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猫と美少女とヤンキー

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第三章

「悪戯ばかりでしょっちゅう引っ掻くけれどね」
「それでもなんだな」
「可愛いのね」
「もう最高にね、最近どんどん太ってきてるけれど」
 海里と羅夢に自分のスマホから猫の画像を見せる、そこにはでっぷりと太ったトラ猫がでんと寝ていた。
「この通りね」
「でかいな」
「これはまたね」
「それがまた可愛くてね」 
 二人ににこにことして話した。
「最高なのよ」
「そうか、けれどな」
 ここで海里はさくらに尋ねた。
「お前猫から彼氏手に入れるとか言ってたよな」
「それは自然に出来るでしょ」 
 さくらは海里にあっさりと返した。
「だからね」
「もういいのかよ」
「猫ちゃんは猫ちゃんよ」
「可愛がってるんだな」
「今度合コン行くけれどね」
 彼氏を手に入れる為にというのだ。
「けれどこの子と一緒にいて凄く楽しいわ」
「猫って一緒にいるだけでいいのよね」
 羅夢はこのことを笑顔で言った。
「本当にね」
「そうよね」 
 さくらは羅夢のその言葉に頷いた。
「やんちゃでもね」
「それが余計にね、ただ首輪にGPS付けた方がいいわよ」
「どうしてなの?」
「猫は脱走するから」
「それで二人付き合うきっかけになったのね」
「けれど心配するし実際に危ない目にも遭うから」
 それでというのだ。
「私も今は麗夢の首輪につけてるから」
「もう脱走してもすぐに見付けられる様にしたの」
「だから草加さんもそうした方がいいわ」
「そうね、ずっと仲良くしていたいし」
 さくらは羅夢のその言葉に頷いて述べた。
「今日お父さんとお母さんに話すわね」
「そうしてね」
「猫ちゃん飼うなら可愛がってね」
「大事にしないといけないわね」
「そうするわ」
「そうだよな、命があるからな」
 海里もこう言った。
「だからな」
「大事にしないとね」
「そうだよな、じゃあ今度お前の家に行ったらな」
 その時はとだ、海里は羅夢に話した。
「麗夢にもっと動いてもらう為に遊び道具持って行ってやるな」
「もう新しいの買ったわよ」
「そうなのかよ」
「さもないと運動不足になるから」
「そうしたんだな」
「ええ、そうしたわ」
「うちの子も太って来たし」
 さくらはまた自分の猫を見て言った。
「ダイエットの為に遊び道具買おうかしら」
「適度に太ってるならいいけれどな」
「太り過ぎはだしね」
「人間だってそうだしな」
「そうしたことも考えていくわね」
 こう言ってだった、三人で猫の話をしていった。三人共その顔は実に暖かいものだった。


猫と美少女とヤンキー   完


                  2020・9・21 
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