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レーヴァティン

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第百八十二話 民の心その八

「そう思っていいだろうな」
「罠とかあってね」
「地下道とか掘っていてな」
「そこからどんどん攻めて来るね」
「伏兵とかもいてな」
「だからだね」
「ああ、迂闊に攻めれば」
 そうすればというのだ。
「大変なことになるぜ」
「その通りだね」
「ああ、だからな」
 それでというのだ。
「ここは慎重にな」
「攻めていくね」
「そうしていくな」
 こう剛に話した。
「これから」
「それがいいね、焦ったら」
「その時点でしくじるからな」
「それで犠牲も出ちまう」
「そう考えたらね」
「ゆっくりとな」
 そして慎重にだ。
「進んでいこうな」
「そういうことでね」
「攻めていこうな」
「じっくりとね」
「内応を仕掛けてみますか」
 源三は考える顔になって久志に提案した。
「敵の将兵や家臣達に」
「こちらにつけば命は取らないとか」
「そう言って、地位や報酬も出して」
「餌で釣る感じだな」
「そうですね、ですが」
「内応者が出たらか」
「それだけで敵の兵を奪えて」
 こちらの兵に出来てというのだ。
「そして敵の情報もです」
「手に入るな」
「山の中そして城内のマップでも手に入れば」
「大きいな」
「間違いなく山の中には色々な細工がしてあります」
 源三はこれは確実とした。
「地下道や罠を多くもうけていて」
「伏兵や奇襲をどんどんしてくるな」
「城に辿り着くまでも大変で」
 それでというのだ。
「城に着いてもです」
「やっぱり罠やらがあってな」
「攻略にはかなりの手間と犠牲が」
「そうなるからだな」
「ですから」
「山や城の詳しい情報が欲しいな、実際な」
 久志は山そしてその上の城を見て苦い顔で述べた。
「この山や城のことは俺達知らないからな」
「詳しい内情は」
「それで攻め込むとな」
「下手をすれば敵の思う壺です」
「迂闊に入るとな」
「ですから」
「内応を誘ってか」
「その内応者が詳しい情報を持っていれば」
 その山や城の中をというのだ。
「大きな力になります、そして内応を仕掛けて領主がそれを知れば」
「疑心暗鬼になるな」
「非常に猜疑心が深い人物ですね」
「それは俺も感じていたぜ」
「他国の商人を殺したのは」
 それも惨たらしいやり方で皆殺しにしたのはというのだ。
「自国の商業を守りです」
「その既得権益を自分達のものにしてな」
「国内の情報を流すのではないか」
「そう疑ってだな」
「殺していました、そして粛清を繰り返したのも」
 領内でそれを繰り返したこともというのだ。
「やはりです」
「猜疑心が深くてな」
「裏切るのではないかと疑って」 
「殺していったな」
「ですから私達が内応を仕掛けているとわかれば」
「領主は片っ端から疑うな」
「そしてです」
 それでというのだ。 
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