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銀河帝国革命

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国共合作

 
前書き
大変長らくお待たせいたしました。今回は急いで書いたので短めとなっております。 

 
破竹の勢いで勢力を拡大していくハンソン率いる銀河ソヴィエト革命政府に対し、共和国臨時政府はどう対応するかの方針を巡り内部対立が発生していた。
臨時政府内ではクラインゲルト内務相を中心とした上院の帝政会や、ミリューコフ教育相やネクラーソフを擁する下院の立憲民主党が討伐を主張するが、パルメ労働相を中心とした下院左派や、ケレンスキー司法相やチェルノフ農相、ツェレテリ運輸相を擁するオーディン・ソヴィエトが和平交渉を主張し対立、これをマリーンドルフ首相とテレシチェンコ財務相、エプレボリ外相やビョークルンド食料担当相が双方の仲裁に入り何とか分裂を阻止している状況であり、マリーンドルフ政権は身動きが取れなくなっていた。
また、共和国軍上層部でも強硬派のコルニーロフ宇宙艦隊司令長官と穏健派のシュターデン参謀総長が戦略方針を巡って対立、さらに兵士の待遇改善デモの対応を巡って弾圧を主張するオッペンハイマー憲兵隊総監と対話交渉を主張するロマノフスキー地上軍総司令官が対立するなど、臨時政府は機能不全に陥りつつあった。

しかし帝国暦488年/宇宙暦797年9月30日、アルテナ星域会戦においてフォーゲル中将率いる共和国軍艦隊が、ファーレンハイト中将率いる銀河帝国立憲政府軍艦隊に敗北を喫したことで事態は急変。革命政府に対し停戦ないし協力関係を築く方針に決まる。その報はハンソンの耳にも入っていたのであった。





銀河ソヴィエト革命政府の首都星ロンドリーナの共産党本部にて、今後の方針を決める中央委員会が開かれていた。

「臨時政府が我々と手を組もうと言ってきている案件についてですが……」

「そんなこと議論するまでもない!死に体のブルジョア共を我々が付ける道理はなかろう!」

「だが彼らが負ければ反動貴族共の力が増すことになる。ここは手を組んだ方が良いのでは?」

「臨時政府が敗北した混乱を突いて勢力拡大を図ればよいではないか!一石二鳥というものだ!」

「手を差し伸べなかった我々を人民が受け入れると思うか?人民の支持に拠って起っている革命政府がそんなことをすれば反動貴族共と同じ穴の狢になるぞ!」

「同志ハンソン!同志ハンソンはどの様にお考えで?」

委員の一人がハンソンに尋ねた。ハンソンは目を瞑った状態で沈黙していたが、やがて口を開き沈黙を破った。

「同志諸君、我々が何故起ったのか今一度考えてもらいたい。名誉の為だろうか?富の為だろうか?権力の為だろうか?いや!人民の為だったはずだ!しかし、我々には銀河全て人民を救う力はない。だが、臨時政府は確かにブルジョアジーに依る政府ではあるが、旧帝国の中では数少ない民主共和政を掲げており、また共和国軍は労農赤軍と違い戦力が充実している。であるならば、我々は臨時政府に協力し関与を強めていくことが肝要だと私は考えるが……諸君らの見解を伺いたい。」

「意義なし!」

「同志ハンソンがそのように考えているなら私は否定する要素がありません。」

「しかし同志ハンソン、連中に協力するのはわかったが、本当に影響力を拡大できるだろうか?」

「利用されるだけ利用して捨て駒にされる可能性もありますぞ。」

「その危険性も充分にあるが……虎穴に入らずんば虎子を得ず。行動無くして成果なしという事もある。正に今がその時だろう。それに現在の臨時政府に我らをどうこうできるだけの力量はない。」

ハンソンがそう答えると委員は納得して着席した。

「それではこれより決議に移る。臨時政府との合作に賛成の者は挙手をしてもらいたい。」

この日の委員会において革命政府は臨時政府との合作を決定した。後日、臨時政府のエプレボリ外相と革命政府のブロンシュテイン委員との交渉の結果、革命政府の臨時政府への帰順が決定され、共産党は臨時政府に従う事となった。この【共和国】と【共産党】との共同戦線の事を『国共合作』と呼ぶようになるだが、それは後の歴史の話である……





 
 

 
後書き
次はもう少し早く投稿したいです。 
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