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レーヴァティン

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第百八十五話 大騎馬戦その六

「普通攻める陣形なのにな」
「来ないのは」
「待ってるな」
「はい、私達がかかるのを」
「間違いないな、少数の敵でな」
「ああして待っているとなると」
「どう見てもな」
「そうですね、では」
「全軍いいか?」
 久志は軍勢に声をかけた。
「まずはな」
「攻撃を仕掛けないですね」
「敵軍には」
「そうしますね」
「ああ、砲撃と術による攻撃をな」
 それをというのだ。
「前に向かって仕掛けろ」
「そうしてですね」
「前の地雷原を攻撃して」
「地雷を撤去しますね」
「そうしますね」
「そうするな、その時にな」
 久志はさらに話した。
「敵の顔を見ろよ」
「前の彼等をですか」
「そうしろというのですか」
「まずは」
「そうだ、今連中は待ってる顔だろ」
 表情を見ればそうだった。
「俺達を、しかしな」
「地雷原を攻撃すれば」
「その時はですね」
「どういった顔になるかですね」
「それがわかるからな」
 それでというのだ。
「よく見ろよ」
「わかりました」
「それではですね」
「これから」
「ああ、じゃあ今から攻撃だ」
 こう言ってだった。
 久志は自分達の前方に広範囲に砲撃そして術での攻撃を浴びせた。するとその攻撃によってだった。
 前の平原で次々と爆発が起こった、久志はその爆発を見て言った。
「やっぱりな」
「そうでしたね」
 夕子もその爆発を見て応えた。
「これは」
「地雷仕掛けていたな」
「道理で動かなかった筈です」
「こっちが数に驕ってな」
「攻めて来たならば」
「地雷で足止めしてな」
「混乱状態に陥らせ」
 そしてというのだ。
「そのうえで、でしたね」
「攻めるつもりだったな」
「そうでしたね、ですが」
「ああ、それがな」
 まさにとだ、久志は爆発の後は。
 敵軍を見てだ、夕子にあらためて話した。
「それが出来なくてな」
「敵軍は苦い顔になっていますね」
「策が外れてな」
「そうですね、こうなっては」
「数と装備はこっちの方が上だ」
「それも遥かに」
「それで正面からぶつかるとな」
 そうなればというのだ。
「もう俺達が断然有利だ」
「左様ですね」
「周りを調べたが伏兵はいなかった」
 正が言ってきた。
「ではな」
「地雷で俺達を破るつもりだったな」
「この平原で伏兵も難しいしな」
 正はここで周りを見回した、そこは文字通りの平原で木々はあっても遠くにある。とても軍勢が隠れられるまではなかった。 
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