戦姫絶唱シンフォギア~響き交わる伴装者~
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君と過ごせる特別な日(爽々波純バースデー2020)
前書き
ご唱和ください、彼の名を!
今日12月12日は、純くんの誕生日!
日付の由来?勿論、ウル銀の公開日ですw
ちなみに炎炎ノ消防隊のカリム中隊長も、純くんと同じ日が誕生日らしいです。
どうか、覚えて帰ってくださいw
それでは純くんの誕生日、盛大に祝ってもらいましょう!!
「ん~、終わったー!」
「響、お疲れ様」
「ありがと、未来」
その日の授業を終え、響と未来は教室を出る。
この後、響はいつもの場所で翔と待ち合わせだ。
廊下を足取り軽く歩いていると……見知った銀髪の少女が教室を出てくる所だった。
「あっ、クリスちゃーん!」
「ッ!?」
何やら慌てた様子で、手に持っていた何かを隠すクリス。
未来は首を傾げた。
「クリス、どうしたの?」
「なっ、なんでもねぇ!!」
「なになに~?その手に持ってる紙ぶく──」
「何でもねえよッ!いちいち気にすんなッ!」
クリスは早足でその場を去ってしまう。
あっという間に廊下の角を曲がり、その背中は見えなくなってしまった。
「あっ、待ってよクリスちゃーん!」
「クリス、どうしたんだろう?」
「うーん……お腹空いてて、早くご飯食べに帰りたかったとか?」
「響じゃないんだから……」
響の食いしん坊発言に溜息を吐きつつ、未来はクリスの様子を改めて振り返る。
(あの紙袋の中身を隠したがってたみたいだけど……何が入っていたんだろう?)
ff
「はぁ……あっぶねぇ。響にバレたらヤバかった……」
響と未来から逃げてきたクリスは、ホッとため息を吐く。
「放課後の教室なら目立たないと思ったけど、以外に人の目があるじゃねぇか……。場所を移した方が良さそうだな」
クリスが移動しようとしたその時だった。
「雪音?何をしているのだ?」
「せっ、先輩ッ!?」
そこに現れたのは翼だった。
クリスは慌てて包みを背中に隠した。
「いや、その……」
「何を隠しているのだ?」
「なッ、ななな、なんでもないっす……本当に!何でもないですからッ!!」
「お、おい、雪音!?」
またしても脱兎のごとく逃げ出すクリス。
翼はわけが分からず、困惑した表情を浮かべた。
「いったい、何を慌てていたのだ……?」
ff
「……という事があってだな」
「なるほど。雪音が響や姉さん達を避けている、か」
翼や響、未来の話を聞き、翔は顎に手を当てる。
「何かの入った袋を隠すような動作に、人目に付きたくない理由……。雪音の性格からこれらを総合すると…………なるほど、そういう事か」
「翔くん、何かわかったの?」
一人で納得したような顔をする翔に、響は答えを求める。
「ああ、簡単な推理だ」
「教えて!クリスちゃんは何を隠してるの?」
「教えてもいいけど、皆一つだけ約束してくれ」
そう言って翔は周囲を確認し、3人の耳元に口を寄せた。
「純にだけは、絶対内緒だぞ?」
ff
そして数日後……その日の朝、クリスはいつもより早起きした。
カレンダーを確認して深呼吸すると、花瓶に赤いハナキリンの花を飾り、大好きな王子様の為に朝食を作る。
ガーリックトーストの匂いが漂ってくる頃、王子様は目を覚ました。
「おっ、おはよジュンくん……ッ!」
「おはようクリスちゃん。今日は早いね?」
「たっ、たまにはいいだろ?」
「うん、そうだね。クリスちゃんの作る朝ごはん、楽しみだよ」
そう言って純は、顔を洗いに洗面所へと向かう。
クリスはもう一度深呼吸すると、響達に隠し続けていた紙袋を抱えた。
(何とか間に合ったけど、ジュンくん気に入ってくれるかな……?)
洗面所から純が戻ってくるまで、そう時間はかからない。
もうすぐ、渡さなくてはならないのだ。
(き、きっと大丈夫だ。ジュンくんなら、受け取ってくれる。あたしが王子様を信じなくてどうすんだ!)
「クリスちゃん、どうしたの?」
「ひゃうっ!?」
戻って来た純を見て、思わず肩を跳ねさせてしまうクリス。
首を傾げる純に、クリスは紙袋を突き出した。
「こっ、これ……その……お、おお……誕生日、おめでとうッ!!」
「ッ!クリスちゃん、今日のために……?」
純の顔を真っ直ぐに見つめ、クリスは首を縦に振る。
「驚かせようと思って……。多分、バレてたかもしれないけど」
「まあ、ね。けど、何を用意してたのかは予想も出来てないから、何が入ってるのか楽しみだよ。開けてもいいかな?」
「うん……その、初めて作ったから、上手く出来てるか不安だけど……」
紙袋を開けると、中には赤い毛糸で編まれたセーターが入っていた。
「セーター……これ、クリスちゃんが編んだのかい?」
「寒くなってきたし、手作りしたら喜んでくれるかな……って」
純はセーターをじっと眺めると、クリスの顔を真っ直ぐに見つめて微笑んだ。
「ありがとう、クリスちゃん。大事に使うよ」
「お、おう……」
「早速、着ていいかな?」
「今からか!?ま、まあ……別にいいけどよ……」
そっぽを向いて頬をかくクリスを見つめながら、純はセーターに袖を通す。
「うん、ピッタリだ。それにポカポカで暖かい……よく出来てるね」
「そりゃあ、よかったよ……」
照れ臭そうな様子のクリスを見て、純は彼女へ向かってそっと腕を伸ばした。
背中に腕を回され、自分の体が温かさに包まれるのを感じて、クリスは自然と純の背中へと腕を回す。
「ありがとう、クリスちゃん。最高の誕生日だ」
「バカ……。来年はもっと最高のプレゼントを用意するっての……」
「フフッ……なら、僕もお返ししなきゃね。今度は、クリスちゃんの誕生日に」
「ん……楽しみにしてる」
2人は互いの温度を感じながら、唇を交わす。
大好きな人の熱を全身で感じながら、幸せな時間を堪能する。
「ぷぁ……あ、朝ごはん……冷めちまう前に食べないか?」
「勿論。折角の朝ごはん、冷めちゃったら勿体ない」
そして2人は食卓に着き、声を揃えて手を合わせるのだった。
「「いただきます」」
後書き
ハナキリンは12月12日の誕生花。花言葉は「逆境に耐える」、そして……もう1つの意味は調べてニヤニヤしてくださいw
それから、なんと今回、クラさんからイラストが届いております!
あかずきんクリスちゃんと、猟師コスの純くん!
あああああもう!!クリスちゃんめっちゃ可愛いし、純くんをこんなにイケメンに描いてくれてありがとうございます!!
尊い……めっちゃ尊い……( ´^ω^)人
さて、次はクリスマス&クリスちゃんの誕生日。
F.I.S.中心のクリスマスネタと、それからIF純クリの誕生日回を予定しています。
もしかしたら一部の読者さんへのプレゼントとして、純クリのちょっとアダルティーなやつも書くかもしれません。
それでは、純くんハッピーバースデー!!
次回もお楽しみに!!
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