| 携帯サイト  | 感想  | レビュー  | 縦書きで読む [PDF/明朝]版 / [PDF/ゴシック]版 | 全話表示 | 挿絵表示しない | 誤字脱字報告する | 誤字脱字報告一覧 | 

本領発揮

しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。 ページ下へ移動
次ページ > 目次
 

第四章

「それは」
「そうなの」
「だからね」 
 それでというのだ。
「気にすることはね」
「ないのね」
「個性はそれぞれで」
 天はさらに言った。
「それで悪い?」
「そう言われると」
「ないでしょ」
「ええ」
 奈央も答えた。
「これといって」
「いい結果が出ているなら」
 それでというのだ。
「もうね」
「問題ないわね」
「そう、だからね」
 それでというのだ。
「気にしないでね」
「やっていけばいいのね」
「そう思うわ」
 こう奈央に話すのだった。
「だからこれからも」
「努力していって」
「いざっていう時に」
 その時にというのだ。
「頑張っていこう」
「じゃあ」
「ええ、今度は私が歌うから」
「次は私ね」
「何の曲歌うの?」
「次は」
 奈央は天に笑顔で応え曲を選んだ、そうしてだった。
 その曲を歌った、本気で歌うその曲も実によかった。
 だがはじめて歌う曲は。
「何かね」
「ええ、普通というかね」
「それ以下よね」
「あんたいつもはじめてだとね」
「駄目なのよね」
「そうよね」
「そこから本気になって」
 それでというのだ。
「やっていくけれど」
「それでもね」
「はじめてだと」
「どうしてもね」
「出来ないのよね」
 こう天に言うのだった。
「本当に」
「本領発揮は本気になってね」
「努力してからよね」
「さもないとよくならない」
「そうしたタイプね」
「私はそうね」
 こうしたことも言ってそうしてだった。 
 奈央はその曲についてもこれから練習していこうと決意した、この曲も上手に歌いたいと思ったからこそ。そして。 
 天もだ、奈央にこう言った。
「本領発揮してね」
「この曲でもっていうのね」
「ええ、あんたのね」
「天ちゃんがそう言うなら」 
 奈央は笑顔で応えた、そうして今度はこれまでも歌っていた曲を歌った。こちらはいい感じに歌うことが出来た。


本領発揮   完


                    2020・8・17 
次ページ > 目次
ページ上へ戻る
ツイートする
 

全て感想を見る:感想一覧