仮面ライダーディロード~MASKED RIDER DELOAD~
しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。
ページ下へ移動
第3部~希望と絶望の宝石~
第16話『究極のファントム』
「フェイト、ユニゾンで行こう!」
ディロードはユニゾンのカードを取り出す。
「うん、わかった!」
フェイトが了解すると、ディロードはカードをディロードライバーにスキャンする。
【ATTACK RIDE-UNISON-】
「「ユニゾンイン!」」
【FORM RIDE-DELOAD LIGHTNING BRAVE-】
ディロードはフェイトとユニゾンし、ライトニングブレイブにフォームチェンジする。
─魔法の指輪、ウィザードリング。今を生きる魔法使いはその輝きを両手に宿し、絶望を希望に返る─
「『フォトンランサー・ファランクスシフト!打ち砕け、ファイア!』」
ディロードは舞台装置の魔女の使い魔達を一掃する。
「アーテム・デス・アイセス!」
“チョーイイネ!ブリザード!サイコー!”
はやてとウィザードは凍結魔法を使ってワルプルギスを凍結する。
「ユニゾンアウト!フェイト、はやて、トリプルブレイカーで決めよう!」
【ATTACK RIDE-RAISING HEART EXELION-】
【FORM RIDE-DELOAD STARLIGHT-】
ディロードはフェイトとのユニゾンを解除し、スターライトフォームにフォームチェンジする。
「わかったよ、雅。バルディッシュ…」
「ならこっちも!シュベルトクロイツ…」
「「リミッター解除!ブラスター2!」」
フェイトとはやてはデバイスの制御リミッターを解除する。
【FINAL ATTACK RIDE-DE DE DE DELOAD-】
「全力全開!スターライト…」
「雷光一閃!プラズマザンバー…」
「響け、終焉の笛!ラグナロク…」
「「「ブレイカー!」」」
ディロード達は直射魔法のコンビネーション技、トリプルブレイカーをワルプルギスの夜に放つ。
「これで、どうだ…」
ディロードは呟くが煙が晴れると、そこには無傷に等しいワルプルギスの夜がいた。
「んな!?」
「トリプルブレイカーでも無傷なんて…」
その光景にはやてとフェイトも驚きを隠せない。
「さすがは耐久力の塊とする呼ぶべきワルプルギスの夜。一筋縄ではいかないか。」
ディロードはアクセルシューターでワルプルギスの夜を攻撃するが、ワルプルギスの夜にダメージを与えることが出来ずにいた。
「雅、ワルプルギスの夜を倒す方法はないのか?」
ウィザードもウィザーソードガンをガンモードにして射撃を行いながらディロードに質問する。
「無いわけではないですが…」
「どういうことだ?」
「全ては、ある人の決意次第です。」
ディロードの脳裏にまどかがよぎる。
その頃ほむらはまどかを連れて安全地帯を探していた。
「ほむらちゃんはどうして私のためにここまで?」
「それが、約束だから…」
「約束?」
「そう。私は繰り返す中でいつかの時間で、まどかと約束した。キュゥべえに騙されないように、騙されるまどかを守るように。だけど、繰り返せば繰り返すほど、私とまどかの距離は離れていった。それでも、私は諦めなかった。それだけ、私の中ではまどかのことが大切だったの。」
「ほむらちゃん…」
ほむらとまどかは立ち止まる。
「まどか、ごめんね…急にこんなこと言って、気持ち悪いよね…」
ほむらはまどかに泣きつく。
「ほむらちゃん…」
「まどか、行ってくるね。まどかはここを離れないでね。」
ほむらは来た道を引き返す。
「ようやく行ったか。」
ほむらが去ったことを確認すると、キュゥべえが現れる。
「キュゥべえ、どうしてここに!?」
「こちらには何度も行き来をしているからね。それより、君は命をかけて友達を助けようとはしないんだね。」
「ほむらちゃんが教えてくれた。」
「そうか。それならそれで仕方がないか。」
「どういうこと?」
「僕も向こうに参戦させてもらうか。」
キュゥべえはそう言うと、ほむら達が来た道とは別の方向へ走って行く。
「石化の槍、ミストルティン!」
はやてはミストルティンを唱え、ワルプルギスの夜を石化させる。石化したワルプルギスの夜は海上に落下する。しかしそこにキュゥべえが現れる。
「ありがとう、僕の為にここまでやってくれて。」
キュゥべえは淡々と言う。
「どういうことだ!」
ディロードが言うと、キュゥべえはグリーフシードを取り出す。
「君達が過剰な攻撃をしたことで、ワルプルギスの夜は更に絶望のエネルギーを蓄えた。これで全ての条件は揃った。」
キュゥべえは海底に沈んでいた闇の書の闇とワルプルギスの夜を浮上させ、自身が所持している五つのグリーフシードをそこへ投げ込む。するとワルプルギスの夜の石化は解除され、闇の書の闇と共に禍々しい光に包まれる。
「一体何がおきているんだ…」
「あれは究極のファントムを生み出す為の繭さ。」
ウィザードの言葉にキュゥべえは返答をする。
「究極のファントムだと!そんなもの、誕生させるわけにはいかない!」
“ターンオン!”
ウィザードはアックスカリバーをアックスモードに移行させる。
「悪いけど、邪魔をされるわけにはいかないから、ここは僕も妨害させてもらうよ。」
キュゥべえはそう言うと、別のグリーフシードに保管していたファントムの魔力を吸収し、二足歩行の禍々しい怪人に変化する。
「だったらお前ごと倒すまで!」
“ハァイタッチ!シャイニングストライク!キラキラ~!”
ウィザードはアックスカリバーを巨大化させて振り下ろす一撃、ドラゴンシャイニングを放つが、キュゥべえ怪人態は片手で軽々と受け止める。
「その程度かい?」
キュゥべえ怪人態は右手からビームをウィザード目がけて放つ。
「危ない!」
【ATTACK RIDE-SPLIT-】
ディロードはウィザードを守る為に盾となり、スプリットを使って攻撃を受け止め、分裂してビームを防ぎきる。
「雅君!」
「雅、大丈夫!?」
はやてとフェイトはディロードに近づく。
「僕は大丈夫。それより、キュゥべえにここまでの戦闘能力があったとは。」
ディロードは立ち上がる。
「キュゥべえ、いや孵卵器、まさか魔法少女達のエネルギーを自分の為に使うなんて、らしくないわね。」
そこにほむらが合流する。
「暁美ほむら、君のおかげで鹿目まどかの因果律は限界を超えてくれた。僕の目的の為に動いてくれてありがとう。」
キュゥべえ怪人態はほむらを見ながら言うと、右腕に紫色のエネルギーを溜める。
「だけど、最強のファントムが生まれる今、君の必要性は消えた。」
キュゥべえ怪人態はそのエネルギーを刃に変えてフェイトとほむらを切り裂く。その攻撃を受けた二人は倒れ込み、ファントムが誕生する兆候である紫色のヒビが顔に現れる。
「キュゥべえ、フェイトに何をした!」
ディロードはキュゥべえ怪人態を攻撃しようとするが、キュゥべえ怪人態はその攻撃を軽々と避ける。
「ファントムは魔女と同様多様性に富んでいる。その中でもレギオンというファントムはゲートのアンダーワールドを強制的に切り開く力がある。そこに無理矢理ファントムの魔力を送り込めばどうなるか、わからない君ではないだろう。」
「まさか!」
「そう、彼女達の絶望を利用して新たなファントムを生み出すのが目的さ。さ、早くアンダーワールドに行かないと、君の大切な人と、唯一の魔法少女はファントムと魔女を生み出して消えてしまうよ?」
キュゥべえ怪人態は敢えてディロードに言う。
「くっ、晴人さん。フェイトと暁美さんのファントムを倒しにいきましょう!」
ディロードはフェイトに、ウィザードはほむらに近づく。
「雅、こいつを受け取れ。」
ウィザードはディロードに一つのウィザードリングと、手甲型のアイテムを投げ渡し、ディロードは受け取る。
「晴人さん、これは?」
「輪島のおっちゃんが作ったやつだ。早く行くといい。」
ウィザードはほむらの右薬指にエンゲージウィザードリングをはめる。
「約束する。俺が、最後の希望だ。」
“エンゲージ…プリーズ…”
「晴人さん、暁美さんの中の魔女は倒さないでください。魔女の正体は魔法少女の魂。魔女を倒したら暁美さんは動けなくなってしまいます。」
「わかった。」
ウィザードはディロードから説明を受け、ほむらのアンダーワールドに突入する。
「フェイト、必ず救ってみせる!」
ディロードはウィザードから渡された専用のエンゲージウィザードリングをフェイトの右薬指にはめ、その手をディロードライバーに近づける。
“エンゲージ…プリーズ…”
ディロードはフェイトのアンダーワールドに突入する。
「さて、これで君達の戦力は著しく低下した。君達に、僕の計画を止められるかな?」
キュゥべえ怪人態は光弾を放つ。
「ブリューナク!」
はやては弾魔法でそれを相殺するが、その隙にキュゥべえ怪人態に距離を詰められてしまう。
「しまった!」
「君の近接戦闘能力は把握している。これでどうかな?」
キュゥべえ怪人態は力を込めてはやてを殴ろうとし、はやては目を瞑る。しかし、その攻撃がはやてに当たることはなかった。何故なら、
「させねえよ!アタシらがいる限り!」
ヴィータのグラーフアイゼンがその拳を受け止めていたからだ。
「夜天の主は傷つかない!」
ザフィーラの牙獣走破が放たれ、キュゥべえ怪人態は咄嗟に回避する。
「私達は夜空を守る雲!」
シャマルの回復魔法によってはやてとビーストの体力と魔力は完全に回復する。
「守護騎士ヴォルケンリッター、常に主と共に!」
シグナムの飛竜一閃がキュゥべえ怪人態に的確なダメージを与える。
「まさか、ヴォルケンリッターが増援で来るとは。」
キュゥべえ怪人態は立ち上がる。
「言っておくが、そいつらだけじゃねぇぜ!」
キュゥべえ怪人態は声の聞こえた方角に目を向ける。そこにはクウガからダブルまでの平成主役ライダーが勢揃いしていた。
「流夜、お前ホントモンスターの使い方が荒いなよな。」
「まさかドラグレッダーに全員乗せてくるなんてな。」
龍騎とブレイドは呆れながら言う。
「次から次と。だけどもう手遅れさ。」
キュゥべえ怪人態はワルプルギスの夜を包み込む光に顔を向ける。すると光はひび割れ、砕け散ると中から女性のような上半身に巨獣の身体、左右にはそれぞれ異形の頭部が三つずつ生えた怪物が現れる。
「これが究極のファントム、幻肢痛の魔女 スキュラだ!」
キュゥべえ怪人態はその存在に名を与える。
to be continued.
次回、仮面ライダーディロード
「無駄さ、君達ではスキュラに傷一つ与えられない。」
「これが、魔法少女の真実…」
「こんな失敗作にかまけているなんて、ばっかみたい。」
『偽りのディロードよ、本当に使うのか?』
「ディロードドラゴン…」
次回『例え朽ちて消えても』
ページ上へ戻る