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レーヴァティン

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第百九十二話 港を見てその十

「東国攻めのな」
「最大拠点にですね」
「しよう、だからな」
「次男さんもですね」
「大名にする」
 それ以上の条件は飲まないがというのだ。
「そうする、次男の方も優れているそうだしな」
「長男さんだけでなく」
「愚か者でもだ」 
 それでもというのだ。
「傀儡にしてな」
「大名にしていましたね」
「それ位はしてもだ」
「武蔵、そして江戸の街と江戸城はですね」
「欲しいしな」
 今はというのだ。
「いいと思っていたが」
「優れた方なら」
「問題はない、長男も出来はいいそうだし」
「お二人共ですね」
「大名にする」
 まさにというのだ。
「そうする」
「それでは」
「江戸にはそう伝える、だが」 
 ここでだ、英雄はこんなことも言った。
「傀儡と言ったが傀儡になるにもな」
「ああ、それぜよ」
 当季が応えてきた。
「傀儡、お神輿でおるのものう」
「それはそれでな」
「結構な能力が必要ぜよ」
「動かないだけでもな」
「状況を見てじゃ」
「そうするだけの能力が必要だ」
「全くの無能はぜよ」
 それこそというのだ。
「傀儡は務まらんぜよ」
「そうだな」
「何時かのプロ野球のコミッショナーは」
 当季は起きた世界の話をした。
「球界再編で大騒ぎの時にぜよ」
「黙っているだけならまだしもな」
「プロ野球を私物化したい連中の傀儡としてのう」
「大騒動の時に有給休暇を取った」
「そして海外旅行ぜよ」 
 当季は両手を伸ばして飛行機が飛ぶ動作をしつつ言った。
「そうしたぜよ」
「それで批判を受けたな」
「しかも発言はぜよ」
「自分にはその権限はないだったな」
「全くの無能だったぜよ」
「それでだったな」
「傀儡も務まらなかったぜよ」
 尚元公正取引委員会の委員長だったという、重要な役職の筈であるが務まっていたかどうかは不明だ。
「そうだったぜ」
「まさに傀儡もだな」
「ある程度の才能がなければのう」
「出来ないな」
「あながち馬鹿に出来ないぜよ」
 傀儡というと無能の代名詞であるがだ。
「これがのう」
「そうだな」
「というかそこそこ能力がないとぜよ」
「傀儡は出来ないな」
「そうぜよ」
 当季は言い切った。
「そういうものぜよ」
「俺もあの話でわかった」
「傀儡についてじゃな」
「今のは言葉のあやだ、全くの無能ならな」
 そのコミッショナーの様にというのだ。
「傀儡も出来ず」
「大名にしたらじゃ」
「碌なことにならないな」
「そうぜよ」
「周りにどんな者を置いてもな」 
 その者の言う通りにせず好き勝手にするからだ。 
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