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レーヴァティン

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第百八十八話 連勝その七

「もうな」
「どうしようもないですね」
「ああ」
 久志は源三に答えた。
「もうな」
「ですから」
 それでというのだ。
「この国の王もです」
「重税を課してか、民に」
「そしてその得たお金で」
「国を動かしているか」
「そうかと。ですが」
「俺達はな」
「根本からです」
 源三は久志に強い声で話した。
「変えていくべきです」
「そうだよな」
「確かな産業を興し」
「寒冷地に強い作物を採り入れてな」
「内政を進めていきましょう」
「それじゃあな」
 久志は源三の言葉に頷いた、それは戦の後で本格的に行うことにしてだった。
 軍を北上させていった、その都度だった。
「またでござるな」
「ああ、数だけ多いな」
 久志は進太に目の前にいる何十万もの軍勢を見て話した。
「装備も士気もな」
「見るからに低いでござる」
「そうした軍勢だな」
「民を引っ張ってきた」
「それで指揮官もな」
 彼等もというのだ。
「無理に戦わさせているな」
「そうした軍勢でござるな」
「そんな軍勢はな」
 それこそというのだ。
「ものの数じゃないけれどな」
「全くでござる」
「戦場に血が流れるだけだ」
「それがあの王はわかっていないでござるか」
「それかわかっていてもな」
 それでもというのだ。
「そうするしかないのかもな」
「わかっていてもでござるか」
「ああ」
 こう進太に話した。
「もうな」
「そうするしかないでござるか」
「幾ら質が悪くてもな」
 その装備や練度、士気がだ。
「やっぱり戦ってのはな」
「数でござるな」
「それは事実だからな」
 それでというのだ。
「相手もな」
「数を揃えているでござるな」
「無理にでもな」
 民を引っ張って来てというのだ。
「そうかもな」
「お世辞にもでござる」
 進太は久志の話を聞いて言った。
「いいやり方とは言えないでござる」
「ああ」
 久志は進太のその言葉に頷いた。
「俺もそう思うさ」
「それでもでござるな」
「わかっていてもいなくても」
 戦を知らない民達を兵に仕立てて戦場に出すことはというのだ。
「まず数でな」
「やっているでござるか」
「そうかもな、しかしな」
「それでもでござるな」
「ああ」
 ここはというのだ。 
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