| 携帯サイト  | 感想  | レビュー  | 縦書きで読む [PDF/明朝]版 / [PDF/ゴシック]版 | 全話表示 | 挿絵表示しない | 誤字脱字報告する | 誤字脱字報告一覧 | 

おぢばにおかえり

しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。 ページ下へ移動
 

第六十二話 二人乗りその一

               第六十二話  二人乗り
 自転車を観ると阿波野君は私に言いました。
「じゃあヘルメット着けて」
「安全の為にね」
「先輩は後ろに乗って」
「後ろって?」
「ですから僕が動かして」 
 その自転車をというのです。
「それでね」
「一緒にですか」
「行きましょう」
 こう言うのでした。
「二人で」
「あの、何か」
 私は阿波野君のお話を受けて言いました。
「私まだ何も言ってないけれど」
「いいか悪いか」
「そうだけれど」
 阿波野君にこう言いました。
「自転車に乗るとか」
「駄目ですか?」
「別にいいけれど」
 いいか悪いかと言われるとでした。
「自転車に乗っても」
「それじゃあヘルメットは忘れないで」
「安全の為なのね」
「はい、そこはしっかりしないと」
「しかも二人乗りだし」
「そうです、安全はちゃんとして」
 そしてというのです。
「行かないと駄目ですからね、先輩に何かあったら」
「よくないっていうの」
「そうです、僕に何かあってもいいですが」
「よくないわよ、それを言ったら二人共ね」
 それこそです。
「安全第一でいきましょう」
「そういうことですね」
「ええ、それで阿波野君が前に乗って」
「先輩が後ろで」
「宜しくね」
 こう阿波野君に言いました、そうしてでした。 
ページ上へ戻る
ツイートする
 

全て感想を見る:感想一覧