レーヴァティン
しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。
ページ下へ移動
第百六十八話 美濃入りその七
「わかるけれど」
「それがな」
「今はだ」
それこそというのだ。
「全くだ」
「わかっていない」
「そうだな」
「だからね」
「人も探してだ」
海の魔神を知っている者をだ。
「そしてだ」
「そのうえでね」
「書も探しているが」
それでもというのだ。
「見付からない」
「残念なことにね」
「それが問題だ」
どうにもというのだ。
「どうしてもな」
「左様ですね」
「どうしたものか」
こうしたことを話してだ、それでだ。
英雄はこれからの戦略も練っていった。その中で東の浮島の情勢も聞いたが英雄はその情勢を聞いて目を鋭くさせた。
そしてだ、こう言った。
「東国はか」
「はい、徐々にであります」
ここでだ、峰夫が話した。
「一つになっていっています」
「そうか」
「関東一円がです」
「一つの勢力にか」
「なろうとしているであります」
「江戸城からだな」
「あの城に加えて」
さらにというのだ。
「小田原城も手に入れて」
「武蔵に相模か」
「この二国からであります」
「関東一円をか」
「掌握しにかかっていて」
「そしてだな」
「それは実現されようとしています」
関東が統一されようとしているというのだ。
「かなりの勢力になるかと」
「関東全体となるとな」
「そうであります」
「では東国攻めはな」
「その巨大な勢力とであります」
「戦うことになるな」
「このままいけば」
関東のその勢力が順調に勢力を拡大していけばというのだ。
「まさに」
「そういうことだな、ではだ」
「その関東に対して我々は」
「今はだ」
「東海と甲信を押さえて」
「北陸も完全に手中に収めてだ」
「西国を完全に幕府のものにしたうえで」
「東国を攻める」
「西国のその力で」
「東国のことは見ていくが」
それでもというのだ。
「焦らず気を取られずな」
「ことを進めていくでありますな」
「そうする」
まさにというのだ。
「駿河と甲斐を手に入れたならな」
「東国との境はっちゃな」
相見も言ってきた。
「固めておいて」
「そしてだ」
「敵が攻めて来られない様にするっちゃな」
「そうするが」
それでもというのだ。
「こちらからはだ」
「攻めないっちゃな」
「そうしていく」
「決してっちゃな」
「暫くはな」
「少なくとも北陸まで統一するまではっちゃな」
「そうする、しかし」
ここでこうも言う英雄だった。
ページ上へ戻る