八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる
しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。
ページ下へ移動
第二百八十三話 テストも終わってその十三
「そうしたそうです」
「それで普通にですか」
「人生を終えたそうです」
「そうでしたか」
「はい、アル=カポネも家庭では普通だったそうですし」
「普通の父親ですか」
「そうだったとのことです」
マフィアのドンで悪事の限りを尽くしてきた様な人でもだ。
「どうも」
「暗黒街の帝王も家庭では違うんですね」
「そこはそれぞれですね」
「そうですね、本当に表の世界で生きていたら」
「一角の人物だったでしょう」
どんな立場でものし上がってだ。
「おそらく」
「そう思うと残念ですね」
「ですから悪事の才能はです」
「それは磨かないことですね」
「あることに気付いても」
それでもだ。
「やはり人は普通に生きる方がいいです」
「その人にとっても」
「私はそう思います」
「そうですね、切った張ったの人生なんて」
マフィアなりヤクザ屋さんなり呼び方は違うけれどだ。
「送るものじゃないですね」
「軍人でもそうした生活はしないですから」
「そうですね」
「はい、ですから」
「普通に幸せに生きる為にも」
「普通の生活を送る様にしましょう」
「それがいいですね」
僕は小野さんの言葉に心から頷いた、そうしてご飯を食べてお風呂に入って休んだ。テストも何だかんだでもうすぐ終わると思いながら。
第二百八十三話 完
2020・5・8
ページ上へ戻る