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レーヴァティン

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第百九十一話 東国のことその二

「そこはだ」
「やってるな」
「こちっらはジャガイモだが」
 それだけでなくというのだ。
「サツマイモもだ」
「ああ、その芋か」 
「むしろこの芋の方がな」
「そちらの浮島だと主か」
「そうだ、よく茹でたり焼いたりしてだ」
 その様に調理してというのだ。
「食っている」
「サツマイモもいいよな」
 この芋についてだ、久志は唸って述べた。
「確かにな」
「甘くて美味い」
「痩せた土地でも沢山採れてな
「栄養もある」
「だからいいな」
「ジャガイモもいいが」
 英雄はさらに言った。
「そのジャガイモと同じだけだ」
「サツマイモもいいよな」
「だから俺もだ」
「そちらの浮島でか」
「民達に作らせてな」
 そうしてというのだ。
「食わせている」
「そうして民を満腹にしているか」
「米もあるがな」
「米な、米はやっぱり凄いよな」
 米のことも聞くとだった、久志は。
 カレーライスの中にあるそのご飯も見てからそのうえで英雄に対して唸りかつ羨ましそうに言うのだった。
「採れ高凄いしな」
「麦と比べてな」
「三倍位違うからな」 
 そこまでの違いがあるというのだ。
「いいな」
「ああ、しかし少し余裕があるとな」 
 暮らしにとだ、英雄は羨ましそうな久志にこう返した。
「白米にする」
「精白してな」
「そうして食う」
「そちらの浮島でもそうしているか」
「俺も実はな」
 英雄はさらに話した。
「白米の方をな」
「食う様にしているか」
「その様にしている」
 実際にというのだ。
「民も白米の方が好きだからな」
「それでだよな」
「そうしている」 
 実際にというのだ。
「民達も止めない、最近では村でもな」
「白米食ってるか」
「そうなってきている」
「それだけ暮らしに余裕が出来てきているか」
「東の浮島でもな」
「それ自体はいいことだな」
「そうだな、しかしな」
 それでもとだ、英雄は言うのだった。
「白米はな」
「栄養は澱粉位でな」
「そればかり食っているとな」
「栄養が偏ってな」
「下手をすれば脚気になる」
 この病気に罹ってしまうというのだ。
「それが厄介だ」
「脚気な」
「お前も知っているな」
「ああ、脚がむくんでいってな」
「身体がだるくなってな」
「心臓も止まって死ぬな」
「この病気になる」
 こう言うのだった。 
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