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転生したらビーデルの妹だった件

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第一話

 
前書き
オリ主転生物です。ドラゴンボールの二次タイトルと言えばもうこれしか無いでしょう。書きたい事だけを書いたような作品ですが楽しんでもらえれば幸いです。 

 
うっすらと眠気を抑えて目を開けると、そこにはこちらを見つめ返す髭面のもじゃもじゃ頭の男性が見返していた。

は?

キモっ!

落ち着け…落ち着くんだ…

あたふたした手が視界に入った瞬間更に発狂。

手、ちっちぇーっ!!

あ、意識が…

ガクリと頭が左に倒れると落ちる意識に幼児の顔が写りました。

何度が気絶を繰り返して現実を確認すると、生前の記憶は曖昧だがどうやら自分は幼女に生まれ変わっていたようだ。

最初に見上げたもじゃもじゃがマーク、隣に寝ていた幼児がビーデルと言うらしい。

自分の名前も苗字はなくモンテと言うらしい。ついでにビーデルの双子のようだ。

ん…ビーデル……?


……

………

…………

ビーデルっ!?


ビーデルと言う幼女の名前と格闘家の父、マーク。

うーん、うーん…うーん…

知恵熱が出るほど悩んで認めたくない現実を思い知る。

まぁ、一番の決定打はテレビでホイポイカプセルのCMを見た時なのだが…

そう、どうやらここはドラゴンボールの世界らしい。

それもどうやら自分はビーデルの双子転生と言うまぁ、アレな感じの存在だ。

ドラゴンボールにモンテと言うビーデルの妹は登場しない。

完全なイレギュラーか…

「魔人ブウ編までに死んでいるかだよね…はぁ…」

もしかしたらセル編ですでに死んでいるのかもしれない。

この世界、結構モブに厳しい世界なのだ。

ナッパのクンッで東の都はクレーターに変えられ、魔人ブウには飴玉に変えられて貪り食われ、悪の魔人ブウには普通に一瞬のうちに全滅させられたり…そもそも地球そのものが木っ端みじんになる事もある。

それにドラゴンボール本編ならばまだ生き残れる可能性も有るのだが、未来トランクスの世界に続くのならばもう生き残る芽は無いに等しい。

人造人間に遊びついでに殺されたり、それを何とかしてもゴクウブラックに全滅されられる。そして最後は全王様が全て消し去って終了。

「もう開き直るわ。わたしはわたしの生きたいように生きるっ!」

幼女が天に手を突き出して空を見上げていた。

「なにやってるのー?」

「あ、いや…なんでもないよ、ビーデル」

隣に居たビーデルが不思議そうな顔をしていた。

とりあえずこの世界がドラゴンボールの世界なら、誰でも気を持っていて訓練次第では舞空術を使えるようになるはず。

原作のビーデルでも十日ほどで自在に飛んでいたし。

父のマークは武術の訓練に忙しそうにしているし、ビーデルはそんな父を見ているのが好きなのか結構ついて行っている。

自分はそこまで興味も無いので自室にこもって舞空術の練習だ。

あぐらをかき両手を丹田の辺りで包み込むように構えると集中する。

集中し、体中に有る気を一か所に集めるイメージ。

武術の鍛錬をしていないのが理由なのかは分からないが、気球(きだま)を一瞬表せるようになるまでに三か月もかかってしまった。

やはり一朝一夕と言う訳にはいかないらしい。

赤ちゃんで空を飛んでいたパンちゃんとかどうなんだろう…才能の差に泣きそうになるわ…

だけど気を感じる事は出来た、後はコントロールを磨けば浮けるようになるだろう。

「お、お…おおっ!」

ふよっ

「あいたっ」

どてっと床に激突。

ほんのちょっとだけだが浮けた事のに感動して集中力を切らしたのがいけなかったのだろう。

「次からはベッドでやろう…」

気のコントロールの修行方法ってどんなのがあるだろうか。

むぅこんな時こそ前世知識をフル動員する時っ!

あ、同じジャンプなら念とかもあったよねっ!

纏、練、絶、凝、発…うん、この着眼点はいいかもしれないっ!

流、周、堅、硬が使えれば死ににくくなるしねっ!

よしっ!そっちの方向で修行だぁ!



モンテちゃん、三歳。舞空術をマスターしました。

飛べるようになったので、泥棒します。

え?意味が分からない?

現在わたしはカプセルコーポレーションに侵入しているのです。

ピラフ一味も容易に侵入できるくらいザルセキュリティ。

大丈夫だろうか、この大豪邸…まぁ楽で良いのだけれど。

ソロリソロリ…フヨリフヨリと音をたてないように探索を続ける。

見つかっても三歳のわたしはすごい罪には問われないだろうと言う打算のもと、結構大胆に捜索。

どうにかブルマの部屋を見つけ出し、整理されていないガラクタを押しのけ目当ての物…ドラゴンレーダーを見つけ出すと借りパクしてトンズラ。

ドドドドドと心臓が早鐘を打っている。

「やった、やったっ!ドラゴンレーダーだっ!それに盗んでない、借りただけっ!本人の許可は取って無いけど、後で返せば多分大丈夫っ!」

空を飛べるようになったわたしは精力的にドラゴンボールを集めていく。

赤いヒトデマークが入ったオレンジの玉を見つけた時の感動と言ったらもうっ!

え、星マークじゃ無いのか?バカめこれはヒトデマークだ。ズノー様もそう言っている。

そう言えば、このどこから見てもヒトデマークが正面に見える様になる仕掛けは特許申請されているらしいけれど、神様大丈夫なのかな?特許料払っているとか?

パオズ山に反応が有るのは分かっているのだが、四星球は最後だ。

ドラゴンボールと言う作品で憧れるのは多々あるだろう。

今探しているドラゴンボールは願いを叶えてくれると言う反則チートで誰もが一度は夢を見るやつだ。

それ以外にもかめはめ波の練習をした人は多いだろう。

出ないかめはめ波を湯舟のお湯で再現してお風呂場かめはめ波なんかは誰もが通った道だ。

後は「はぁっ!」とか言いながらスーパーサイヤ人ごっことかね。

そしてやはり最後はあれだ。

そう、フュージョンだ。

部屋で一人フュージョンの練習とかしただろう?え、してない?あ、そう…

と言う訳でフュージョンだ。

「ビーデルちょっと来て」

「なぁに、モンテ」

最近格闘に目覚めたのかキックの練習をしていたビーデルを呼んでフュージョンごっこを開始。

「なに、そのポーズ」

「いいからいいから」

まだ恥ずかしさを覚えない年頃のビーデルにあの究極に恥ずかしいフュージョンポーズを教え込む。

先ず中心から三歩分距離を取り、腕を水平状態から半回転。

一気に反対側に手を振って、「はっ!」の掛け声でお互いの両の人差し指をくっつける。

ま・さ・にっ!恥ずかしいポーズなのだ!

「「ヒューーーーーーー、ジョン…はっ!」」

すると視界が混濁し始め…



……

………

「あれ…?」

気が付くと四星球が無かったが集めていたはずの全てのドラゴンボールが無くなっていてました。

そしてなんかお尻がムズムズするような…?

「モンテ、しっぽはえてるよ?」

と言うビーデルの言葉に…

「なんじゃぁこりゃあああぁぁぁぁぁっ!?」

全力で吼えたのだった。

どうやらこの尻尾、自分の意思で動かせるようだ。

色は赤み掛かった茶色で長さは腰から地面に着く程度には長い。

これってどう見ても…

「うわぁ、なんかへんなかんじ」

「び、ビーデル…なんでビーデルにも尻尾が…?」

「わかんないけど…あ、このしっぽものを掴めるよっ!」

机の上に有ったリンゴを掴んで遊んでいるビーデル。

「お行儀が悪いからやめなさい」

「えー?いいじゃんけち」

しかし、どうしてこうなったかが思い出せない。

可能性としてはフュージョン中に何かあった…いや確実に何かあったな…

だってドラゴンボール無くなってるもの…

と言う事は冷静に分析すればドラゴンボールは使われてしまったのだろう。

ドラゴンレーダーを起動しても反応が返ってこない所を見ると確実だ。

そして尻尾が生えている自分。

何かを叶えたのかは確実に自分達…そう達だ。

「シェンロン…見たかった…初めてのフュージョンで記憶が曖昧で覚えてないのはショックだ…シェンロン…」

しかしフュージョン中に何かを叶えて、分裂した後もその状態が維持されているとしか考えられない。

まぁ、叶える願いとしたら自分だったら多分アレなのだが…シェンロンの力を超える願いは叶えられないから無理かもしれないと思っていたアレだろう。

ドラゴンレーダーは後日カプセルコーポレーションに送り付けるとして…

この尻尾…どうしよう…?

確証が持てるまでは絶対に満月を見てはいけない。絶対にだっ!

ビーデル、夜大人しく寝てくれると良いのだけれど…

パパにはなんて言えば…まぁビーデルが可愛く言えば何とかなるかな…たぶん。

そんな事よりこの生えた尻尾の考察だ。

夜、手鏡をもって家を抜け出すと裏山まで舞空術で移動して人目を避けるとアレの練習をする。

首の後ろ辺りにぞわぞわを集めて…

「むりーーーーー…」

そう、このシッポがサイヤ人の証であるのなら超サイヤ人になれれば確定すると思ったのだが…

「そう簡単じゃなかった…もしかしてただ尻尾が生えただけ?もう一つ確実に分かるかもしれない方法はあるけど…満月を見るのはなぁ…怖いなぁ…」

大猿になって巨大化して暴れまわったなどと言えばシャレにならない。

「それに確か穏やかな生活で増えるS細胞とかなんとかが無いと超サイヤ人にはなれないんだっけ?種族変化?したばかりの自分じゃまだ無理か…」

それからしばらくはダラダラと過ごしていたのだが…


モンテちゃん、四歳になりました。

そろそろ出来るだろうかと裏山で気を高め超サイヤ人になる練習をしている。

首の後ろにゾワゾワを集めて…

「はーーーーーーーーっ……はぁっ!」

ブワリと髪が逆立つ感覚と共に金色に染まる。

手鏡で確認するとどうやら超サイヤ人になれたようだ。

「おおっ!マジかマジかっ!超サイヤ人っ!うわっカッコイイっ!テンションあがるぅっ!」

と言う事はシェンロンにお願いしたのはそう言う事だったのだろう。

ハイテンションで騒いでいると頭上から誰かの気配が。

「何者だコイツ…戦闘力500だと」

その声に見上げるとフリーザ軍のプロテクターを身に纏ったロン毛のサイヤ人が…

「ラ…ラ…ラ……」

いや待て…戦闘力500…だと…?

モンテは膝を着き頭を辛うじて突っ張った両腕で支えている。

皆さまはご存じだろうか。

超サイヤ人はおよそ戦闘力を50倍にするのだ。

それでいて頭上からの声は戦闘力を500と言ったのだ。

つまりわたしの戦闘力って10…

染まった金色も黒髪に戻りショックで立ち直れていないモンテ。

「戦闘力10…気のせいか?」

「はっきり言うなよぉ~っ!!あ…」

視線があう。

目の前には初めて見るサイヤ人が浮かんでいた。

ラディッツーーーーーっ!?

なんで、どうして?

混乱するモンテ。

「その尻尾…お前サイヤ人か?」

「いえ、生まれも育ちも地球です」

ミゲルママとマークパパから生まれたのは間違いありません。

完全に地球人です。

「まぁいい。スカウターの故障でないのならお前には見どころがある。一緒に来てもらうぞ」

「お断りしま…」

と言う言葉を最後まで言う事は出来ずにサイヤ人…ラディッツに尻尾を掴まれてつるし上げられてしまった。

「ち…力が…はいらにゃい…」

片手で乱暴に持ち上げるラディッツを睨み返す事も出来なかった。

「お前、…やはりサイヤ人ではないのか?だが、飛ばし子だとしても年齢が合わんな、ハーフか?」

くそう…よわむしラディッツのくせにぃ…

「なんにしても珍しい女サイヤ人だ、何かに使えるだろう。少し寝ておけ」

やめろ18禁展開はまだ早いっ!こちとら幼女だぞ、幼女っ!

ドンと首元に手刀を喰らったらしい。

ヤバイ…意識が…


「どこだろう、ここ…」

意識が戻ると目の前には何かカプセルの球体の様な物があり、その奥で煙がもくもくと上がっていた。

「何、どこっ!?狭い所怖いんだけどっ!」

パニックになりつつ目の前の扉らしき部分を叩くとミシリとひびが入った後に盛大に吹っ飛んだ。

無意識に超サイヤ人になっていたらしい。

慌てて狭苦しい所から舞空術で浮き出ると周りを見渡す。

「本当にどこっ!?」

見渡すと荒野のようだが、遠くから何か飛んで来る物体が見えた。

飛行物体から出て来たのは何だろう…ピンクのリトルグレイ型の宇宙人…?それとぷっくりとまんまるな宇宙人?だ。

抵抗の意思が無い事を示す為に地面に降りて状況を見守るモンテ。

「やぁ、いらっしゃい。ヤードラット星にようこそ」

「………はい?」

天国のお母さん。どうやらわたしはどこか知らない星にいつの間にか来ていたようです。

どうにもラディッツのアタックボールに乗せられて気絶させられていたわたしは、恐らくラディッツの死後次の目的地に設定されていたこのヤードラット星に飛ばされてきたらしい。

たどり着いたはいいのだけれど、アタックボールは壊れていて(壊したのはモンテだが)直すのに時間が掛かるし、地球に帰るにはここで瞬間移動を覚えた方が早いとの事…

ヤードラット星人の人たちの好意に甘えたわたしは地球に帰る為に修行する羽目に。

まぁ瞬間移動は覚えたかったから良いのだけれどもっ!

地球のビーデル大丈夫かな…ラディッツ襲撃後、悟飯が大猿化したために月をピッコロが破壊するはずだから大猿化する事は無いと思うけれど…心配だ…

どうせ帰れないのだ。超サイヤ人の状態に慣れる修行もついでにしておこう。

まぁ、戦闘力は500なのだけれどねっ!

常時超サイヤ人状態を維持しつつ瞬間移動を教えてもらう。

これが結構難しい。

針の山の頂上で精神修行とか、どちらかと言えばスピリチュアルな修行をこなすモンテ。

あれだ、フォースを感じるんだ的ななにかだ。すべてはフォースと共にある。

ついでに大猿に変身した時に理性を保つ修行だと思ってがんばりました。

半年かけてどうにか瞬間移動と不完全だが大猿化時意識を保つ事が出来るようになったので、地球に帰る事に。

だって、このままここに居て悟空とか来ちゃうと面倒だしね。

さらにこの一年で戦闘力も十倍ほどに伸びたようだ。

ふっふっふ、これでわたしをザコとは呼ばせない。

超サイヤ人のわたしの戦闘力は5000だっ!



……

………

ナッパより少し強いくらいですね…

いいのよ…くんっ…じゃ死ななくなったし?

まぁサイヤ人は死にかけて強くなるらしいのだけど、死にかけた事なんてないしね。これからよ、これから。

モンテちゃんたぶん五歳。地球に帰ります。

「えっと、北の銀河で気が強そうなのは…」

それでは右手の人差し指と中指を額に当てて…

「あったあった」

シュン

一瞬でヤードラット星から地球に現れたモンテが一番最初に見たのは左右から迫る閃光。

「ちょ、ちょっとちょっと!わたし戦闘タイプじゃないのよっ!瞬間移動は…間に合わないっ!ぜ、全力防御っ!」

左右からの気功波を気を全部防御力に回して何とか耐えきれたモンテは爆風に飛ばされて地面を転がる。

「いてーーーーーっ!死ぬ…死んじゃうっ!」

サイヤ人の体じゃなかったら多分死んでるよっ!

「何だ貴様はっ!」

腕を組みながら叫んでいるのは多分ベジータ。

「その尻尾、サイヤ人か?」

禿のおっさんは多分ナッパだろう。

「バカめ、金髪のサイヤ人など居るものかっ」

あ、そう言えばずっと超サイヤ人だったから金髪なのわすれてました。

サイヤ人って基本黒髪ですものね。

「おめぇ、どっから来たんだ、あぶねぇだろう」

あ、悟空さん初めてみました。ちょっと感動しています。

て言うか、わたしまさか悟空とナッパが気功波を撃ち合っている真ん中に瞬間移動してきたの?

なんて運のない…

「あ、はい…すぐにどきます」

「バカめ。お前とカカロットの撃ち合いで生き残ったヤツが普通の訳無いだろうっ。すぐに殺せ」

ベジータがナッパをけしかける。

「あ、ああそうだな」

「まてよ、お前らの相手はこのオラだろう」

ジリっと構えを取る悟空さん。素敵です。

「ちっ」

ベジータは悪態は吐いているが自分で殺しに来るつもりは無いようです。…よかった。

邪魔にならないように岩陰に移動。

ビーデルやパパの気はまだよくわかってないから適当に大きな気を目当てに飛んできたのが完全に裏目に出てしまった。

飛んで逃げたら流石にベジータも逃がしてくれないだろうな。

普通に気功波が飛んできそうな雰囲気だ。

目の前で繰り広げられる悟空とナッパ、それからベジータとの戦いを感動して観戦していたのがいけなかったのだろう。

わたしは油断していたのだ。

ナッパの後に悟空と戦っているベジータは不利を悟ると何やらエネルギーボールの様な物を作り出すと空へと放り上げたそれを直接見てしまったのだ。

ベジータの放ったパワーボールが酸素と交じり合うと大量のブルーツ波を放ち始める。

1700万ゼノを超えるブルーツ波を眼から取り込んだ尻尾の有るサイヤ人はその体を大猿へと姿を変えてしまう。

そう、尻尾の有るサイヤ人を。

ドクン…ドクン…

血流が上昇し、動悸が速まる。

着ていた服は膨れ上がる肉体に勝てる訳もなく引き裂かれ巨体は毛に覆われていき…

ヤバい理性が…持っていかれる…くぅ…

「何っ貴様やはりサイヤ人っ!?」

大猿になっても意識を保っているベジータが驚きの声を上げている。

「ウォオオオオオオオオオ」

理性の欠片も無い遠吠え。

「うわああぁああああ」

振るった右手が界王拳の後遺症で動きの鈍い悟空を吹き飛ばし、呆気に取られているベジータと取っ組み合いの戦闘を開始する。

「なめるなっ!」

ベジータの開いた口から炎が吐き出される。

それをモンテは迎え撃ち相殺。

「な、ばかなっ!?」

確かに戦闘力の数値ならベジータの方がモンテよりも何倍も上だ。

だが、モンテはヤードラット星での修行の結果瞬時に戦闘力を引き上げる事が出来るようになっていたのだ。

殆ど持っていかれている理性の中でどうにか攻撃の瞬間だけ戦闘力を引き上げて迎えうっているモンテ。

結果、ベジータとモンテは互角の戦いになってしまっていた。

ここに来て理性の有る分メンタルの弱さがあだとなり、ベジータの一瞬の不意を突いたモンテがベジータの尻尾を掴んで振り回す。

「ぐあああああっ」

振り回されたベジータはその負荷に耐えられず尻尾が根元からちぎれてしまい、元の姿に戻って地面を転がっていった。

ヤバイ…本当に理性が…

破壊衝動になんか負けるかーっ!

くぅ…!

ヤードラット星での精神修行も役に立ったようで、大猿の力を制御するとだんだん体がしぼんでいった。

倒れ込む寸前、モンテの眼前の腕は紅い毛で覆われているような気がしたが、そこで完全に意識を手放した。

次に目を覚ますと病院で、悟空さんの仲間のブルマさんが運んでくれたようだ。

そこでわたしの事を調べてくれたのかビーデルとパパが病室に着いたところだったようで…

「モンテ、一年もどこに行っていたんだ…パパは…パパは本当に心配したんだぞっ!」

ちょっと引くくらいの涙目で語るマーク。

「ご、ごめんなさい…パパ」

「帰ってきてくれてよかった。なぁビーデル」

「本当に、どこに行っていたのよバカ…モンテは本当にバカなんだから」

「ビーデルもごめんね」

適当に記憶が無い事にして話をはぐらかすのが精いっぱいだった。

だいたいわたしも一年も家を空けるつもりはこれっぽっちも無かったんだよっ!それもこれもすべてラディッツのせいだ…たぶん。
 
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