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レーヴァティン

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第百九十話 空からの急襲その九

「若しかして」
「それな、デルフォイの文献もな」
「片っ端から調べてね」
「突き止めようとしているけれどな」
 その海の魔神が何者でどんな目的でこの世界の殆どを海に沈めていて何処にいてどういった力を持っているかだ。
「まだな」
「わかっていないね」
「一切な」
 淳二に難しい顔で述べた。
「まだな」
「そうなんだよね」
「俺こうも思うんだよ」
「こうもとは」
「ああ、このままずっとわからないんじゃないかってな」
 海の魔神のことはというのだ。
「そうじゃないかってな」
「その可能性はあるね」
「ああ、ひょっとしたらってな」
「それあるよね」
「本当に大丈夫か」
 このことはというのだ。
「わかるよな」
「わかるべきことはその時になればわかる」
 ここで淳二はこの言葉を出した。
「そうだね」
「そういうものか」
「うん、運命論で言うとね」
「そうなるか」
「おいらは都合のいい時には運命論になるから」
 久志に明るく笑って話した。
「今はね」
「そう言うんだな」
「うん、絶対にわかるよ」
「その時になればか」
「そう、そしてね」
 そのうえでというのだ。
「何とかなるよ」
「海の魔神を倒せるか」
「絶対にね」
「だといいけれどな」
「少なくとも今心配することは当然だよ」
 現時点でも海の魔神のことが一切わかっていないことがというのだ。
「それはね、けれどね」
「それでもか」
「今はやるべきことをやっていくことだよ」
「そのことは調べ続けていてもか」
「そう、どっちにしても後々のことだね」
「海の魔神と戦うことはな」
 そうだとだ、久志も答えた。
「まだ先だよ」
「そう、だからね」
「今不安に感じて若しかって思うことはか」
「意味がないよ、それでくよくよしたりするよりは」
「動くことか」
「うん、それがね」
「一番いいか」
「それで今は政をしよう」
 こう言うのだった。
「領土全体の」
「若し領土を的確に治めないと」
 淳二も言ってきた。
「叛乱起こされたり独立したりね」
「そうもなるしな」
「国も豊かにならないから」
「戦も大事だけれどな」
「むしろ戦よりも遥かにね」
「大事だな」
「そう、だからね」
 それでというのだ。
「治めよう」
「新たな領土もな、それとな」
 久志はさらに話した。 
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