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レーヴァティン

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第百七十三話 北陸攻めの前にその九

「関東を攻めると長丁場になりかねない」
「関東攻めには」
「だからな」
「後回しでござるな」
「そうしたい」
 関東のことはというのだ。
「ではいいな」
「はい、それでは」
「その様にな」
「しましょうぞ」
「ではな、しかし」
 ここで英雄はこうも言った。
「今関東攻めは長丁場になりかねないと言ったが」
「その可能性は高いな」
 耕平はその通りだと答えた。
「実際に」
「関東は広いしな」
「それに兵も江戸城とか小田原城とかな」
「巨大な城もある」
「そやからな」
 それでというのだ。
「関東攻めはな」
「長くなりかねないな」
「それに準備もな」
 関東攻めのこれもというのだ。
「やっぱりな」
「時間がかかるな」
「でかい勢力やしな」
「ではな」
「その時間をやな」
「やはり北陸に使い」
 そしてというのだ。
「春になればだ」
「北陸攻めの開始やな」
「そうしよう」
 こう決断を下したのだった。
「やはりな」
「ほなな」
「今はだ」 
「北陸攻めの準備やな」
「秋から冬にかけて行い」
 そしてというのだ。
「あちらの国人達にもな」
「声をかけるか」
「それは行う」
 秋そして冬の間もというのだ。
「そして取り込んでいく」
「それはやるな」
「戦はしないが」
 それでもというのだ。
「そうしたことはな」
「やってくな」
「加賀、能登、越中、越後にだ」
「佐渡だな」
 幸正も言ってきた。
「この国々の国人達にだな」
「降る様に言っていってな」
「降らしていくな」
「それは行う、春までにだ」
「一家でも多く国人達をか」
「取り込んでいく、いいな」
「それで佐渡でも手に入ればか」
 幸正は英雄に対して話した。
「よしか」
「戦をせずに手に入る」
「それが最善ということだな」
「俺のこの考えは変わらない」
 全くというのだ、英雄は幸正にしかとした口調で話した。そうしてそのうえでこうも言ったのだった。 
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