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レーヴァティン

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第百七十二話 甲斐平定その一

                第百七十二話  甲斐平定
 英雄は幕府の軍勢で甲府城を取り囲んだ、そうしてからだった。
 すぐにだ、こう言った。
「八万で城を囲み」
「残りの軍勢でたいな」
「甲斐の他の城や砦に向かわせ」
 そうしてとだ、英雄は香織に話した。
「そうしてだ」
「攻め落としていくたいな」
「降らない城や砦をな」
「そうしてたいな」
「甲府城を孤立させ」
 そうしてというのだ。
「そのうえでな」
「降る様に言って」
「降らないならな」
 その場合はというのだ。
「攻めてだ」
「落とすたいな」
「そうする、如何なる城もな」
「孤立したら落ちるとよ」
「そうなって落ちない城はない」
 全く、そうした言葉だった。
「だからだ」
「それでたいな」
「甲府城を囲むと共にな」
「甲斐の城や砦をたいな」
「攻め落とす、甲府城には七千の兵がいるが」
 それでもというのだ。
「囲み動けない様にしてな」
「その間にたいな」
「甲斐の他の城や砦を攻め落とし」
 そうしてというのだ。
「あの城だけにする」
「それではたいな」
「今からかかる、攻城戦には大砲と空船だ」
 この二つの兵器だというのだ。
「降らない城や砦にはな」
「その二つをたいな」
「攻める前に見せてな」
「戦っても無駄とたいな」
「思わせる」
 その様にするというのだ。
「それで降ればよし、降らないならな」
「そこで攻めるたいな」
「そうするがな」
「やっぱり戦でなくぜよ」
 当季も言ってきた。
「第一は話し合いぜよ」
「それで済めばいいな」
「全くぜよ」
「その通りだ、だからだ」
「こっちの軍をあえて見せるんじゃな」
「特に大砲と空船をな」
 この二つをというのだ。
「そうしてだ」
「戦っても無駄だとわかってもらってのう」
「降らせる、ではだ」
「四万の兵でじゃな」
「甲斐の残っている城や砦を降し攻め落とし」
 その様にしていってというのだ。
「甲府城を孤城にする」
「そうじゃな」
「そしてだ」
 そのうえでというのだ。
「その後でな」
「甲府城じゃな」
「今も攻め落とせるが」
 それでもというのだ。
「しかしだ」
「出来るだけ損害はない様にする」
「そうしたいからな」
「あえてじゃのう」
「甲府城をまずは周りからな」
「取り払っていくんじゃな」
「大樹はだ」
 まさにというのだ。 
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