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レーヴァティン

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第百八十七話 オデッサからその八

「だからね」
「人間なんて小さい」
「そのことを頭に入れて」  
 そのうえでというのだ。
「やっていくことだよ」
「戦もな」
「さもないと」
 それこそというのだ。
「思い上がってね」
「しくじるな」
「共産主義者なんて自分達は何でも出来るって思って」
「ああだな」
「おいらの知ってる無神論者は頼るのは自分の力って言ってるけれど」
 それでもというのだ。
「日本の皇室は駄目で北朝鮮の世襲の独裁政治はいい」
「そんなこと言う馬鹿か」
「うん、誰が見ても馬鹿だよね」
「はっきり言える馬鹿だな」
 久志が見てもだった。
「どっちがまともかなんてな」
「子供でもわかるからね」
「それで頼るのは自分の力だけか」
「果てはわかるね」
「沖縄でずっといる連中か」
 所謂運動家である。
「ずっとテント張って暮らしてるか」
「あの胡散臭い連中だね」
「あの連中みたいになるか」
「自分の力だけが頼りって言っても」
「馬鹿だとな」
「それもここまでだとね」
「碌なことにはならないな」
 久志は言い切った。
「自分の力を頼りにするならな」
「それなりの力量がないとね」
「頭もな」
「人間誰でも自分で道を切り開くものでも」
「日本の皇室は駄目でな」
「北朝鮮の世襲の独裁がいいとかね」
「しかもあそこは共産主義だからな」
 一応こう言っている。
「そういうことになっているからな」
「それで世襲とかね」
「絶対に有り得ないな」
「普通に考えたらね」
「それでおかしいと言わないんだな」
「思っていなかったよ、人民が支持しているって」
「そんな訳ないだろ」
 久志は即座に言い返した。
「あの国は独裁国家だぞ」
「言論の自由なんて何もないね」
「思想の自由もないぞ」
「個人崇拝やってね」
「そんな国で人民の支持とかな」
「小学生でもわかるね」
「小学生であの国がどんな国かわからない奴いるか?」
 久志はいぶかしむ顔で言った。
「そもそも」
「いないと思うよ、おいらも」
「そうだよな」
「今時ね」
「その小学生でもわかることがわかっていないなんてな」
「桁外れの馬鹿だね」
「そこまで馬鹿だとな」
 流石にとだ、久志は言った。
「自分の力だけで生きれないな」
「絶対にね」
「まああれだな、思想がそのままだとな」
「本当に沖縄の基地の前にいるだろうね」
「テント張ってな」
「あの人達どうして生計立てているのか謎だけれど」
「それな、どうやって生きているんだ」
 淳二のその指摘に応えた。
「あの連中は」
「そこも気になるね」
「プロ市民全体がそうだな」
「いつも平日のお昼とかにデモしてるけれど」
「仕事してないだろ」 
 定職に就いていないというのだ、久志は定職に就いて生活の糧を得ているという考えからこう言った。 
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