奴の嫉妬も怖いのもあるが、そもそもこういう誘いはNGだしスルーするところだが、今回は特殊だ。
理子は先週の凪優と結衣の奴が無双したバスジャック事件に関連した情報を引き続き調べていて、今日の探偵科の授業をフケていた。
それに今日はアリアだけじゃなく、凪優に結衣も学校を休んでいた。その事も気になるしな。
まぁ、何と言うか、『虫の報せ』ってやつだ。
モノレールで学園島から台場に向かい、指定された店、「クラブ・エステーラ」に少し迷いつつも到着した。
どうやら此処は高級なカラオケ店のようだ。
店の駐車場には悪趣味な極彩ピンクの改造ベスパが停めてある。
あの一度見たら二度と忘れられないやつは理子のだったな。
「この子は一見、50ccなんだけど、時速はなんと、150km出せちゃうんだよ!」と自慢していたしな。
そんな車検スレスレの魔改造を施したのは武藤である。いくら金を積まれたからってホント、仕事選べよ。
時刻は早いもので夕方の6時。
何時もよりやけに鮮明な夕焼けは鮮血のようで、紺色の千切れ雲が異様に速く流れていた。
これは東京に迫る台風の影響なのだろうか。何時もより、風が、強い。
クラブに入った俺の目に飛び込んできたのはバーラウンジで会社帰りのOLやデート中の若者が芸術品のようなケーキをつついている光景。
よく見れば、その中に武偵校の女子もちらほら混じっている。流行ってるんだなこの店。
「キぃーくぅーん!」
奥から小走りにやってきた理子は何時ものロリータ制服を着ていた。
……いや、なんか今日のは一段となんというか……スゴい。
本人に言わせると《《勝負服》》だそうだ。ま、心底どうでもいいが。
この後、理子のペースに完全に乗せられる俺。
笑う理子の上目遣いは妙に艶かしく思えた。それに俺は舌打ちしたくなる。
……やっぱり来るんじゃなかった。もう、何なんだ、コイツは。
そしてまた理子のペースに乗せられる俺。
それを見て二重三重に良からぬ噂のフラグを建てる女子生徒共。……聞こえてるからな? 誤解すんな。
個室に押し込まれ、甘ったるいミルクティーを飲んだ理子に核心を突かれ、ぶっきらぼうに返す俺。
そんな俺に理子はモンブランにフォークを刺してニイッと笑う。
これは本気の顔だな。どんな要求してくるかわからんぞ……。
「はいキーくん、あーんして」
切り分けたモンブランのフォークを俺に突き出してくる。
「するかバカ」
そんな恥ずかしいシチュをやってられるか。
「──―『武偵殺し』──―」
なにかのカードの切り札を切るようにそう告げてきた理子に──―俺は目を見開いて理子の方を見た。
「──何か……解ったのか」
「(^0^*)あ~ん ってしてくれたら教えてあげるけど? さぁ、かもんっ!」
……何が「かもんっ!」だ。こっちは──「はやくしてくれないと教えてあげないよぉ? キーくぅん?」
…………遮って来るのかよ。仕方ない。死ぬほど恥ずかしいが、背に腹は変えられない。俺は理子にモンブランを一口貰うと「さぁ(お前の知ることを)教えろ!」と目で凄んだ。
「くふ。あのね、警視庁の捜査資料にあったんだけどね…………過去に『武偵殺し』に殺られた人って、バイクジャックとカージャックの2人だけじゃなくって、他にもいるんだって」
「…………? どういうことだ」
「『可能性事件』っていうのがあるんだけどね。簡単に言っちゃえば《《表向きは『事故』って事になってるけど実はそうじゃない》》ってやつ。具体的に言うと『武偵殺し』の仕業で、隠蔽工作で解んなくなってる……って感じかな」
「へぇ……そんなものもあるのか」
「……で、ここからが本題。そこの資料の中に見つけちゃったんだ。『多分そうじゃないかなぁ……?』っていう人の名前」
理子は手持ちのポシェットから取り出した四つ折のコピー用紙をまるで手品を見せるが如くゆっくりと広げて俺に見せてくる。
「──―!」
俺はその紙に書かれていたことを見た瞬間、背筋が……いや、全身を駆け巡る血液ですらその場で凍るような感覚に見舞われた。
『2008年 12月24日 浦賀沖海難事故 死亡 遠山金一 武偵 (19)』
そして、理子の発する言葉が聞こえなくなるほど、意識が遠のいていく。
武偵殺シ、キサマハ ナゼ、 兄サンヲ。
ナゼ、 兄サンヲ、 ソシテ ナゼ 俺ヲ…………狙ッタ━━━━!!
「いい」
熱を含んだ感じの理子の言葉に、( ゚д゚)ハッ! と気を取り戻す俺。
俺と目が逢う瞬間、理子はスッと目を細め、まるでなにかの快感を得た表情で俺に上半身を寄せてくる。
「Je t'aime à croquer.」と呟き、狭い個室の中で獣宛らの動きを見せ、いきなり……しがみついてきた。
結衣の奴がいなくてよかった……。アイツが居たら、ここは更地になりかねない。いや、確実になるだろう。いや、ホントに良か……いや、良くない。
な、なんなんだ、この状況!? もう突然過ぎて訳が解らないんだが!! 何故に俺は理子に押し倒されているんだ!?
「──理子!?」
「キンジってば、ほんっとーにラブに鈍感すぎ。まるで、ワザとそうなるよーにしか思えない。ねぇ……解ってる? これ、もうイベントシーンの真っ最中なんだよ? だからさ、《《ゲームみたいなこと》》しても、いいんだよ……? 大丈夫。この部屋の出来事は誰にもバレないから。白雪はS研の合宿だし、アリアはもうイギリスに帰っちゃうからね。今夜7時のチャーター便で行くって言ってたし、もう今頃は羽田かなぁ……? それに凪優も結衣も依頼が入ってて終日こっちこないみたいだし。だから……理子と、《《イイコト》》しよ……?」
突然の誘惑と、意外な出来事で……。俺は自分が気づいたときにはヒステリアモードに…………《《なって》》、《《しまっていた》》。
「━━━━!」
その刹那、たった今、理子から聞いた話と、過去の事件が、すべて宛てがわれたかのように一本の「道」として繋がっていく。
そして、その道の行く先……このルートのエンディングは…………取り返しのつかない、ある種のバッドエンド。
―ヤバい。
ヤバいぞ。
今すぐ動かねば…………!
「ゴメンな━━━!」
ヒステリアモードの俺は、理子の目の前に手を滑り込ませ、
ぱちんっ!
指を弾いて鳴らした。
「みゅぅっ!」
そう、理子が瞬きした刹那―
「お子様は、そろそろ家でおネンネの時間だろう?」
「ぁんっ!?」
その小さな体を抱え上げ、
くるっ。
俺は体を入れ替えて、理子を長椅子に横たわらせる。
そして、立ち上がり、前髪を掻き上げつつ、部屋を飛び出し、羽田へ大急ぎで向かった。
ヒステリアモードの……頭で────
……Side_Out……
続くんだよ
後書き
葵 「さて如何だったでしょうか」
理子「今回、短くなったね」
葵 「そりゃあ、大半前回に回ったし」
理子「あー、切りどころの都合か……」
葵 「そゆこと」
理子「そんなに今回は修正加えてないね」
葵 「そだね。強いて言えば文章整形くらいだもん」
理子「あ、そうなんだ……。それでさ」
葵 「ん?どした、理子」
理子「前回と合わせての文量どうなったのさ」
葵 「10000超えた。リメイク前の倍くらい」
理子「そりゃ、分割必須だね」
葵 「それでこうなった」
理子「そっか……じゃあ、謝辞行っとこうよ」
葵 「だね」
理子「この話を読んでくれて、更に評価してくれている読者様にも感謝感激雨霰なんだよ!皆のこの話を読んでの評価であおちーは執筆頑張れるから今回も、次回以降も読んでくれると嬉しいなっ!」
葵 「私のモチベーションと集中力次第で次回の投稿時期が未定ですが、次回もなるべく間隔が空かないように頑張りますのでよろしくお願いします!」
理子「と、言う訳で、これからもよろしくね!」
葵 「それでは、また次回このあとがきの場所でお会いしましょう。それでは……」
葵理「「ばいばいっ!!!」」
花梨は就寝中で欠席のあとがき⑮ 完
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