仮面ライダーディロード~MASKED RIDER DELOAD~
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第3部~希望と絶望の宝石~
第13話『君のしたいことを』
「晴人さん達は使い魔を。魔女本体は私が対処します!」
「キマイラも久しぶりの狩りで楽しんでいるんだ!」
『リンディ長官、私も現地入りします。リィンフォースを静かに眠らせてあげたいんです!』
「どういうことだ!何故お前がそれを!」
「一体何が問題なんだい?僕はただ、エネルギーにすら変えず、無駄に無くなる命をエネルギーに変えて宇宙の存続に死力を尽くしているんだ。批判される筋合いでは無いはずだ。とにかく、ワルプルギスの夜を倒せない君達では、この計画を止めることなんて、できないだろう。せいぜい頑張るんだ。」
─装填の守護者、ディロード。幾多もの世界を救い、その心は何を思う─
「おい、どういうことだよ!どうしてさやかが魔女になったんだよ!」
「佐倉さん、相手は目の前です!狼狽えている余裕はありません!」
【CHANGE RIDE-NEW DEN-O BELT-】
慌てる杏子を余所に雅はディロードライバーをNEW電王ベルトに変える。
「変身!」
[ストライクフォーム!]
雅はライダーパスをタッチして仮面ライダーNEW電王 ストライクフォームに変身する。
「行くぞ!」
NEW電王はロードスラスターを構え、マーメイドと交戦する。
「佐倉杏子、私に掴まりなさい。」
そこにほむらが現れる。
「お、おい!」
「いいから、早く。」
「わ、わかった。」
杏子はほむらの差し伸べた手を掴みほむらは時間停止の魔法を発動しほむらと、ほむらの手を握っている杏子、そして特異点であるNEW電王を除いて世界は静止する。
「暁美さん、鹿目さんは任せてください!」
「頼んだわ。」
NEW電王はまどかを抱えて、ほむら達と共に戦線離脱する。
「おい!一体何がどうなっているんだ!」
「詳しい話は後でする。とにかく今は脱出するわ。」
ほむら達は結界から脱出し、雅は変身を解除してまどかをベンチに座らせると、再び結界に向かう。
「あなた、一体何を!」
ほむらは驚く。
「今なら、まだ間に合うことをするだけです。」
雅はそう言って結界の内部に進入する。
「マーメイド、さっきは人を逃がすことで必死だったが、お前が使っている美樹さんの肉体、返してもらうぞ!」
【CHANGE RIDE-OOO DRIVER-】
「変身!」
〔ライオン!トラ!チーター!─♪ラタラタ~!ラトラーター!〕
雅はディロードライバーをオーズドライバーに変え、仮面ライダーオーズ ラトラーターコンボに変身する。
「時間が無いんだ。一気に終わらせるぞ!」
オーズは高速でマーメイドに近づき、マーメイドに掴みかかると、チーターレッグでマーメイドを蹴り続けマーメイドの生体装甲を破壊すると、内部に眠るさやかの死体を見つけ出し、オーズはそれをつかんでマーメイドから引き剥がす。
「ぐっ!そんなもぬけの殻が欲しかったのか!それくらいならいくらでもくれてやる。私がこの世界に生まれた時点で、それに用は無いからな。」
「一応、この世界の維持に必要なので。それでは。」
【ATTACK RIDE-WARP-】
雅は変身を解除し、ワープのアタックライドを使って結界から脱出する。
「お前、知っていたのか!」
雅が結界から脱出した先で、杏子はほむらの胸ぐらを掴んでいた。
「ええ、知っていたわ。」
ほむらは淡々と言う。
「じゃあなんで言わなかったんだ!わかっていれば…」
「あなたは信じたかしら?最低限、美樹さやかは信じなかったでしょうね。」
杏子の言葉にほむらは答える。
「それは…じゃあ、さやかは!」
「ああなったら、もう無理だ。ソウルジェムがグリーフシードに変わることがあっても、グリーフシードはソウルジェムに戻ることはない。」
杏子はさやかの死体に近づくが、雅が現実を話す。
「とにかく、今は美樹さんから生まれたファントムと魔女をどうにかすることが大切だ。今日は一度解散し、明日話し合おう。」
雅は一度全員を落ち着かせるために解散を提案する。
「そうだな。だけど、さやかは私が連れて帰る。」
杏子はそう言うと言うさやかの死体を持って去って行く。
「鹿目さんも、早く帰るんだ。」
雅とほむらも去り、まどかは一人、公園の方へ歩きベンチに座る。
「どうしたんだい、まどか?」
そこにキュゥべえが現れる。
「キュゥべえ、全部知っていたの?」
「勿論。」
「知っていたならなんで、それを教えてくれなかったの!」
まどかは泣きながらキュゥべえに言う。
「聞かれなかったからだ。それに、真実を話した所で、君達は契約してくれるかい?」
「それは…」
「それに、僕達だって好きで魔法少女を魔女にしているわけでは無いんだ。勿論、君達の願いを叶えることも僕達のノルマの一つだ。まどか、君にはどんな願いも叶えられる。」
「どんな願いでも?」
「そうさ。君は自分の命を差し出してでも、叶えたい願いはあるかな?」
キュゥべえはまどかの選択肢を奪うように近づきまどかに迫る。
「それなら私…」
まどかが何かを言いかけたその時、ほむらの放ったショットガンの弾丸がキュゥべえの体を蜂の巣にする。
「まどか、騙されては駄目!」
「そいつの卑劣さを知っているなら、何故自ら近づく!」
ほむらと雅はまどかの前に現れ、まどかを叱る。
「でも、殺す必要はない!」
まどかは反論し、去って行く。
「まったく、幾らエネルギーが無限にあるといえど、無駄遣いされるのは迷惑だ。」
キュゥべえは再び現れ、自身の亡骸を食べ、証拠隠滅を行う。
「相変わらず薄気味悪いな、自分の亡骸を食べているその姿。」
「こんな廃棄物、残される方が君達にとって迷惑だろう?僕だって、資源はリサイクルしたいからね。」
「いつ聞いても理解できないな。それより、お前の本当の狙いはなんだ?わざわざワルプルギスの夜を晴人さん達の世界に送って。」
雅はキュゥべえに質問する。
「あなた、どういうこと!?」
ほむらは雅の言葉に驚く。
「暁美さんの情報を頼りに僕は独自にワルプルギスの行方を追っていた。だが、この日本はおろか、世界のどこを探してもその痕跡が半月前から消えている。つまり、何らかの手段でこの世界から姿を消したというわけだ。そして、それと同時期に別の世界で魔女が現れれば、その世界にワルプルギスも移動していると捉えるのが自然な流れだ。」
雅は自身の仮説を説明する。
「その通りさ。僕は君達の世界にあった闇の書の闇の残骸とワルプルギスの夜を使い、最強のファントムを生み出す。あの世界は、宇宙全体のエントロピーの低下のためのエネルギー炉になってもらう。AMFで君の世界移動は妨害させてもらっている。邪魔はさせないよ。」
キュゥべえは雅に目的を話すと何処かへ去って行く。
「闇の書の闇、リィンフォースを利用する気か。何処までも腐りきっているな。とにかく、まずは目の前の件だ。美樹さんから生まれたファントムと魔女を倒さないと。僕は佐倉さんの所へ行きます。」
「そう、わかったわ。」
雅はこれからの行動を説明し、雅はワープのカードを使って杏子の活動拠点に向かう。
その頃、杏子はさやかの死体に魔力を込めて鮮度を保っていた。
「佐倉さん、そこにいましたか。」
「なんだ、あんたか。あんたも、魔女の正体は知っていたんだろう。」
「はい、調べた上でこの世界に来ています。」
「なあ、もうさやかは二度と笑わないんだよな。」
「そうですね。その通りです。」
「じゃあ、私達がしていたことって、かつての仲間を殺して生きていたってことなのか…」
「はい。」
「もう、何が正しいのかわからねえ!」
杏子は叫ぶ。
「何が正しいか、ではありません。佐倉さん、君のしたいことをする。それが、佐倉さんのするべきことだと思います。」
雅は優しく杏子に言う。
「そうか。押してくれてありがとう、と言っておいてやるよ。さやかの件は私に任せろ。あんたは、ファントムの方を任せる。」
杏子は立ち上がる。
「わかりました。任せてください。」
雅も立ち上がり、二人は別方向に向かう。
翌日、杏子はまどかと合流し、廃工場に入る。
「ここだ、ここにさやかはいる。」
「本当にさやかちゃんなのかな?別の魔女の可能性は?」
「いいや、魔力の反応が昨日と同じだ。行くぞ!」
杏子は魔法少女の姿に変身し、まどかと共に結界に進入する。
「見つけたぞ、マーメイド。」
【CHANGE RIDE-DEN-O BELT-】
【ATTACK RIDE-DEN KAMEN SWORD-】
その頃、雅もマーメイドを発見し、ディロードライバーを電王ベルトに、ロードスラスターをデンカメンソードに変える。
「しつこいな!」
マーメイドは右手に長剣を、左手にダガーナイフを握る。
「変身!」
[liner form!]
雅は仮面ライダー電王 ライナーフォームに変身する。
「行くぞ!」
電王は駆け抜ける。
「おい、さやか!お前言っていたよな!自分の魔法はみんなを守るため!正義のためだって!それなのに、そのお前が魔女になってどうする!」
杏子は人魚の魔女の攻撃を必死に避ける。
「ウオオオオオオッ!」
人魚の魔女は攻撃の手を緩めること無く杏子を追い詰める。
「これでどうだ!」
[full charge!]
「必殺、電車斬り!」
電王は必殺技のフルスロットルブレイクを発動する。
「甘い!」
しかし、マーメイドは四本の長剣によって各デンライナーのオーラエネルギーを破壊し、発動を不発にさせる。
「それなら!」
[charge and up!]
電王はそのままマーメイドの懐に潜り込む。そして、
「デンライダーキック!」
電王は必殺技の回し蹴りをマーメイドに放ち、マーメイドは撃破される。
「ちっ、さやか!いい加減目を覚ませ!」
杏子は使い魔を撃破してゆくが、それに伴いソウルジェムは穢れてゆく。
「佐倉杏子、なんのつもり?」
そこにほむらが現れる。
「おい、まどかはお前に任せる。後は、私とさやかの問題だ。」
杏子はまどかにほむらが近づくのを確認すると、結界を展開して二人の脱出を促し、ほむらはまどかを抱きかかえて結界から脱出する。
「それでいいんだ。」
杏子はそう言う髪留めを外す。
「独りぼっちは寂しいもんな…いいよ、一緒にいてやるよ。」
杏子はソウルジェムに全魔力を注ぎ込んで自爆し、人魚の魔女をグリーフシードごと破壊する。そして、残る魔法少女はほむらのみとなってしまった。
to be continued.
次回予告
ついに、全ての条件が整ってしまった。それを止めるためには…次回『二つの世界』
後書き
新カード紹介
NEW電王ベルト:ディロードライバーをNEW電王ベルトに変えて仮面ライダーNEW電王に変身するためのカード
デンカメンソード:ロードスラスターをデンカメンソードに変えるカード
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