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何もわかっていない女

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第二章

「日本の高級官僚の比じゃないぞ」
「それで貴族制度みたいな弊害も出てるぞ」
「日本より汚職が酷いんじゃなかったか?」
「特権階級化していてな」
「高等法院出身者がどれだけ問題になっていると思っているんだ」
「女性だってな」
 太嶋が熱心なこのことについてもというのだ。
「キリスト教自体が男尊女卑だしな」
「その考え確かに存在しているよな」
「今も女性の教皇いないだろ」
「歴史上一人だけいたとか言われてるだけだぞ」
「カトリックの偉い人男ばかりじゃないか」
「プロテスタントも殆どそうだぞ」
「それに寵妃なんていたぞ」
 王朝時代存在したこの制度も話された。
「ルイ十四世とか有名だよな」
「ルイ十五世のデュ=バリー伯爵夫人にしても」
「そんな人いたぞ」
「フランス革命でも男尊女卑だったぞ」
「女は革命に入るなって考えあったぞ」
「太嶋本当にフランスのこと知ってるか?」
「スウェーデンのことだってな」
 太嶋が好きな欧州のもう一つの国のこともだった。
「あの国の福祉を褒めてるけれどな」
「中立も好きみたいだな」
「けれどあの国福祉で税金使い過ぎてな」
「かなり負担になってるだろ」
「儲けた分は全部税金で持って行かれる国だぞ」
「それ福祉に使ってるんだぞ」
「太嶋みたいな奴がいつも増税反対するだろ」
 尚これは『リベラル』と言われる政党が政権を握った時は言われない様だ。日本のリベラルが欧米のリベラルとは全く違いその実は共産主義の名を借りた全体主義の支持者であるのではという指摘は置いておいて。
「スウェーデンの税金凄いぞ」
「社会の活力奪っている位だぞ」
「それ知らないのか?」
「知らないで言ってるなら学者としておかしいだろ」
「しかも軍隊だってな」
 自衛隊嫌いな太嶋であるがだ。
「あそこも徴兵制だぞ」
「独自の兵器開発してるぞ」
「国防凄いぞ」
「もうどれだけ凄いと思っているんだ」
「太嶋そのことも知らないのかよ」
「あそこの軍隊どれだけ凄いか」
 スウェーデンの軍隊がというのだ。
「道路だっていざって時滑走路になるぞ」
「国内で戦える様になっているぞ」
「こんなの調べたらわかるぞ」
「すぐにわかるぞ」
「本当に学者なんだよな」
「ただ喚いているだけのあれじゃないよな」
「どんなことでもそうだけれどな」 
 慰安婦、社会、軍隊、国際関係全てでというのだ。
「あいつ勉強してるか?」
「わかってるのか?」
「学者なのに論理的に考えられないか?」
「冗談抜きで学者じゃないんじゃないか?」 
 こう話される、とにかくだった。
 太嶋はずっと慰安婦は強制連行だ、日本よりフランスやスウェーデンの方がずっといい、自衛隊は嫌いだと言っていた。それで。
 ある番組でこう言った。
「F-15百機もあったけれど無駄だったのよ!」
「えっ、今度は何言ったこいつ」
「無駄!?」
「戦闘機あったのが無駄!?」
「またあれなこと言ったな」
 視聴者達は茸の様な頭で叫ぶ眼鏡をかけた四角い顔の老女を見て顔を顰めさせた、その赤い髪の毛も。 
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