転生したらビーデルの妹だった件
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第七話
復活したフリーザも倒されたと言うのにどうしたまたわたしはこんな所に居るのでしょうか?
ビルス様の星で気太りした宇宙服のような物を来て親指立てをさせられているわたし。
隣にはもういつものメンバー。悟空さんとベジータさんが居ます。
「19999」
「20000」
「死ぬぅ」
二万回とかやってる悟空とベジータ、バカなのっ、死ぬのっ!?
しかもこのスーツすごく重いのよっ!
「グベッ」
重みでつぶれるモンテ。
「ホラそこサボらない」
「おにぃ」
悟空さんとベジータさんはまだまだいけそうだけどわたしは無理ぃ。
「そもそもなんでわたしが修行に付き合わされているのよっ!もう神の気ならコントロール出来てるもんっ」
「ふむ。私、破壊神候補の訓練も仕事の内ですので」
職務を遂行しているだけと答えるウィスさん。
「はい?」
どう言う事?
「ホラホラ、それ以上サボるとスーツの重さを倍にしますよ。ただでさえ悟空さん達よりも何倍も軽いのですからね」
「いーやーだー」
わたしはフィジカルなんてどうしても悟空さんとベジータさんには及ばない。
だからわたしがこの修行で重点を置くのはそこじゃない。
意識を内側に集中させる。
体の細胞の一つ一つの気を感じ取りバラバラに向いている意思を統一していく。
そうする事で無駄を省きどうにか悟空達の修行に付いて行くだけの下地を得ていたのだった。
これは前世知識にあった猿武を元にしたモンテ独自の手法で、最近はそのレベルがどんどん上がっている。
おそらくウィスの修行の内容が知らず知らずの内に能力を引き上げられているのだがモンテは気が付いていなかった。
モンテがこの極意に思い至ったのはフリーザとの戦闘でボコボコにされたからだ。
今まであそこまでボコボコに殴られた事など無かったのだ。
殴られれば痛い。当たり前だがやっぱり痛いのは嫌だ。だったら攻撃のダメージを受け流せばいい。そう考えてもしかしたらと始めたのがこの猿武の修行なのだ(修行内容はオリジナルの思い付きだが)。
けしてサイヤ人って猿っぽいから出来るんじゃないか?なんて単純な事では無い…はずだ。
猿武が完成に近づくにつれてむしろ悟空さんとベジータさんのスパーリング相手になる回数が増えている気がするのはどう言う事なんだ?
後で気付いたのだけれど、猿武によりわたしの耐久力が上がりサンドバッグ率が上がった結果だった。気がついたら泣けてきた。
だがその結果更に猿武の完成度が上がり、さらにサンドバッグになると言う正のスパイラルから抜け出す事が出来ない。
だれか…助けて…
「本当モンテさんは変わっていますね」
「何がだ?」
隣に立つウィスの呟きに悟空達の修行をリクライニングチェアでピザを頬張りながら食べていたビルスが聞き返す。
「単純な強さなら悟空さん、ベジータさんに遠く及ばないくせに気を…いいえ今は細胞の一つ一つをコントロールする事でどうにかくらいついています。本当に面白い存在ですね。そのうちアレも出来るようになるのでは、と思ってしまいます」
「ふん、確かにあれは単純な強さの先にあるものではないからな」
「強さの先に有るのでしたらビルスさまも使えるはずですからね」
「ウィス」
「おっと、おほほほほ」
そんな修行を続けていたある日、ビルスさまの星に一筋のほうき星が降り注いだ。
それが新たな騒動の幕開けになろうとはこの時のモンテは完全に忘れていた。
ほうき星に乗って現れたのは第六宇宙の破壊神シャンパ様だ。
シャンパ様は事あるごとにビルス様とうまいもの勝負なるものを繰り広げているそうで、今回の来訪もその勝負の為だったのだが、シャンパ様が持ってきたドンドンドリのゆで卵に対してビルス様が取り出したのはカップ麺。
うん、まぁゆで卵とカップ麺じゃ勝負にならないよね。わたしなんてどちらかと言えばゆで卵は半分に切ってカップラーメンに乗せる派だし。
第六宇宙と第七宇宙は双子の宇宙で互いの宇宙は似通っている為に第七宇宙にある物は第六宇宙に有ると言う法則はあるのだが、どいう訳か第六宇宙の地球は滅んでいたようで、シャンパ様が癇癪を起し第七宇宙の地球と自分の所の地球を入れ替えると言う始末。
当然面白くないビルス様に対して持ち掛けたのがスーパードラゴンボール。
どんな願いでも叶うと言う惑星ほどに大きいドラゴンボールを商品に格闘試合をしようと言う事。
負ければ地球を交換、勝てばスーパードラゴンボールが手に入る。
出場選手は本人ではなく互いの世界から5人を選抜しての勝ち抜き戦らしい。
ゴクリ…
わたしは今生唾を飲み込んでいた。
あのシャンパ様のふっくらポンポン…触ってはダメだろうか…最近家に帰れてなくてブウさんのモチモチポンポンを触れていないのよっ!
「はぁ…はぁ…」
「おや、そちらの方の動悸が激しいようですがどうかなさいましたか」
とシャンパ様の隣に立っていたヴァドスさんが不穏な空気を醸し出してシャンパ様に近づくモンテをけん制。
重いスーツを着たままだったのでゆっくりとした動きだがどうやら無意識にシャンパ様に近づいていたようだ。
「いえ、ちょっと…その魅惑のポンポンを触ってみたいな…と」
「あら、シャンパ様の無駄なぜい肉に魅力を感じる奇特な方がいらっしゃるとは」
「何だとっ!ヴァドス、それはどう言う事だ?」
「そのままの意味ですが」
も、もう…限界っ!
「おい、やめろこのバカ娘がっ!」
「へにゃ…尻尾を掴むのはやーめーてー」
ベジータに尻尾を掴まれると全身の力が抜けてその場に倒れ込むわたし。
「うるさいっ!なぜ尻尾を鍛えていないっ」
わたしだって鍛えたわっ!どうしてか分からないけどどうにもならなかったのよっ!
「ベジータさん。それは女サイヤ人の種族的特性ですので不可能ですよ」
とウィスさん。
「なにっ!?どう言う事だ」
「どうもこうも種族保存の本能です。総じて気の強い女性が多いサイヤ人はそのままでは種が保てません。ですので男性が優位に立てるように種族進化したのですよ」
な、なんだってーっ!?
「ど、どう言う事だぁ?オラさっぱり分かんねぇぞ」
悟空さんは分からないで良いんですよ。
「なっ…そんな…バカなぁ…」
あ、真っ赤になってショックを受けているベジータさん。正確に理解できたんですね…だったら尻尾は離してください、エッチですよ。ブルマさんに言いつけ…やめておこう…こっちに飛び火するかもしれん。
その後、宇宙代表格闘試合を開催する事が決定し地球に戻り選手集めをする事に。
悟飯くん、ブウさん、悟空さん、ベジータさん、あとはまぁピッコロさんで良いでしょう。うむ。
「お前も参加な」
ビルス様の非情な宣言。
「なん…だと…?」
地球に戻って来たわたし達。
しかしスパードラゴンボールは6個しか発見されていない。もう一つ見つけ出さなければ願いは叶わない。
それをどうにかするために地球のドラゴンボールを使うと言う本末転倒な事態に。
まぁパシらされたのはベジータなので良いのだけれど。
しかも呼び出したシェンロンでもどこにあるのか分からないと言う。
それにビルス様が呆れなんか場が白けたのか解散ムード。
願いも叶えられずその場でビルス様相手に恐縮そうにしているシェンロンがあまりにも可哀そうなので願い事を使ってあげる事にしよう。
「永遠の若さを下さい」
「良かろう」
キューン
「二つ目の願いを言え」
「あらゆる病気、毒に対する耐性を下さい」
キューン
「さあ、最後の願いを言え」
三つ目か…うーん…あ、そうだ。
「ブルマさんを若返らせてあげて。ブラちゃんがちゃんと生まれるように母体に危険が無い様に」
高齢出産は危険だしね。
「願いは叶えた。さらばだ」
四散するドラゴンボール。
「ちょっとちょっと、私にいったいなにしたのよっ!」
ドタドタと駆け戻ってくるブルマ。
どうやら急激に服が合わなくなったのか少しゆったり気味だ。
「貴様っ!俺のブルマに何をしたっ!」
止め、ベジータっ!そのフレーズはわたしの心の中に封印した爆笑の扉を開いてしまうぞっ!
「いいじゃないのベジータさん。若返ったブルマさん、美人でしょう?」
「お、おう…」
「あら、そう…まんざらでもないようね」
照れるベジータをからかうブルマ。
「でもなんでそんな事を願ったのよ。まぁいつかは願おうと思ってたけども。五歳くらい若返らせて、とかね」
思ってたんだ。
「しかし若返らせ過ぎよ。これじゃ二十歳そこらじゃない」
ええ、それほどっ!?
「で、なんでこんなことをしたのよ」
ふむ…
「元気なブラちゃんを産んでください」
「はい?ちょ、ちょっと、ねぇっ!?いったい何のことっ!?」
それだけ言ってわたしは瞬間移動で逃げだした。
五日後の格闘大会の日。
悟飯くんは学会の発表で出る事が出来ず、ブウさんは寝ちゃってました。
結局第七宇宙の代表選手は悟空、ベジータ、モンテ、ピッコロとビルスが連れて来た第七宇宙最強のモナカの五人で出場する事に。
ウィスさんに連れられて名前も無い星へとやって来たわたし達。
そこで選手達は最低の知性が有る事を証明する筆記テストを受け…ここで手を抜けば出なくても良くなるのでは…ひぃっ!?
ゾワワと背中に嫌な気配が…び、ビルス様っ!?やります、しっかりやりますっ!
あ、試合の順番はみなさん先にどうぞ。
悟空さんとベジータさんで全部やっちゃってくだせぇ!
ああっ!ボタモさんのもっちりポンポン、ぜひ触りたい…あの方は何番目に出てくるのっ!
あ、一番目でした…
相手の二人目はフロストと言うフリーザの2Pカラー。
あ、悟空さんが負けた…
え、ピッコロさんも…
ただここでフロストの使った毒針の存在をジャコが見破り反則負けと言う事に。
反則負けだと言うのになぜかベジータさんがフロストを試合でぶっ飛ばしてた。
…ベジータさんって基本的に弱い者いじめ好きだよね。強い者には巻かれる主義だし。
いくら最終形態のフリーザと同じ姿をしていてもナメック星編のフリーザ様などもはや超サイヤ人で一撃だろう。
次の選手は第六宇宙のサイヤ人、キャベ。
なんだろうね、この綺麗なベジータみたいな感じ。
そしてベジータの驚きの発言。
「ノーマル状態じゃ俺様と互角か」
な、なんだってーーーーーっ!
ベジータさんと互角とか超すごいんですけどっ!
超サイヤ人になれないキャベをベジータが残虐ファイトで追い詰めて超サイヤ人の覚醒を促していた。
あ、確かに超サイヤ人状態でまた互角になってる。
それを大人げも無くベジータは超サイヤ人ブルーで沈めていた。
まったく本当に大人げないサイヤ人だ。
第六宇宙最後の選手、ヒット。
この選手はもう本当に向こうの宇宙の最終兵器なのだろう。
ベジータさんが何をされたかも分からず瞬殺。
反則により復活した悟空さんとの戦いでさらにその潜在能力を伸ばし悟空さんの裏技である超サイヤ人ブルー界王拳をも互角の戦いを繰り広げ、悟空さんの界王拳による時間切れ。悟空が場外へとリングアウト。
「おい、分かっているんだろうな?」
わたしの出番が回ってきてしまった…
「ひぃっ!?」
ビルス様からのプレッシャーがががががっ!!
「絶対に勝て、さもないと…破壊しちゃうよ?」
むーちゃーなーっ!?
「だう、だぁーう」
「うう、パンちゃんわたしを慰めてくれるのね」
パンちゃんが飛んできたので抱きしめていた。ほのかにミルクの香り。
「モンテ、大丈夫?」
とビーデルも駆けつけてくれたようだ。
「うう、頑張ってみるけど…悟空さんに勝っちゃうような人だよっ!?」
「まぁでも相手の体力は悟空さん達が減らしてくれたし、頑張って」
うううぅ…
不承不承と武舞台へと降りる
「尻尾があるが…お前もサイヤ人と言うやつなのか?」
とヒット。
「一応…」
「超サイヤ人と言うものには」
「…なれる」
「ほう…それは面白そうだな」
「それではー、ヒット選手対モンテ選手の試合開始ですっ」
レフリーがそう宣言して試合開始。
「そら、超サイヤ人ブルーと言うやつになってみろ」
「あのですねぇ…キャベ君を見てください。ふつうのサイヤ人は超サイヤ人ですら限界を突破しているんですよ?超サイヤ人ブルーがどれほど限界を突破しているか知っているのですかっ!」
「知らん、なれ」
だよねー…
「だが、断るっ!」
「おいっ」
ズザザーと見物人たちが盛大にこけた。
「変身は1つずつ。それが美学っ!」
ブォンと髪が金色に染まり逆立った。
「これが超サイヤ人、そして」
ビリビリと稲妻が走る。
「これが超サイヤ人2」
「ほう」
「超サイヤ人2…」
呟いたのはキャベ。
だがまだ勝てそうもないな…
「さらに…はぁああああああっ!」
髪の毛が伸びる。
「これが、超サイヤ人3だーーーーーーっ!」
ヒュンと体が消えるとモンテに拳を振るう。
バシっと軽々と受け止められてしまった。
「だりゃりゃりゃりゃりゃっ!」
連打ラッシュ連打、パンチ、キック。
「ふんっ!」
腕をふっただけでリングへと打ち払われてしまった。
「弱いな」
「あんたが強いんだっ!超サイヤ人3だよっ!分かってるっ!?3っ!これになれるの悟空さんとわたしだけなんだからねっ!」
「ゴクリ、超サイヤ人3…ですか」
キャベくんくらいだよ…驚いてくれるの。
「本当なの?ベジータ」
「フンッ!」
ビルスの問いかけにベジータが鼻を鳴らして答えた。
「そんな態度だと破壊しちゃうよ?」
「あああっあの…はい…ですが超サイヤ人ブルーの方が何倍も上の変身でしてっ!」
「そうなの?じゃあなんであの子はそんな変身をしているんだ?」
「ふん、どうせあのアホ娘の事だ。ただカッコイイからとかそんな理由に違いない」
ぶえっくしゅ…ぐしぐし
誰か噂してるかな?
シュウと髪が紅く染まり体が絞られて行く。
「ほう、その変身は見たことないな」
ヒットが関心している。
「気がまったく感じられない」
「あらこれは」
「ヴァドス様、何か分かるのですか?」
キャベがヴァドスさんに問いかけていた。
「あれは神の気です」
「神の気…」
「さしずめ超サイヤ人ゴッドとでも言う所でしょうか」
「超サイヤ人ゴッド」
正解ですヴァドスさん。
「ほう、少しは面白くなってきた」
「ッ!時飛ばしかっ!」
体力の消耗で0.1秒しか止められないとしてもその一瞬がとてつもなく優位なのはベジータの戦いを見ていれば分かる。
「なにっ?」
時を飛ばしたはずなのにヒットの攻撃をしっかりとガードしているモンテ。
「ふむ」
再び時飛ばしを使うヒット。しかしやはりモンテは防御していた。
ドウンドウン
消えては現れるヒットにモンテはきちんと対応していた。
「お前、何をした。まさかお前も時飛ばしを…」
「いや、わたしも流石にキングクリムゾンなんて使えないよ」
「キング…クリムゾン?」
「あ、いやこっちの事」
あぶねー、このネタは通じないよねやっぱり。
「使えないのならばどうして」
シュンと消えるヒット。
「なるほどな」
何かを納得したようなヒット。
「何々っ!いったいどう言う事だよ」
シャンパ様がどうなってるんだとがなり立てた。
「あれは…信じられません」
ヴァドスも何か気が付いたようで…
「何か知っているのかヴァドス」
「いったいどうなってんだよっ!」
「ほっほっほ、恐らく時飛ばし中に体が勝手に判断して動いているのではないかと」
「おいおい、それって…」
「はい。ですから信じられないと言っているのです」
「むぅ、だがそんなはずは無いだろう?」
「ですが、それしか考えられません。時飛ばしの中で動いているとしか」
ドン、ドン、バシ
「面白いな、お前も」
「わたしは面白くなーい」
「時飛ばしを無効化して来るとはな。これは普通にやるしかないか」
スっと構えを取るヒット。
時飛ばしは時が動いていない訳では無い。人間には認識できないだけだ。
その間叩く一瞬を猿武で無理やり体を動かして対応しているのだ。
「モンテのやつすげーな。時飛ばしの中で動けるんか…っていたたたたた」
悟空が痛むか体を乗り出して応援していた。
「かーめーはーめー波っ!」
「むぅんっ!」
かめはめ波もヒットには通じず。
ただ天井のバリアを壊すだけだった。
「こらーっ!遊んでいるんじゃない。絶対勝つんだー。さっさとブルーを出せっ!」
「ひぃっ!?」
ビルス様の激励にビクリと肩を震わせシッポがピンと立ち上がった。
その油断した瞬間。抜けたバリアの先にある超巨大なドラゴンボール。
それはほんの偶然。本来なら有り得ないであろう事象が重なった結果だった。
幾つもあるドラゴンボールに乱反射したブルーツ波が一点に集まりたまたま壊したバリアを抜けてモンテに視界に入ってきてしまったのだ。
ドクンッ!
1700万ゼノを超えるブルーツ波を眼から吸収したモンテは急激にの体を膨れ上がらせる。
「これは何だ一体…」
膨れ上がる体に戸惑うヒット。
「ヤバいぞカカロット」
「パンちゃんとビーデルは空を見上げちゃなんねぇっ!」
「なんだなんだ、あんなの反則じゃないかっ!」
「あら、まぁ」
「おい、ウィス。これは何だ」
「元来サイヤ人と言うものは満月を見ると大猿に変身する種族でして、変身にはサイヤ人の特徴である尻尾が必要であるようですよ」
「ふーん、それじゃあ悟空とベジータは変身できない訳?」
「そう言う事になりますねぇ」
変身を終えたモンテは全身から金の毛を逆立てた巨大な大猿へと変身していた。
「おまえぇっ!サイヤ人はあんな大猿にも変身できるのかっ!」
興奮しているシャンパ様がキャベの肩を揺らしている。あまりに高速なので死なないと良いのだけれど…
「僕たち惑星サダラのサイヤ人は大猿になんて変身できませんよっ!」
「本当かぁ!じゃあなぜあっちのサイヤ人は変身しているっ!」
「知りませんってばぁ」
キャベ涙目である。
「ふん、いくら変身しようともただ体が巨体になっただけでは無いか」
殴りかかったヒット。しかしモンテは逆にその巨体に見合わない速度で平手を振ってヒットを叩き落した。
そのまま踏みつける残虐ファイト。
「ぐおおおおおおおおっ!」
全体重で踏み抜かれるモンテの攻撃をヒットはどうにか耐えていた。
「なめるなーーーーっ!」
「グァアアアアっ!」
気合と共に起き上がると踏みつける足を払いのけそのまま転がる巨体へと渾身の蹴りを放ち宙に放り出されたモンテはあわやリングアウトと言う所でその巨体が急激に縮まっていく。
「今度はなんだぁっ!」
絶叫するシャンパ様。
クルっと回転するとリングの淵にストっと着地するモンテ。
その姿は上半身は紅い毛に覆われ髪の色は逆立っているバラ色で、目元は紅い隈取がみえた。
その気は恐ろしくクリアで、常人には感じられない。
「お前達サイヤ人はどれだけ変身するんだよっ!」
「だ、だから知りませんってっ!」
「なんだその変身は、超サイヤ人ブルーではないのか」
ヒットが構える。
「超サイヤ人ゴッドの力をもったサイヤ人の超サイヤ人4と言った所だね」
「長いな」
「適当な名前がなくてね」
「ふ、まあいい…俺にはお前の気は感じられないが…」
グッと踏み込んむ。
「この変身は結構強いよっ!」
互いの拳が空気の震えを置いて激突。
ドンッ ドンッ ドンッ
「ふっ…お前達サイヤ人は俺の限界をことごとく突破させえてくれる」
幾重にも繰り返される激突に武舞台がきしみ始めた。
「連戦でこの強さとかっ!勘弁してよぉっ!」
悟空がヒットの体力を大幅に削っているはずなのに互角の勝負で拳を振るってくる。
「面白い技を使っているな。まるでダメージが入らん」
「わたし、タフさには自信があるんだよ!」
ペロリと舌をだして悪態を吐き
「よく悟空さんとベジータさんにサンドバッグにされるからこっちも必死なんだよっ!」
その後ズーンと落ち込んだ。
第六宇宙第一試合に出て来たボタモほど無敵と言う訳では無いが、わたしは猿武でダメージを受け流している。
パンチ、キック、連打。
そして猿武は攻撃の時にも応用され、わたしの攻撃は常に全力の威力がこもっている…のだが、それと打ち合えるヒットさんマジ凄まじい。
「そうだ、その女には弱点があったな。ヒット、尻尾だ。尻尾を狙えっ!」
シャンパ様、なんて事をっ!
「エッチ」
「エッチとはなんだっ!エッチとは」
HENTAIの頭文字だよっ!
「フンッ」
どうやらヒットは弱点を狙うつもりはないらしい。
再び空気が震える衝撃が辺りに響く。
ラッシュ、ガード、連打。
互いに弾けて距離を取った。
「でもそろそろ決着をつけないと地力で負けてしまうから…」
腰を落とし右手を引いて左手でその拳を包み込むと拳に気を溜め始める。
「おいおい、ちょっとあれシャレにならねぇんじゃねえか?」
「はい。ものすごい神の気が右手に集まっていますね。ただ防御にまわす気まで右手に集めてしまっては相手に先に倒されてしまいますよ」
「最初はグーっ」
ドドンと圧縮される神の気。
「何をしているか分からんが、そんな暇は与えん」
神の気を感じられないヒットは脅威だとは感じてもその度合いを見誤った。
迫るヒットの右拳。
「ここだっ!」
「何っ!?」
ヒットが右手を振りぬいた瞬間に瞬間移動でヒットの拳を空を切らせ…
「ジャンケン、グーーーーーーーっ!」
星の一つくらい破壊しかねない一撃。
「ぐわーーーーーっ」
わたしのカウンターはヒットを武舞台の外へと吹き飛ばした。
「あ…」
「ジャンケンって…モンテさんの最後の技…」
「うん、ジャンケンって言っていたねトランクスくん」
「ジャンケンってそう言う技だっけ?」
「そんな訳あるか、あのアホ娘が」
呆気にとられる観客たち。
「すげー一撃だったな。オラもさすがにあの一撃は耐えられねぇぞ。やっぱモンテはすげーやつだな」
「フンッ」
「勝った…のか?」
「ええ、その様です」
「ふう…ルールがあって助かった…落とすだけで良いんだもんね」
変身を解き武舞台へと崩れ落ちる。
「つ、疲れた。もう二度とごめんだ」
「勝者は第七宇宙モンテさんです」
わぁあああああっ!
レフリーの宣言に湧きたつ歓声。
「今の試合は無効だ無効。神の気を持つものが試合をやるなんて不公平だろ」
「何を言っているのかな?勝ったのは我々だよ」
シャンパ様がいちゃもんをつけてビルス様が負けじと対抗。
結局最後は二人の争いになりかけた時、この宇宙を作り上げた全能の存在である全王さまが来訪し、急激に態度の変わるシャンパ様とビルス様の二人。
まぁ、超越者の登場に慌てるのは無理のない事。
全王さまがその気になれば宇宙丸ごとを消滅させることも訳が無い事なのだ。
デコピンをかます様に世界を消せる存在に立ち向かう者は居ない。
宇宙同士の争いに釘をさすために来ていた全王さまは、この格闘試合が殊の外面白かったらしく、特別にお咎め無しと言う事に。
次いでい全宇宙で格闘試合を今度催すと宣言された。
それに喜ぶのは悟空さん。もう勘弁して…
その後スーパーシェンロンを目の当たりにしてそのデカさに感動し、格闘大会は終了した。
神の言語じゃないと願いを聞いてもらえないようでビルス様が何をお願いしたかは分からなかったけれど、たしか第六宇宙の地球の復活を願ったんだったかな。
そんなこんなでようやく格闘大会は終了を迎えたのだった。
…わたしに関しては特に益がなさすぎる事件だった。とほほ…
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