ドリトル先生の野球
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第十二幕その四
「そのヤンキースではね」
「今はだね」
「永久欠番が多過ぎで」
「二十一もあって」
「その分受け継がれる連想とか歴史も限られていて」
「選手の人達も付ける背番号に困るかもね」
「そうだね、まあ阪神は阪神の事情でね」
それでというのです。
「永久欠番は三つで、そしてその三つ以外の背番号にね」
「前に付けていた選手の人の活躍のイメージが残っていて」
「そして歴史もある」
「そうしたものも楽しみながら観る」
「それも大事だよね」
「そう思うよ」
先生はお酒を飲みつつ皆にお話します。
「彼が付ける背番号にもその歴史があるしね」
「何か阪神の背番号で四四になると」
ジップがこの背番号について言いました。
「永久欠番じゃなくても凄い重みがあるね」
「バースさんの背番号だからね」
チーチーはジップのその言葉に応えました。
「何といっても」
「阪神を日本一に導いた最高の助っ人だったわね」
ガブガブも言ってきました。
「今も語り継がれる位の」
「そこまでの人だったから」
ポリネシアも言います。
「今も重みがあるのね」
「真弓さんの七、岡田さんの十六、田淵さんの二二、江夏さんの二八、井川さんの二九、掛布さんの三一もそうでね」
ホワイティは他の伝説の人達の名前を挙げていきました。
「金本さんの六、中西さんの十九も入るにしても」
「やっぱり四四は別格だね」
ダブダブはホワイティの言葉に応えました。
「何といっても」
「バースさんって僕達が聞いても凄いから」
「まさに神様仏様っていう位にね」
チープサイドの家族もバースという人についてお話します。
「他にこう言われたのって確か」
「前にお話で出た稲尾さんだけっていうしね」
「稲尾さんも物凄い選手だったにしても」
トートーも言います。
「バースさんは同じだけ凄かったことは確実だからね」
「二年連続三冠王を獲得して」
それでとお話したのは老馬でした。
「その中で阪神を日本一に導いたんだよね」
「ダイナマイト打線の軸になってね」
「真弓さん、掛布さん、岡田さんと一緒に打ちまくってくれて」
オシツオサレツの二つの頭の調子もいいものです。
「阪神を日本一にさせてくれた」
「そうした人だったね」
「うん、阪神で四四は本当にね」
実際にとです、先生もお話します。今度は糸蒟蒻と椎茸を食べています。
「数多くの背番号の中でもファンの人達の間で特別だよ」
「本当にそうだね」
「何といっても」
「バースさんの背番号だから」
「本当にね」
「別格よ」
「阪神ファンの人達が凄いことは」
まさにとお話する先生でした。
「バースさんを今も深く愛しているからね」
「もう前の世紀のことでも」
「昭和のことだけれど」
「まだバースさんを愛していて」
「あの時の活躍を讃えているのね」
「そんなことが出来るのなんて阪神ファンだけだからね」
本当にというのです。
「阪神は、ただね」
「ただ?」
「ただっていうと」
「その日本一から僅か二年後から長い暗黒時代に入ったこともね」
このことはどうしても少し苦笑いになって言うしかない先生でした。
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