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レーヴァティン

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第百八十五話 大騎馬戦その八

「立ち、屈み、伏せでだ」
「その三段ですね」
「三段同時に撃ちますね」
「そうしますね」
「ああ、その後ろから術と弓矢を放ってな」
 そうしてというのだ。
「敵を一度に倒すぞ」
「そして砲撃もですね」
「それも行い」
「そうしてですね」
「敵を倒しますね」
「これより」
「そうだ、守りを固めてだ」
 そのうえでというのだ。
「戦うぞ、いいな」
「わかりました」
「それではです」
「これより戦いましょう」
「その様にして」
「ああ、騎兵隊は確かに強いさ」
 久志もこの世界の戦のことはもう骨の髄までわかっていた、それで騎兵のその機動力や突進力もわかっていた。
 だがそれでもとだ、彼は将兵達に話した。
「けれど無敵のものなんてないんだよ」
「この世には」
「左様ですね」
「どれだけ強いものでも」
「無敵ではないですね」
「ああ、だから戦うな」
 守りを固めてとだ、こう言ってだった。
 久志は敵が間合いに入ると攻めさせた、すると。
 銃と大砲の轟音が響き火花と爆発が起き。  
 術の炎や氷、雷が炸裂してだった。戦場は極彩色に包まれ敵の兵達が馬ごと吹き飛ばされた。そうして。
 多くの兵が倒れた、だがそれでもだった。 
 敵は突撃してくる、久志はそれを見てまた言った。
「やっぱりまだ来るな」
「予想通りだね」
 剛が応えた。
「これは」
「ああ、弓矢や術や銃で遠距離攻撃も考えたけれどな」
「騎兵の機動力も活かしてね」
「遊牧民みたいに来ることもな」
 攻めて来ることもというのだ。
「考えたけれどな」
「パルティアンショットだね」
「騎兵の機動力に遠距離攻撃が加わったらな」 
 それこそというのだ。
「鬼に金棒だからな」
「モンゴル軍も使っていたしね」
「だからモンゴル軍は強かったんだよな」
「馬に乗っていてね」
 モンゴル人は全員が騎兵であった、まさに騎馬の民だった。
「それでね」
「弓も使っていてな」
「だから物凄く強かったんだよ」
「そうだよな」
「相手もその選択肢はあったけれど」
「こっちもな」
 久志は笑って話した。
「それを仕掛けてきたらな」
「突進から遠距離攻撃に移るにもね」
「一旦動きを止めてな」
「準備をしないといけないからね」
「それが少しの間でもな」
「その少しがね」
 剛は笑って話した。
「大きいからね」
「そこで一撃を浴びせられるからな」
「敵もそれがわかっているから」
 それでというのだ。 
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