| 携帯サイト  | 感想  | レビュー  | 縦書きで読む [PDF/明朝]版 / [PDF/ゴシック]版 | 全話表示 | 挿絵表示しない | 誤字脱字報告する | 誤字脱字報告一覧 | 

レーヴァティン

しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。 ページ下へ移動
 

第百八十三話 自害その十

「その戦乱が短くなった」
「三国時代みたいに長引かなくなったな」
「それは中国がさらに一つになったからだ」
「黄河と長江が結びついてな」
「そうした効果もあるからな」
 だからだというのだ。
「是非だ」
「戦乱が起こってもそれが短くなるか」
「帝国から見れば川を使って軍やものを多く迅速に送れる」
 そうなるからだというのだ。
「是非だ」
「運河は築くべきか」
「川と川を築く為にな」
「よくわかったぜ、それじゃあな」
「その様にするな」
「次第にな」
 正も言った、そうした話をしつつ久志達は今はドナウ川の脇を進んでいった。そうしてブダペストを目指すが。
 途中ほぼ全ての諸侯が降っていった、彼等は戦わずに帝国に入りその統治を受け入れた。そしてそれはだった。
「進太達の方もか」
「はい、あちらの方もです」
「順調に進んでいまして」
「諸侯は降っています」
「次々とそうなっています」
「それは何よりだな、戦がなくて済むならな」
 久志は話を聞いてから諸将に笑って話した。
「それでよしだよ」
「それが陛下のお考えですね」
「戦はないに越したことはない」
「戦わずに済むことは最善である」
「左様ですね」
「ああ、戦をしたら人も傷付くし金も使う」
 それでというのだ。
「だからな」
「行わないことが最善で」
「それで済むのならいいですね」
「それなら」
「ああ、じゃあこのままブタペストまでな」
 目指すその街までというのだ。
「進むな。ただまだウィーンまではな」
「進まないですね」
「騎士団領の都の一つまでは」
「そこまではですね」
「進まないですね」
「そうだ、だからな」
 それでというのだ。
「あそこまではな」
「進まず、ですね」
「今回はブダペストまでですね」
「あの街までですね」
「そうするな、あとドナウ川流域はな」
 それはともだ、久志は諸将に話した。
「掌握して航行の安全はな」
「保証しますね」
「何も心配はないと」
「その様にされますね」
「行き来の税もな」
 これもというのだ。
「帝国だけにしてな」
「諸将のものとはしない」
「そうしますね」
「そうして行き来をより楽にしますね」
「帝国の領内は関所とかはあってもな」 
 これも久志のつまりは帝国の政策の一つだ。
「金は取らないな」
「はい、素性は確かめますが」
「それでもですね」
「金は取らないですね」
「そうしますね」
「ああ、金はな」
 間違ってもというのだ。 
ページ上へ戻る
ツイートする
 

全て感想を見る:感想一覧