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レーヴァティン

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第百八十八話 連勝その一

   第百八十八話  連勝
 戦に勝った兵達はまずは味方を切ろうとしていた督戦隊の者達捕虜にした彼等を見た、皆黒い服と武双で暗い目をしている。
 その彼等を見つつ彼は言った。
「何かな」
「秘密警察みたいだな」
 正も言った。
「そんな連中だな」
「ああ、王様の直属の兵達か」
「実際に諜報も行ってだ」
「粛清とかもか」
「しているとのことだ」
「やっぱりそうした連中か」
「王の手足となってだ」
 そうしてというのだ。
「貴族を監視してな」
「何かあると粛清してか」
「そして戦になるとな」
「督戦隊をしてだ」
「民を連れて来て兵達にした連中を切るんだな」
「もっと言えば連れて行く連中だ」
「とんでもねえ連中だな、いや」
 久志は苦い顔で言った。
「とんでもねえ組織だな」
「個人が問題でなくな」
「組織が問題だな」
「そうだ、オプリーチニクという」
「この連中の名前か」
「王の直属の軍であり秘密警察だ」
 それになるというのだ。
「その連中だ」
「そうか」
「それでこの連中はどうする」
 正は久志に彼等の処遇を問うた。
「今は捕虜だが」
「この連中色々人殺してるよな」
「無慈悲にな」
「自分から進んでしたか?」
 久志は正に問うた。
「そうしたか?」
「いや」
 正はそれは否定した。
「あくまで王の命令だ」
「それで動いていたんだな」
「王が下級貴族達を集めてな」
「編成した連中か」
「そしてだ」
「自分の手足にしていたんだな」
「そうだった、王の命令で動く連中だ」
 こう久志に話した。
「逆に言うと王の命令がないとな」
「動かない連中か」
「そうだ」
 正はこのことは話した。
「この連中はな」
「そうか、じゃあオピリーチニクは解体するな」
 久志は組織から話した。
「それでこの連中は牢に入れるな」
「罪はあるからか」
「それは事実だからな」
 王の命令とはいえ、というのだ。
「流石に粛清や民を切るとかな」
「許されないか」
「だからな」
 そう考えるからだというのだ。
「この連中は無罪放免にしないでな」
「牢に入れるか」
「それで暫く強制労働だ」
 それをさせるというのだ。
「そうするな」
「わかった、ではな」
「ああ、あと兵にされていた民は復活させてな」
「領地に戻させるか」
「そうしてな」
「働いてもらうか」
「村や街でな」
 元の農民や町人として、というのだ。 
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