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犬との幸せの為に

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第二章

「ケント、お散歩行こうね」
「ワンッ」
「今日雨よ」
 母はケントに笑顔で言う娘と娘に応える愛犬に言った。
「それでも行くのね」
「ええ、お散歩もね」
 これもというのだ。
「やっぱり毎日しっかりとね」
「朝と夕方になのね」
「行かないとね」
 そうしないと、というのだ。
「うちはお家の中にもおトイレ用意してるけれど」
「運動の為にも」
「そう、それでワンちゃんは動くことが好きだから」
「ストレス海象にもなるし」
「だからね」
 それでというのだ。
「今日も行って来るわ」
「そうするのね」
「それでね」
 さらに言う葉月だった。
「雨の日に行くなら」
「レインコートね」
「ワンちゃんの為のもあるし」
 言いながらそのレインコートも出す、そしてだった。
 ケントにそのレインコートを着せてそうして言った。
「じゃあね」
「これからなのね」
「行って来るわ」
「お散歩も絶対なのね」
「そう、おろそかにしたらね」
 それこそというのだ。
「駄目だから」
「それでなのね」
「もうね」
「雨でも行くのね」
「そうするわ、じゃあね」
 これからというのだ。
「行って来るわね」
「あんたも傘さしてなのね」
「そうして自分も濡れない様にしていくから」 
 こう言って実際にだった。
 葉月は傘をさしてそうしてケントと一緒に散歩に出た、散歩から帰るとケントの身体を拭いて母に笑顔で言った。
「ケント嬉しそうだったわ」
「雨でもなのね」
「行ってよかったわ」
 心から言うのだった。
「本当にね」
「それは何よりね」
「ご飯あげるわね」
「わかったわ、ただね」
 ここでだ、こうも言う母だった。
「ワンちゃん飼うのも大変ね」
「そう?」
「食べものにもシャンプーにもブラッシングにも注意して」
 そうしなくてはいけなくて、というのだ。
「それで絶対にお散歩行かないと駄目だし」
「そう?人間もでしょ」
 人間もというのだ。
「そうでしょ」
「それはね」
「人間も色々あるし」
「ワンちゃんもなのね」
「生きものだから」
 人間も犬もというのだ。
「色々あるのも当然よ」
「そうなのね」
「そう、だからね」 
 それでというのだ。
「大事なことは全部頭に入れて」
「一緒に暮らしていくのね」
「これからもね、じゃあご飯あげるわね」 
「その前にあんたは濡れてない?」
「大丈夫よ」
「そう、じゃあ」
「今からね」
「ご飯あげるのね」
「その後でまた遊んであげるわ」
 こう言ってだった。
 葉月はケントにご飯をあげた、そしてまた彼と遊んだ。家の中で愛犬と遊ぶ時も彼女は笑顔であった。


犬との幸せの為に   完


                2020・8・22 
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