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レーヴァティン

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第百八十六話 川を使いその三

「それでだからな」
「ペニシリンも開発されているわ」
「牛痘もある」
「ペストのこともわかっていてね」
「だからいいな」
「こうしたものがあるからね」
「この世界は随分違うな、本当にペニシリンがないと」
 久志はこの抗生物質についてさらに話した。
「梅毒や結核になったら」
「終わりよ」
「そうだよな」
「どっちも本当にね」
「俺達の世界でもかなりの人が死んだしな」
 その結核や梅毒でだ。
「実際に」
「そうよ、沖田総司さんもでしょ」
「結核で亡くなってるな」
「若くして亡くなっているわね」
 二十四歳であった、新選組の中でも天才剣士と呼ばれたがその彼も病には勝てなかったのだ。
「そうだったわね」
「それで梅毒でもな」
「芹沢鴨さんがそうだったと言われているわね」
「それ本当かね」
「それはわからないけれどね、坂本龍馬さんにもそうした話があるわ」
「だから長く生きられなかったっていうんだな」
「二人共ね」
 尚二人共暗殺されている。
「そうも言われているわ」
「梅毒は怖いな」
「そのリクスを考えるとね」
「やっぱりどうするかが問題でな」
「娼婦を置くこともね」
「対策の一つだな」
「ええ、私も娼婦という制度はね」 
 双葉も顔を曇らせて話した。
「実はね」
「好きじゃないか」
「やっぱりね」
 こう言うのだった。
「好きじゃないわ」
「そうなんだな」
「女性としてはね」
 どうしてもというのだ。
「そこはね」
「女の人はか」
「どうしてもね」
 そこはというのだ。
「そうなるわ」
「そうなんだな」
「そう、けれどね」
「必要なのは認めてるんだな」
「必要悪ね」
 双葉はこう返した。
「つまりは」
「そうした考えか」
「そう、ないと大変なことになるから」
 それでというのだ。
「認めてるわ」
「本当に必要悪って考えだな」
「うちもや、確かに商売をやってたけどな」
 美奈代は商人として話した。
「お色気で客引きはな」
「しなかったんだな」
「そういうの女の子としてはな」
「やっぱり抵抗があるか」
「そや、それでや」 
 その為にというのだ。
「うちのお店ではな」
「そういえば女の子の服露出なかったな」
「アイドルはともかくな」
「アイドルの露出はいいのかよ」
「アイドルの仕事は歌って踊って」
 そしてというのだ。 
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